イギリスで社会現象を巻き起こしたクッキングリアリティ番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』の日本版『ベイクオフ・ジャパン』シーズン1がPrime Videoにて配信決定しました。総勢10名のアマチュアベイカーたちが、お菓子やパン作りの腕を競い、優勝者をひとり選出するという料理コンテストです。

審査員は日本を代表するパティシエ鎧塚俊彦さんと、フランスに25店舗、東京に4店舗あるブーランジュリーのオーナーである石川芳美さん。そして番組ホストを、俳優の工藤阿須加さんと坂井真紀さんが務めます。

今回、ベイカーたちの戦いを間近で見守ってきた番組ホストの工藤阿須加さんのインタビューが実現。番組の見どころから、好きなお菓子やパンの話まで語ってくれました。

日本の料理番組に新しい風が吹く

——今回、この『ベイクオフ・ジャパン』の企画を聞いた時の印象と、オファーを受けた時の気持ちをお聞かせください。

『ブリティッシュ・ベイクオフ』のことは、イギリスで絶大な人気を誇る番組だということは知っていましたが、オファーをいただくまでは見たことがありませんでした。当初は今まで僕らが日本で見てきた、さまざまな料理対決番組の延長線上にあるような番組なのかと思っていました。

改めてイギリス版を見せてもらったら、今までの料理対決番組では放送されなかったような、ベイカーの皆さんの感情の変化や、気温や材料の分量といった、ちょっとした条件の違いで失敗してしまう部分なども細かくていねいに描かれていたので、これは全く新しい番組を日本で見せられるんじゃないかと。楽しみに思う期待感と、ホストを任せてもらえるという大きな責任感。この二つの気持ちを持ちました。

——イギリス版と日本版で違いを感じたのはどんな部分ですか?

やはりベイカーの皆さんの感情の出し方が違いますね。日本人はどちらかというと、内に秘めるというか、感情をあまり表に出さない。それが美徳とされてきた国でもありましたし、もとの性格的にも人前では感情を抑える人が多いでしょうから。海外では自分の感情は表に出して、喜怒哀楽もどんどんぶつける。

今回の『ベイクオフ・ジャパン』でも、話数の後半、展開が進むにつれて、ベイカーの皆さんの感情が表に出てくるようになって、それは僕はすごくよかったなと思いますね。

——ベイカーの皆さんの関係性もだんだん見えてきますね。

皆さんライバルであったとしても、勝負の垣根を越えた何かつながりができていたなと感じています。

作るプロセスをあえて見せることで新たに感じるものがある

——ご自身で農業もされていて、工藤さんは食に対する関心がもともと高いと思うのですが、今回『ベイクオフ・ジャパン』の番組ホストを務めたことで、何か食に関する思いの変化はありましたか?

今、目の前にケーキがありますが、このケーキも試作して完成させるまでの間にはやっぱりいろいろな思いが詰まっていると思うんです。どんな料理にも完成までには、たくさんの感情のプロセスがあって、そこを感じられるようでありたいなと思っています。

それは『ベイクオフ・ジャパン』をやる前から思っていたことではあります。やはり僕も役者で、ものを作る中でプロセスは大事にしています。そこを感じとって見てもらえた時に、新しい発見が出てくるのかなと思っています。僕が役者の仕事をする時に考えてきたそういうことは、『ベイクオフ・ジャパン』でも生かせたかなと思います。

フランスパンをかじっていた子ども時代

——工藤さんはパンやスイーツはお好きですか? 特によく行くお店はありますか。

番組での共演をきっかけに、鎧塚さんや石川さんのお店には行くようになりましたね。

——最近ハマっている食べ物はありますか?

最近は蒸し野菜ばかり食べていましたね。焼き野菜も、おいしく食べるという意味ではいいのですが、蒸すのが一番野菜の栄養が残りそうなので。あとは玄米。なるべく毎食食べていました。タンパク質を野菜から摂るようにして、玄米を食べて。めっちゃ筋肉つきましたよ。

——お菓子やパンで好きなものは? スイーツで一番好きなものは何ですか?

スイーツで一番好きなのはモンブランです。今回の『ベイクオフ・ジャパン』の対決の中でもモンブランがテーマの回があるので、楽しみにしていました。その回の時はいろいろな思いを話してしまいました。

「食べログ スイーツ 百名店」からピックアップ! 「モンブラン」のおいしいお店

「食べログ スイーツ TOKYO 百名店」4年連続選出店である「パティスリー プレジール」は、土日のみの営業ながら、営業日は開店前から行列を作るほどの人気店です。注文を受けてからマロンペーストをしぼる「しぼりたてモンブラン」は、同店のスペシャリテ。購入して1時間以内に食べるのがおすすめなのだとか。

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出典:photomaniaさん

あとは、フランスパンがすごく好きで小学生くらいのときは1本買ってもらって、ずっと家でかじっていました。噛めば噛むほど甘くなるので。

「食べログ パン 百名店」からピックアップ! 「フランスパン」のおいしいお店

「食べログ パン TOKYO 百名店」4年連続選出店であり、日本でのフランスパンブームの火付け役とも言われる「ビゴの店」。看板メニューのバゲットは種類があり、なかでも創業者ビゴ氏のお気に入りだったという「スペシャリテ」は、フランス産小麦100%、長時間発酵で噛むたびにうまみを感じられる逸品です。

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出典:mm5-3さん

勝負が決まる瞬間を見届けて

——『ベイクオフ・ジャパン』の撮影で思い入れのあるシーンやエピソードは?

毎回、何かしらの事件が起こるので、一概にここだと言うのは難しいんですけど、やっぱりこういうリアリティ番組というのは勝ち負けがありますから、最後の1位を決める瞬間の対決というのは見応えがありますね。ベイカーの皆さんのそれまでかけていた思いが一気に爆発する瞬間でもあるので、最後まで見ていただければと思います。

Profile

工藤阿須加(くどう・あすか)

1991年8月1日、埼玉県出身。2012年ドラマ『理想の息子』(日本テレビ)で俳優デビュー。『八重の桜』(NHK)や『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS)、池波正太郎原作『武士とその妻』(BS-TBS)などに出演。また、現在配信中のAMAZON ORIGINAL『星から来たあなた』に出演。2021年からは長年の夢だった農業を開始した。

作品情報

『ベイクオフ・ジャパン』シーズン1 概要
タイトル: 『ベイクオフ・ジャパン』シーズン1
配信開始日:4月22日(金)、29日(金・祝)にPrime Videoで4話ずつ独占配信
話数:全8話
出演:鎧塚俊彦/石川芳美/坂井真紀/工藤阿須加
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取材 :藤村恭子(フリート)
文:藤村恭子(フリート)、食べログマガジン編集部
撮影:三輪友紀
ヘアメイク:シンヤ(プライマル アート)