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〈ニュースなランチ〉
毎日食べる「ランチ」にどれだけ情熱を注げるか。それが人生の幸福度を左右すると信じて疑わない、編集部員や食いしん坊ライターによるランチ連載。話題の新店から老舗まで、おすすめのデイリーランチをご紹介!
春爛漫の芝公園と共に楽しみたい、世界中で愛される焼き立てパン
1990年、ベルギーの首都ブリュッセルで創業した「ル・パン・コティディアン」。オーガニック食材を巧みに扱うベーカリーレストランとして評判となり、いまやパリ、ニューヨーク、ロンドンなど、世界250箇所以上で店舗を展開しています。日本初進出となった芝公園店は2011年のオープン。東京タワーや増上寺に訪れる観光客をもてなすだけでなく、地域一帯で暮らす方々のパンのある豊かな生活も支え続けてきました。
そんな「食べログ カフェ 百名店」にも選出されている人気店に新しい食パンが登場。2022年2月の販売開始ですが、口コミを中心に早くも話題となっています。2019年ごろから食パンブームが続くなか、世界的名店はどのような新メニューを開発したのでしょうか?
日本限定食パンにも生かされたオーガニックの小麦粉を扱うテクニック
そもそも「ル・パン・コティディアン」といえば、伝統的な製法に則ったハード系のパンが定番。なかでも扱いの難しいオーガニックの小麦粉をベースに、水、塩、ルヴァン(天然酵母)のみで作るウィートパンが世界共通の看板商品です。
新作の食パンも、主な原料はオーストラリア北東部クイーンズランド州で有機栽培されたオーガニック小麦。農薬や化学肥料に頼らず伸び伸びと育った小麦だけあって性質は個性的で、日本人好みの柔らかな食パンに仕上げるのは困難を極めたそう。長年オーガニック小麦を扱ってきたノウハウがあればこそ、理想のかたちに焼き上げることができたのです。
しっとり感を高めるために使用しているのは北海道産ホエイパウダー。チーズやヨーグルトを作る際に出る上澄みの液体を乾燥させたもので、高たんぱく低脂質、栄養価も優れた食品なのだとか。ほかにも、できるだけ自然に近い平飼いの環境で育てられた国産鶏「奇跡のたまご」、血糖値が上がりにくい天然甘味料オーガニック・アガベシロップ、香り豊かな北海道産発酵バターといった厳選素材ばかりを使用しています。
味わいだけでなく、栄養面や安全性にも優れたプレミアムオーガニック食パン。フランス語で「日々の糧」を意味する店名にちなみ「糧 -KATE-」と名付けられています。
日々の幸せを演出するオールマイティーな主食
まずはそのまま生で素材のよさを味わうのがオススメ。お米文化の日本人にとって親しみやすい食感を追求しているのでしょう。ふっくら、しっとり、なめらかで品を感じる口当たり。噛むほどに優しい小麦の香り、自然な甘さが広がり、淡泊ながら味わい深さもあります。
「そのままでも、トーストでも感動できる食パン」を目指したと言うだけあって、焼いて食べるのも格別。バターを塗ってもよく馴染み、一段とリッチな風味になりますよ。
イートインで食パンを楽しむなら店内のジャムバーを利用可能。ストロベリー、アプリコット、ブルーベリーなど、有機果樹園の完熟フルーツを使用した北イタリア産ジャムとも相性抜群でした。「たまの贅沢より、毎日の幸せを。」というコンセプトの通り、使い勝手がよい食パンは日々の食生活を豊かにしてくれそうですね。
海や山の幸をのせたお手製タルティーヌでたまの贅沢も満喫!
この日は「糧 -KATE-」と合わせて、オープンから午後3時までオーダーできるBrunch Setも味わいました。サーフ(波)とターフ(大地)、つまりスモークサーモンとハモンセラーノをメインに据えた豪華なセットです。
パンはクロワッサンまたはパンオショコラをチョイスできるほか、ウィートパン、バゲットが1切れずつ付いてきます。リコッタチーズ&オリーブオイル、胡桃がのったブリーチーズなどをお好みで組み合わせ、オープンサンドにして楽しむのがベルギー流。代表的な郷土料理であるタルティーヌです。
そのほかベルギー発祥のお店だけあり、本場のチョコレートをふんだんに使用したスイーツも好評。ブレックファストにはベルギーワッフルやエッグベネディクト、ディナーにはオーガニックパン食べ放題のコース料理など、実に幅広いメニューを取り揃えています。
空前の食パンブームを経て、より一層日本の食卓に浸透したパン食文化。さらに新しい楽しみ方を求めるなら、日々の糧から豪華なごちそうまで揃う「ル・パン・コティディアン」に足を運んでみてはいかがでしょうか?
※価格はすべて税込