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〈食べログ3.5以下のうまい店〉
巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー! 食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。
そこで、グルメなあの人にお願いして、まだまだ知られていないとっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は福岡を拠点に活動するお笑い芸人のゴリけんさんに、博多区半道橋のちゃんこ屋を紹介してもらった。
教えてくれた人
ゴリけん
1973年熊本県八代市出身。1998年4月にデビュー。2006年にワタナベエンターテインメント九州支部の立ち上げに伴い、活動の拠点を福岡県に移す。主なレギュラー番組はTNC「ゴリパラ見聞録」、RKB「タダイマ!」、RKBラジオ「ゴリけんの九州・沖縄ぐるぐるマップ」「オトナビゲーションZ」他、多数。2020年からは福岡県の取り組み「ふくおかファンクラブ」のアンバサダーにパラシュート部隊と共に就任。
元相撲取りが生んだ絶品ちゃんこ「ちゃんこ まる直」
福岡の魅力と言えば、安くておいしい飲食店の数々と、人懐っこく、義理人情に厚い人柄。その両方を一度に味わえる場所が、今回紹介する「ちゃんこ まる直」だ。福岡空港から都市高速環状線を挟んだ西側、博多区半道橋エリアに同店がある。
現在、食べログの点数は3.09だが、この地に移転オープンして約27年。地元で愛されるだけではなく、北九州などからもわざわざ足を運ぶ常連客もいるという。そんな同店の魅力は、料理のおいしさだけではなかった!
※点数は2021年12月時点のものです。
絶品ちゃんこの味を受け継ぐ2代目
暖簾をくぐるとまず目に飛び込んでくるのは相撲の廻し。さらにお店の奥に進んで行くと、そこには至る所に大きな手形が押された色紙が貼られている。そう、同店の初代店主は元相撲取り!
そして現在、先代が作り上げたちゃんこの味を受け継ぎ守り抜いているのが、常連客に「ナオくん」の愛称で親しまれる、初代店主の息子で2代目店主のナオタカさんだ。大学を卒業した後に看護助手として4年働いたが、その間も夜は毎日のように店に立ち、先代の味を体で覚えた。
先代が口癖のように言っていた「悪いもんは出さないように」「粗相がないように」という言葉を今も常に胸に持っているという。
ゴリけんさんイチオシはこの4品
自慢のスープのおいしさに驚く、ボリューム満点ちゃんこ
ゴリけんさんがまずおすすめするのは、看板メニューの絶品ちゃんこ鍋。メニューには「すりみちゃんこ」1,480円と「豚バラちゃんこ」1,480円の2種類があり、こちらをハーフ&ハーフで注文することもできる。
まずスープを飲んでみて、あまりのおいしさに驚いた! 自慢のちゃんこは、かつおベースのスープにたっぷり入ったキャベツの甘みが広がり優しい味わい。出汁の甘みと温かさがじんわり体に染み渡っていく。珍しい楕円形の鶏つみれは食感がポイント。プリンとした弾力を感じつつ、噛みしめると鶏の旨みと野菜の風味が鼻に抜ける。
注文時に「ニンニクは入れますか? 」と聞いてくれるので、ぜひ入れてもらおう。優しい味わいにニンニクのガツンとした旨みが加わり「疲れたらこのちゃんこ!」と、ゴリけんさんも太鼓判を押すパワーフードの完成だ。
ゴリけんさん
ピリ辛の柚子胡椒をスープに溶かして、具材と絡めて食べるべし! そして、必ずビールも頼むべし!!
ニンニクが利いたスープに、ちゃんこ鍋と一緒に提供される自家製柚子胡椒を加えれば、ピリッとしたアクセントでよりメリハリのある味わいに。
メニュー表にはないが「もつちゃんこ」1,680円も、ナオタカさんのイチオシ。実は狂牛病のニュースが取り沙汰されて以降、同店のレギュラーメニューから姿を消していたものだ。当時の味を復活させたいと、ナオタカさんが今年から再び提供を始めた。弾力があり、脂身の甘さがスープに溶け込むもつは、ちゃんこの味に一層深みを与えてくれる。お腹に余裕があれば、もつのみの追加も可能だ。