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新型コロナウイルスの流行により苦戦を強いられていた飲食店は、少しずつ元の活気を取り戻し始めています。私たちも我慢の連続から少し解放され、おいしいものを食べて明日への活力に、そして、飲食店をより盛り上げて行きたいですね。
そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。
今回は、関西を中心に活動するグルメライター・猫田しげるさんにお答えいただきます。
教えてくれる人
猫田しげる
グルメ誌、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。現在はウェブライターとして関西を中心に活動。おいしい店はもちろん、それ以上に「クセの強い店」を愛してしまう。表向きは普通に会社勤めしているサラリーマン。あまり更新できていないブログ「クセの強い店が好きだ!」もよろしくお願いします。
今月のベストワン
Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください
A. 「anu」です
21年間営業した天満の有名イタリアン「スフィーダ」が4月に閉店したと思ったら「anu(アニュ)」としてリニューアルオープンしていた! ランチ7,700円~、ディナー14,300円~と以前よりアッパーラインになり、お店の高級感もグッと増しました。
シェフは以前と変わらず末広匡識さんで、オープンキッチンで和素材によるフュージョン料理に挑戦したかったそう。自ら釣ったビワマスを揚げたり、奈良県産の鮎をメロンと合わせたりと、独創性を発揮しまくっています。コースの献立には「とうもろこし」「新玉葱」などと素材の名前しか書かれていないので、料理が出てきて「こう来るか!」という驚きがありエンタメ感満載です。
Q. 「anu」でおすすめしたいメニューを教えてください
A. 「ディナーのおまかせコース」です
毛ガニとフルーツトマトの冷製パスタ、メロンをのせた鮎のコンフィ、炭火で焼いた牛肉のメイン……と、全11品という贅沢な内容ですが、一番おいしかったのは「新玉葱のチーズケーキ」。スイーツじゃないんです。淡路島の玉ネギ(あまたまちゃん)とクリームチーズを合わせ、玉ネギのローストパウダーをトッピングし、ソースは玉ネギの皮をキャラメリゼしたもの。玉ネギがビックリするほど甘く、えぐみも苦みも全くなし。これがスペシャリテと言ってもよさそうなぐらいです。
なんと〆は焼きおにぎりで「anugiri(アニュギリ)」という創作メニュー。焼きナスを入れたおにぎりにスパイシーな肉味噌をのせた、素朴な田舎料理っぽさがこの店とのギャップ萌え(笑)。全部ワインに合わせた味付けの料理なので、9,900円のワインペアリングコースをプラスすることを激奨します。