〈2025 食通が惚れた店〉

前年に引き続きインバウンド需要は高まりましたが、飲食業界も物価高騰の波に押され、それでも負けずに踏ん張った大荒れの1年でした。

そんな2025年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」をうかがいました。

今回は、ドーナツ探求家の溝呂木一美さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

溝呂木一美（みぞろぎひとみ）
ドーナツ探求家・イラストレーター・デザイナー・手芸愛好家。国内外で年間500種類以上のドーナツを食べ、自身のブログや各種SNS、テレビやラジオ、雑誌、Webメディア等でも情報を発信。著書に『私のてきとうなお菓子作り』（ワニブックス）、『ドーナツのしあわせ』（イースト・プレス）、『ドーナツの旅』（グラフィック社）。いろいろ制作ユニット「スタジオ・ソラリス」所属。

2025年のベストドーナツ

Q. 2025年、最も印象に残った飲食店とドーナツを教えてください

A. 「REMMY’S KITCHEN」の「木もれ日ドーナツカソナード」です

カレーのスパイスによる芳醇な味わいを堪能した後、楽しみにしていたドーナツが登場。カレーにも感動しましたが、これまた大変感動しました。
発酵バターを使用した生地を揚げており、表面は軽くてサックサク、中はスポンジケーキのようなホワホワとした驚くほどのやわらかさとしっとり感。フランス産ブラウンシュガー（カソナード）のコクのある甘さや豊かなバターの風味も相まって、なんとも上品で優雅なドーナツでした。
スパイスが織りなすカレーの宴を、軽やかに華やかに締めくくるドーナツ。ぜひともカレーとともに味わってほしいです。

アンダー3,000円のお手軽グルメ

Q. 2025年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「SUNDAY JAM's CLUB」の「揚げたてドーナツ」500円です

注文後に揚げてくれるので、揚げたてホカホカ！表面はカリカリでサクサク。適度に揚げ油をまとっており、とても香ばしく、クラストの食感が見事です。中は副材料の風味が豊かで、もちもちむちゅっと、しっとり感がたっぷり。しっかりと水分量を保っていて、とっても軽いドーナツです。
線路を見下ろせる場所に位置するテラス席で食べれば、ザクザクした砂糖の食感が、通り過ぎる電車の振動に重なるようで心地よい。サクッと頬張った瞬間に、脳内に喜びの物質が溢れます。