「Giolitti Cafe 有楽町店」

「Giolitti(ジョリッティ)」は、1900年にジュゼッペ・ジョリッティ氏が創業した、120年を超える歴史を持つイタリア・ローマの老舗ジェラート店。おいしさや質の高さが市民の間で話題になり、イタリア王室御用達となった。

本店はローマのスペイン広場の階段の近くにあり、映画「ローマの休日」でオードリー・ヘプバーン演じる「アン王女」が食べていたジェラートはジョリッティのもの。2021年6月、日本1号店として、ルミネエスト新宿内にオープン。わずか1週間で3,000食以上を売り上げ、その後も連日およそ1時間待ちになるなど話題となった。

2021年9月には、ここ有楽町店がオープン! こちらはカフェスタイルとなっており、ゆったりとしたスペースでジェラートやパスタなどのイタリア料理も楽しむことができる。

「ジェラートセット3フレーバー ドリンク付き」1,738円

この日は、ジャンドゥーヤ、ミックスベリー、ピスタチオの3種を、カプチーノと一緒に。

写真左から時計回りに、ジャンドゥーヤ、ミックスベリー、ピスタチオ

「ジャンドゥーヤ」は、チョコレートにヘーゼルナッツを合わせたもので濃厚な味わい。「ミックスベリー」は、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックべリーを合わせた甘酸っぱい味わいで果肉も入っている。ピスタチオは、ねっとりとしながらも、しつこくない味わい。どれも基本的にあっさりとしている。体が少し冷えたら、優しくまろやかな味わいのカプチーノで温める。

お店は有楽町マルイ3Fにあるので、窓際の席からは、有楽町駅周辺の景色を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごすことができる。ランチ営業も行っているので、食事を楽しんだ後にスイーツを楽しむのもよいだろう。近年、日本の夏季は亜熱帯のような猛暑日が続くので、夏にはアイスクリームよりもさっぱりとした味わいのイタリアンジェラートがブームとなるのではないだろうか。

「ニーノ カフェ」

こちらのカフェは、2006年4月オープンのイタリア・シチリア料理の老舗「リストランテ ダ ニーノ」のシェフが2015年10月にオープンしたカフェ。

ちなみに「リストランテ ダ ニーノ」はイタリア大使館御用達として知られ、元サッカー日本代表監督ザッケローニ氏やデヴィ夫人もお気に入りのレストランとしても有名。

シチリアの調度品が多数飾られたカフェでは、毎朝生地から作られる豊富な種類のパニーノのほか、シチリアの伝統的なドルチェを淹れ立てのおいしいイタリアのエスプレッソ、カプチーノと共に楽しむことができる。

カンノーロ

「カンノーロ」1,080円

こちらのカンノーロの生地はやや絞まった感じ。リコッタチーズクリームは、やや固形感が残る本場の食感。甘さは日本人向けにやや控えめ。オレンジピールとチョコチップが味わいと食感を添える。

ババレーゼアルジャンドゥイヤエトリュフ

「ババレーゼアルジャンドゥイヤエトリュフ」1,080円

薄いスポンジ生地に、ジャンドゥーヤ(チョコレート+ヘーゼルナッツペースト)のババロア、その上にトリュフのババロアを重ねたもの。ババロアと言っても日本のもののようにぷりんとしたものではなく、ムースに近い。上部のババロアのトリュフ感がとにかく凄い! バニラ味に少々トリュフ味が付いている程度かと思って油断していたら、口中でトリュフ味が大暴れ!? これが意外にもチョコレートと合う、大人の味わいのスイーツ。

スイーツとトリュフの組み合わせは意外に思われるかも知れないが、近時は日本ではチーズケーキに合わせる動きが見られる。スイーツ以外でも、カルディや成城石井で販売されている「トリュフドレッシング」が人気となっており、「トリュフ」はトレンドのキーワードのひとつとなるだろう。

トルタディマンドルラ

「トルタディマンドルラ」864円

直訳すると「アーモンドのケーキ」。カスタードのようなクリームをスポンジで挟み、マジパン状のねっとりとしたアーモンド生地で包んだもの。スポンジはきめ細かくしっとり、クリームからは柑橘系の風味が感じられる。

前述の通りこちらのカフェでは、いろいろな種類の「パニーノ」も提供。気軽にテイクアウトもできる。パニーノ(単数形。パニーニは複数形)とは、イタリア風サンドイッチのこと。今回は、ブレザオラとパルミジャーノチーズを挟んだものをチョイス。ブレザオラとは塩漬けの肉製品のことで、ハムの一種。レタス、トマトなども挟まれ、あっさりとした塩味に仕上げられている。

「パニーノ ブレザオラ エ パルミジャーノ」972円

カフェのカウンターでは、イタリアのバールでもよく見かけるちょっとしたクッキー類も用意されている。

バッチョーネ(バーチ・ディ・ダーマ)

「バッチョーネ」486円

お店では「バッチョーネ」と表示されていたが、正式には「バーチ・ディ・ダーマ」というお菓子で「貴婦人のキス」という意味。「バッチョーネ」は「チュッ」という感じの意味合い。2つのコロンとした形のクッキーを合わせたもので、キスをするときの唇のかたちに似ている、キスをするときのように小さくすぼめた口でも食べられる、ということで、このような名が付いたと言われる。間にはチョコレート系のクリームがサンドされる。

オッキオ・ディ・ブエ

「オッキオ・ディ・ブエ ヌテラ」648円

右側は「オッキオ・ディ・ブエ」という名のクッキーで「牛の目」という意味。イタリアのバールのカウンターでよく見かけるお菓子。こちらの店ではヌテラ(ヘーゼルナッツペーストにココアを加えたスプレッド)を挟んだものと、アプリコットジャムを挟んだものの2種類が用意されている。

ビアンコ マンジャーレ

カウンター横の冷蔵ケースには、カップ菓子も用意されている。「ビアンコ マンジャーレ」とは、直訳すると「白い食べ物」という意味で、フランス菓子でいう「ブランマンジェ」のこと。これからの暑い時期には、このような冷たいドルチェもうれしい。

※価格はすべてテイアウト用

※価格はすべて税込です。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

写真:猫井登

文:猫井登、食べログマガジン編集部