田中覚氏のおすすめ4軒
田中氏に行きつけの店を挙げていただいた。肉に妥協をしない田中氏は外食そのものにも妥協をせず、外食そのものを心から楽しむ姿勢も忘れない。ワイワイと楽しめる焼肉店や、カツレツが名物の老舗、そして意外にも寿司、お好み焼きの店もリストに。
ディナーのおすすめ① 焼肉&手打ち冷麺 二郎 柳橋店
ディナー1軒目のおすすめ「焼肉&手打ち冷麺 二郎 柳橋店」は、田中氏が経営する店の一つだ。2020年、2021年、2022年と「食べログ 焼肉 EAST 百名店」に連続で選出されている。A5和牛がコスパよく味わえるとして特に若者からの支持が厚い。

たくさん店を経営していると、その中でも特に気に入る店が出てくるという。「二郎 柳橋店はいつも活気があるお店です。お若い方が賑やかに食事を楽しまれていて、その雰囲気がいいですね」


「一番人気の二郎コースは6,050円。二郎のすべてが食べられるスペシャルなコースです。ランチの牛丼はさらにリーズナブル。こちらもとてもおいしいですよ」と田中氏は笑顔を見せる。

・二郎コース(13品)、アルコールドリンクなど 予算:6,000~7,000円
ディナーのおすすめ② 鮨はしもと
田中氏は上京して以来、年間200日は寿司を食べるという筋金入りの寿司マニアだ。「寿司は趣味。肉に向き合う日々の中での癒やしですね(笑)」と言い、特に「鮨はしもと」には足繁く通う。
「寿司全般がおいしいのはもちろんのこと、こちらのお店は一品料理も優秀です。一つひとつに創意工夫が感じられます。これはもう料理の完成形ですね」と称賛しきり。


おまかせコースは一品料理のおつまみのあと、にぎりが続く。店主の橋本裕幸氏は「日本橋橘町 都寿司」杉田孝明氏のもとで長年研鑽に励み、2014年に31歳で独立。以来、江戸前寿司の伝統に卓越したセンスを添える東京屈指の若手寿司職人として名を轟かせた。2021年、2022年に「食べログ 寿司 TOKYO 百名店」に選出、The Tabelog Award Silverも同時に連続受賞するなどその実力は折り紙付き。予約枠は常に争奪戦となっている。

・おまかせ、アルコールドリンクなど 予算:30,000円
ランチのおすすめ① さんて寛
「実はお好み焼きも好きで」と教えてくれた田中氏。ランチのおすすめ1軒目として紹介してくれたのは2018年、2019年、2022年と「食べログ お好み焼き 百名店」に選ばれている六本木「さんて寛」。寿司同様にお好み焼きもかなりの数を食べ歩いてきたと言い、中でも「さんて寛」は日本一おいしいお好み焼き店だと絶賛する。「オーナーシェフの戸田さんが自ら焼いてくれます。本当にいい顔をしながら焼いていらっしゃって、その姿もまた素晴らしいのです」



「さんて寛」の生地はカツオや昆布、鶏ガラのだしを使い、ふわふわに仕上げるのが特徴。アルコール類も豊富で、なかでも驚くのはワインの品揃え。ヨーロッパのビオワインを中心にお好み焼きとのペアリングにも挑戦できる。
・スジ焼、ソフトクリームなど 予算2,000円
ランチのおすすめ② ぽん多本家
ランチのおすすめ2軒目としてあげていただいた「ぽん多本家」は上野広小路駅近くの洋食店である。食べログTOP5000にランクインし、老若男女でにぎわう人気の店だ。特にカツレツが名物で、田中氏も大のお気に入りだという。

宮内庁の料理人であった初代が考案したといわれるカツレツは軽やかな食感の衣と赤身の旨味、ラードのコクと香りがたまらない。創業は明治38年。古き良き洋食の伝統と味わいを守ってきた店主は現在4代目。「こちらのお店には老舗だけが持つ凛とした空気がありますよね。飲食店はこうでなくてはいけないと思います」と、田中氏は語る。代々家業として肉と向き合ってきた田中氏の飲食店の理想像にも重なるのだ。


・カツレツ(ロースかつ)、ご飯、赤だし、おしんこなど 予算5,000円
※価格はすべて税込です。
※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染対策を実施し十分にご留意ください。
※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。
取材・文:宇野美香子(フリート)
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