福岡のソウルフード「博多ひとくち餃子」とは?
餃子1個の直径は約4〜6cmと小ぶり。ひと口で食べられるサイズと、パリッと焼かれた薄い皮が最大の魅力。アンにタマネギを加える店が多いのも特徴の一つです。その歴史は戦後1940年代後半から始まったとされ、今では県外客にも愛される博多名物へと成長しました。今回は、そんな「博多ひとくち餃子」を生み、育ててきた老舗をピックアップ。歴史をひもとき、創業年が古い順から紹介します。ランチに使えるお店やテイクアウト情報も掲載!
1. 「博多一口餃子」発祥の店|宝雲亭
1949(昭和24)年創業、中国(旧満州)から帰国した初代が、現地の水餃子に着想を得て開いたという餃子専門店。九州では昭和22年創業の大分県「湖月」に続く福岡最古の店であり、長崎県「長崎宝雲亭」をはじめ多くの弟子を輩出しています。
餃子の形は中国の古銭がルーツで、アンに使う材料は細かく刻んだタマネギ、合挽ミンチ、ニラのみ。ニンニクを使わないのも“宝雲亭流”で、創業以来変わらない味と製法を守り続けています。
香ばしい餃子の皮は、薄いながらもモッチリ感があり口溶けも良好。噛めばアンのふんわりとした食感と旨みが弾けます。気温や湿度に合わせ、秒単位で調整するという焼き加減にも、職人技がキラリ。創業時から提供しているという「赤い柚子胡椒」をつければ、お箸が止まりません。2011年からは、糸島で育つ黒豚を使った「黒豚焼餃子」660円も登場。
「はかた地どり」をしっかりと炊き込んだ鶏ガラスープに、自慢の「博多一口餃子」が入る「すうぷ餃子」600円や、新メニューの「手包みワンタン麺」780円も人気。それぞれの違いを食べ比べるのも楽しみの一つです。
中洲の錦小路にある本店のほか、薬院には姉妹店「宝雲亭 薬院」もあり。餃子のテイクアウトや全国配送も行っており、薬院店では現在(※2021年8月)ランチ営業を行っているそう。ぜひ立ち寄ってみてください。