代官山駅から徒歩2分、恵比寿駅から徒歩6分ほどの場所にあるシーフードレストラン『CEDROS』。

ここは、毎夜、インバウンダーたちが集まり、盛り上がっているお店である。最近では、インバウンダーがかなりの情報通になっているらしく、日本人さえ知らないような良いお店を知っているらしい。

なぜ、こちらに集うのかを探るべく、オーナーであるLui Shirakoさん(写真左・兄)とYui Shirakoさん(写真右・弟)にインタビューを敢行。

インバウンダーが通うお店は良いお店

――なぜご兄弟で働き始めたんですか?

 

Lui Shirako、以下・L学生時代バンクーバーに住んでいて、僕が先に帰国し、渋谷にあるカリフォルニア料理店で働いていたんです。僕がシェフで弟が店長。2人とも21歳、18歳と若かった頃です。

 

Yui Shirako、以下・Y:10年以上前の話です(笑)。でも、一緒に働く前から、もともと2人でレストランをやりたいというビジョンがありました。父の友達がサンディエゴで成功しているレストランを経営していて、影響を受けましたね。

 

客層はインバウンダーが7割!

――客層はインバウンダーが7割と伺いましたが、なぜ『CEDROS』さんに集うのでしょうか。

 

L:日本人が海外で和食が恋しくなるのと同じで、インバウンダーのお客様も当然故郷の味が恋しくなるはずですよね。僕たちの出身地はカリフォルニア州。なので、『CEDROS』のコンセプトも南カリフォルニア。そのため、料理も内装も、“帰ってきた”という気持ちになっていただけるような“現地らしさ”を表現できるよう意識しています。

 

Y:懐かしさと同時に、最大限にリラックスしていただきたいので照明などのインテリアも本場のシーフードレストランに寄せています。

 

L:お客様に人気の3メニューもやはりカリフォルニアらしいものです。料理には、アメリカらしい素材を使用。サイズは、本場らしく大きめのポーションにしています。日本の方には多いかもしれませんが、気兼ねなくシェアしてくださいね。また、2か月ほど前にカリフォルニアワインの提供を始めました。より故郷を感じていただけるお店になったのではないでしょうか。

 

【ウワサのCEDROS人気トップ3メニュー】

『ウニのクロスティーニ 2,400円』バゲットの上に新鮮なウニがたっぷり。つい撮影したくなるフォトジェニックな見た目の前菜。

『マグロのレアステーキ 3,900円』アメリカのシーフードレストランには、必ずと言っていいほど、マグロのレアステーキがメニューにあるそう。

『ロブスターと白トリュフ風味のマッシュルームリゾット 4,200円』鉄板の〆メニュー。トリュフ、ロブスターと高級感があるひと皿。クリーミーで絶妙な濃厚さ。

Y:もうひとつは、口コミ。インターナショナルなコミュニティーが日本は特に小さいので、すぐに広がりました。旅行客向けのサイトで1位を取らせていただいたりしたのも大きかったと思います。

 

編:ターゲット層もインバウンダーですか?

 

L:いえ、旅行に行ったかのような雰囲気を作りたいっていうのが目標なので、日本人の方にもぜひお越しいただきたいです。テーマは“プチ旅行気分が味わえるお店”。本場の味に近づけるだけではなく、日本人に好まれるような味に調整していますし、日本語も喋れるので安心していただければ(笑)。日本人の方とインバウンダーの方がご来店時に頼まれるメニューに相違はありません。何よりお客様がほとんどインバウンダーの方なので、扉を開けた瞬間から感じていただけるのではないでしょうか。

これからインバウンダーが集いそうなお店とは

編:9月29日(金)、恵比寿にオープンした『グローブカフェ』の料理の監修にも挑戦されたとか。

 

L:はい、『グローブカフェ』を経営されている会社の社長から「北カリフォルニアのコンセプトで料理の監修をお願いできないか。恵比寿なので女性客が多いからヘルシーな料理が良いんじゃないか。フムスをメインにしたオールデイダイニングのカフェでどうだろう」とお話をもらったので、喜んでお引き受けいたしました。で、一緒にカリフォルニアのナパへ視察しに行き、メニューを作成しました。こちらもこれからインバウンダーの方たちに人気がでそうです。

Y:僕は音楽を担当させてもらいました。若い頃から音楽やデザイン、インテリアが大好きで。シドロスのロゴや内装は僕たちでデザインしています。

L:僕だけだと弟が焼きもちを焼いちゃうので(笑)、音楽をお願いしました。レストランは音楽がすごい大事だと思います。雰囲気に合う音楽がないと、みなさんリラックスできない。

 

Y:表参道の『TOKYO Whisky Library』や赤坂の『NoMad Grill Lounge』でも使っていただいています。

インバウンダーが集まるバーも要チェック!

編:ほかにも、お2人は中目黒に『CABIN』というバーを経営されているそうですが、なぜ2店舗目がバーだったんですか?

 

Y:『CEDROS』は住宅街にある上、大家さんがお店の上に住んでいるので、遅い時間まではオープンできない。そのため、ラストオーダーは21時半、閉店は22時と早いので、お客様はその後どこかへ移動して飲みたい方が多いじゃないですか。

 

L:お客様に「どこか良いバー知らない?」って聞かれることがよくありました。そうすると好きなバーを紹介するじゃないですか。で、あるとき仕事が早く終わって、兄弟で飲んでいたら9割くらいがうちのお客さんだったんです。それで「俺たちはバーもやらないと絶対ダメだよな」って思ったのがきっかけです。バーの方はバンクーバーの「山小屋」みたいなイメージですね。こちらもインバウンダーのお客様がほとんどです。

海外に“日本人が集うお店”ができる!かも

編:多才ぶりを発揮されているお2人ですが、今後の展望は?

 

Y:デートに使えるお店として周知されたいです。女性を口説くならここ!みたいな。

 

L:そうだね。あとは、やっぱり海外で勝負したい! このコンセプトはどこ行っても通用すると信じているので、オファーがあればどこへでも行きます。今度は日本人の方が「日本語が通じるお店」として、ジャパニーズコミュニティーができたら面白いかもしれません。

 

撮影/ヤナガワゴーッ!