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アジアンカリー&バーの本領を発揮するメニューはこちら
単なるカレーのお店にとどまらず、〈アジアンカリー&バー〉を標榜する「犬拳堂」。カレー細胞さんおすすめのカレー2品、酒のつまみ、ちょっとキケンな焼酎をご紹介。
中毒性MAXのおいしさにハマる「アジアンカリー」

カレー細胞さんイチ押し「犬拳堂」の絶対的オリジナルカレーが、3種から選べる「アジアンカリー」だ。「野菜のカリー」「きのことトマトのエビカリー」もあるが、この日作ってもらったのは、ゴロッとしたチキンが入った「トマトとナスのチキンカリー」。
一見したところではなじみのあるカレーライスのように見えるのだが、食べてみるとまったくの別物。タイカレーのようでタイカレーでなく、程よい酸味と辛さの中にもマイルドさがあり、カレー細胞さんの「一度食べると絶対また食べたくなる、中毒性MAXのおいしさ」の言葉通りの味わいだ。

カレー細胞さん
ココナッツミルクとガーリック、タケノコが印象的なオリジナルカレーは他のどこにもない味。辛いもの好きな方には辛さ100倍まで用意されているのですが(100倍は50倍を食べた人のみオーダー可能)、いくら辛くしても辛さが単調にならないのが流石「わかってる」ポイント。辛さの先の旨さを体験したい方はぜひ!
しっかりカレー、なのにお茶の味!「狭山茶グリーンカリー」

リニューアルに合わせて登場した待望の新メニューが、犬竹さんのふるさと、埼玉県狭山市が誇る名産品を使った「狭山茶グリーンカリー」だ。お茶カレーなるものはよそにもあるが「お茶の風味はあるがカレーの味がしない」「お茶のカレーだと茶の苦みが際立ちカレーらしさに欠ける」など、あまり芳しくない評価が多いようだ。
構想から3年、犬竹さんがかなりの時間をかけて完成させたこのカレー、お茶は2種類使用しながらも苦みは強調されず、マイルドな後引く辛さがクセになる味。「あまり出ないかと思ったら、予想外にオーダーが多く驚いています」と犬竹さん。数量限定につき早めの来店がおすすめだ。

カレー細胞さん
鮮やかなグリーンが印象的です。食べてみるとしっかり「お茶の味」がすることにびっくり。それでいて「犬拳堂」名物アジアンカリーのよさもしっかり生きている。開発にはかなりの試行錯誤があったそうで、その甲斐あって新たな名作カレーの誕生です。
これは絶品! お酒が進む「アジアンカリー春巻」

前日までに要予約の「犬拳風ガイヤーン」と並んで人気が高い一品料理がこちら。スパイシーチキンカリーをベースに、ニンジン、ピーマン、春雨、ゴマなどを多めのニンニク、ナンプラーで味付けし、春巻の皮で巻いて揚げたものだが、これが一般的な春巻よりはるかにうまい。おつまみにもってこいの一皿である。

カレー細胞さん
ちょっとお酒の肴が欲しい時、まずおすすめはこちら。「犬拳堂」名物アジアンカリーの旨辛さがそのまま春巻になっているんです。酒が進みますよ。
飲み過ぎ注意の「自家製 珈琲焼酎」

「今ではほぼ毎回頼むお酒なのですが、最初飲んだ時はビックリしました」と、カレー細胞さんが教えてくれたのが、香り高い「自家製 珈琲焼酎」だ。犬竹さんのカレーの弟子、元バーのママの秘伝レシピによるもので、豆はキリマンジャロが使われアルコールはガツンと濃い目、飲むほどにじわじわとボディブローが効いてくる。
食事中にもアフターカリーにもおすすめだが、中にはアイスコーヒーの感覚で、ミルクやガムシロップを入れて飲み過ぎ、グロッキーになってしまう人もいるそう。口当たりのよさについつい飲み過ぎないようご用心。

カレー細胞さん
コーヒー焼酎自体は他店でも多く飲んできましたが、ここまでコーヒーのアロマやコクが強いのは、ちょっと他にはない。秘伝の製法による最高にオトナなコーヒーです。
バーとイベントを復活させ「顔」がわかるつきあいを

移転前は朝まで営業するなど「飲み屋」としての色も濃かった「犬拳堂」。心機一転のリニューアルを機に、20時からワンドリンクオーダー制のバータイムを新たに設けた。
「朝まで営業していた頃は、来られるお客様の顔も覚え、日々充実した時間を過ごせていました。夜はバーとしてご利用いただくことで、顔がわかる和気あいあいとした雰囲気や、人と人とのつながりをさらに大切にしていきたいですね」と犬竹さん。気軽に利用してほしいとボトルキープは2,500円から(氷・割材は別)、ドリンクはソフトドリンクもOKだ。

犬竹さんが復活させたいことはもう一つある。14年前「MARTIAL ARTS CAFE」として店をスタートした頃の格闘技バーの復活だ。「MARTIAL ARTS」は日本語で格闘技を意味する。
「コロナ前は、命日に合わせたブルースリーナイト、キックの神様と言われた藤原敏男さんを囲んでのキックナイトなど、いろいろなイベントを行っていました。それらをまた復活させたい」と意気込む犬竹さん。
もちろんカレーへの情熱もとどまるところを知らず、調理法や食材、隠し味など、細部にわたり常に進化し続けている。若き頃に漫画家となり、一時はプロを目指した格闘家の道を経て、たどり着いた「犬拳堂」。犬竹さんが繰り出すオンリーワンのアジアンカリーと酒を味わえば、誰もがノックアウトされるに違いない。