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「循環」を体験できるメニュー4品&カクテルを紹介!
「THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA」はその名の通り、音楽とお酒が楽しめるミュージックバーだが、船井さんが特に気に入っているのがこの店で提供される料理。小林武史氏が木更津に所有する、農と食とアートが融合したサステナブル・ファーム「クルックフィールズ」で作られる野菜や卵などを料理に取り入れているという。そうした「循環」を体験できるメニュー4品と水口マネージャーによるセンスあふれるカクテルを合わせて紹介。
本州では唯一の水牛からのチーズ「モッツァレラチーズ」
日本でもおなじみとなったモッツァレラチーズだが、そのほとんどはホルスタインなどの乳牛の乳で作ったものか、イタリア産のものを冷凍して輸入したものがほとんど。しかし「THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA」で提供されるこのメニューはクルックフィールズで飼育された水牛から搾った乳で作ったもの。
水牛の乳を使った日本国産のモッツァレラチーズは全国で2カ所しか作っておらず、本州ではこのクルックフィールズが唯一だという。
山名シェフによると「イメージしているモッツァレラとは香りもフレッシュさも段違いで、キュッキュッとした食感が心地よい」という。「THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA」のモッツァレラチーズは確かに今まで食べてきたモッツァレラチーズとは歯ごたえが全く異なるもの。一度食べたらヤミツキになるのは間違いないだろう。
船井さん
口に含むと薄い膜がピュッと弾け、水牛ミルクの清々しく甘い香りに包まれます。心地よい弾力と長く余韻のある味わいで、永遠に食べ続けていたいほどです。
それぞれにストーリーがある「ソーセージ3種盛り」
ソーセージと言えば豚肉で作るものが一般的。しかし「THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA」のソーセージに使われているのは鹿や猪などのいわゆるジビエ肉。クルックフィールズ内に出現する害獣となる鹿や猪などをただ駆除するのではなく、おいしくいただくという思いでこのメニューが生まれた。ここにも「循環」というクルックフィールズの思いが込められている。
「シャルキュトリー職人の岡田修シェフによって、仕留めた鹿や猪をその場で処理して加工します。そうすることでジビエ特有の臭みがほとんどないまま食べられるので、ジビエが苦手という方にもお楽しみいただけると思います」と山名シェフ。ちなみに添えられたマスタードも自家製というこだわりようだ。
船井さん
シャルキュトリー職人の岡田シェフは、ジビエハンターであり解体処理も行う名手。彼が作る猪や鹿などを使ったソーセージは、肉の素材力を感じながら、ジビエってこんなにクリアな風味だったの!?と驚くはず。
野菜の旨味をダイレクトに味わえる「季節野菜のフリット」
お次は少々ヘルシーメニュー。クルックフィールズで栽培されている野菜を、季節ごとに4~5種類を薄くスライスしたのちにフリット。小細工の利かないシンプルな調理法だからこそ野菜の旨味がダイレクトに味わえるようになっている。
山名シェフに話を伺うと「このメニューは、野菜そのもののおいしさや生命力を伝えられたらと思っています。通常のスーパーで売っている野菜と比べると味の濃さが段違いなはずです。あと、先ほどのモッツァレラチーズの時にお話しした水牛のふんを肥料にしてこの野菜を栽培する際に使っています。こうしたところからも『循環』しているというのを感じてもらえたらと思います」。
一口でわかるサクサクとした食感を楽しみつつ、じっくりと野菜本来の甘みや旨味を感じられる。お酒を楽しみながら食べるメニューとしては最高の一皿だ。
船井さん
クルックフィールズから届く新鮮な野菜をフリットにしていて、サクサク軽やか。野菜それぞれの香りや甘み、時には苦みなどが鮮烈です。
これからの季節だからこそ楽しめる「ズッキーニのジェノベーゼ」
山名シェフはもともとイタリアンで活躍していたシェフだったということもあり、「THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA」にはパスタのメニューも豊富。その中でも紹介したいのがジェノベーゼだ。
これもクルックフィールズで作られているバジルを使用してリングイネの麺と合わせている。バジルの香りが好きな人にはたまらない一皿と言える。
船井さん
山名新貴シェフは、大阪にある名リストランテ「クイントカント」でスーシェフを務めたキャリアの持ち主。クルックフィールズ内に2022年秋オープンした宿泊施設「cocoon」内のレストラン「perus」のシェフも務めています。イタリアン畑の山名シェフが作るパスタはどれも絶品。ジェノベーゼの鮮烈な香りと、噛むほどに広がるリングイネの味わい深さを楽しんで。
ここでしか楽しめない「オリジナルカクテル各種」
「THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA」の魅力の一つであるお酒。日本では珍しいサーバーから提供されるスタイルの「タップ・カクテル」をはじめ、10種類以上のカクテルがこの店のオリジナルとして提供されている。その中からマネージャーであり、バーテンダーの水口さんがオススメしてくれたのがA.Y.B.サワー、フリーマーケット、ジグザグラインという3つのカクテルだ。
「A.Y.B.サワーはいわゆるレモンサワーなのですが『THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA』のイメージそのものとも言えるカクテル。レモンの皮のオイル成分を抽出した後にウォッカと乳化させて、スパイスを加えて作るので、味わいはちょっとビターなオトナのレモンサワーになっています」
名前がユニークな「フリーマーケット」というカクテルはメキシコのお酒であるテキーラとタイ料理のテイストをミックスさせるという水口さんのセンスが際立った一杯に仕上がっている。
「このカクテルはマルガリータをベースにタイのミルクティーを合わせ、パッションフルーツと牛乳を加えて混ぜたあとにレモンジュースを入れて分離させます。それをフィルターでこしたものにオレンジワインを合わせたものです。グラスのふちには塩ではなくエビの粉と唐辛子とニンニク、玉ねぎと塩を混ぜた粉を付けてバイマックルというコブミカンの葉を添えました。味わい的にはマルガリータにトムヤムクンみたいなテイストが加わった感じになります」
そしてジグザグラインはローズヒップ、レモングラスを原料としたジンに、マスカットのような香りがするエルダーフラワーを合わせカーボネーション(炭酸化)させたカクテル。甘い香りが女性客にも人気を博している。
船井さん
3種類のカクテルともに水口マネージャーの個性があふれていて、ストーリー性があるのもポイントです。
音楽とカクテルと料理で日常のスイッチを落としてリラックス
音楽を楽しみながら、おいしいお酒と料理を楽しめる「THE MUSIC BAR CAVE SHIBUYA」。まさに日常のスイッチをオフにしてゆったりとリラックスするには最高の場所となりそうだ。