絶品スペシャリテを堪能するご褒美ランチ
中国4大料理として知られる広東料理は、食材の旨みを生かすあっさりした味付けが特徴。「跳龍門」では質の高い素材を使い、熟練の技で素材自身の旨みを引き出している。
その料理の魅力を存分に味わうのなら、ランチコースがおすすめだ。コースには通常のコースのほか、同店のスペシャリテを味わえる「おすすめ」もある。「おすすめコース」の中から、同店自慢のスペシャリテ2品をご紹介。
「KAPO脆皮鶏、鶏のクリスピー姿揚げ」はシェフの名前を冠した「跳龍門」の看板メニュー。ハラハラとこぼれ落ちそうなほど極薄の皮はパッリパリで、ふっくらと柔らかい肉は驚くほどジューシーで肉汁があふれんばかりだ。骨付きの肉にかぶりつけば、夢中になって思わず無口になる。
この驚きのコントラストは、途方もなく手間暇かけた調理から生まれる。「鶏を油で揚げると、鶏肉の肉汁が失われてしまいます。なので、下味をつけ、長時間乾燥させた肉をつるして、油をかけていくんです」と袁さん。油をかける回数はなんと200回にもなるのだとか。油の温度も100度から始めて、最後は200度の高温でカリッとさせる。
「毎朝、最初の仕事はこの鶏の仕込みです」と袁さんが語るほど、「跳龍門」にとっても大事なメニューだ。
コースに含まれる「フカヒレの姿煮入りスープ餃子」。この料理を際立たせているのは、袁さんが“魂”と語る上湯(シャンタン)スープだ。
5時間以上かけて、金華ハムや黒豚などの旨みを透き通ったスープに凝縮させていく。黄金色の透明なスープは、一口すすると、その淡い色合いからは考えられない程、奥深い旨みが広がっていく。このスープをしっかり吸わせたフカヒレをいただくのは最高に贅沢な瞬間だ。
銀座で楽しむ優雅なランチタイム
海鮮なら生きた素材を使うなど、新鮮で質の良い素材にこだわる姿勢は名店での料理長時代から変わらない。
袁さんに料理作りで大切にしていることを尋ねると「自分の舌」と答えてくれた。長年名店の味を守ってきたシェフ自らが、店に出す料理すべての出来具合を必ず確かめるのだそう。ニコニコと温和な人柄ながら、料理への揺るぎない自信が感じられる。
「家寳 跳龍門」に受け継がれ、さらに進化していくシェフの料理を味わいに出かけてみてはいかがだろう。