多彩な調理手法と繊細なスパイス使いで素材の味を引き出す

もはや肉が主役! フォークでほどけるほど柔らかな「骨付ラムビリヤニ」

米はスリランカ米とキリサンバ米をブレンド

スパイスとお米の炊き込みご飯、ビリヤニといえば、作り手の数だけレシピがあると言っても過言ではないほど、その店の“らしさ”が出るメニュー。料理を通して驚きと楽しさを演出したいというロジャーさんが作るのは、大きな骨付きラム肉がのったビリヤニだ。

使うのは、ニュージーランド産のスネ肉。仕入れによりばらつきはあるが、この日は約350gほどもある大振りなもの。スターアニスやカルダモン、クローブなどを利かせたグレイビーソースを塗りながらオーブンで焼かれた骨付きラムは、トングを添えなければ盛り付けられないほどホロホロだ。見た目のインパクトと、丁寧な仕事が生む上品な味は、店で一番人気というのもうなずける。

ラム肉は香味野菜と共に丁寧に煮込み、骨の中の血など、臭みとなるアクを丁寧に除去
 

山本さん

ラムの旨味と、スパイスの組み合わせのセンスの良さを存分に味わえるところがいやはや素晴らしいと思います。

「骨付ラムビリヤニ」2,500円

庭で育てたローズマリーが香る「ズッキーニとクミン、ローズマリーのオーブン焼き」

ローズマリーのほか、カレーリーフやバジルなども育てている

「何でもカレー味というのではなく、素材の味を生かすことをスリランカ料理でもできないかと考えました」とロジャーさんが言うのがコチラ。ズッキーニは水分を逃さないように大きめにカットしてオーブンへ。クミンシードとカリッとなるまで炒めた庭のローズマリーを絡めたシンプルな前菜だ。

「ズッキーニとクミン、ローズマリーのオーブン焼き」1,000円

味付けは塩と、数種類のスパイスを漬け込んだ自家製の辛味オイル。ハーブとスパイスの複雑な香りが生み出され、ズッキーニの甘みを引き立てている。食欲をそそる程よいニンニクの香りも気が利いていて、お酒を合わせるなら、店定番のスパークリングワインがうってつけだ。

ジューシーなズッキーニとカリッとしたローズマリーの食感のコントラストも楽しい