キュートすぎるネーミング「恋する豚」ってご存じですか? こちらの豚さん、可愛いだけではありません。どうやら今注目を集めている“醗酵食”で腸内フローラのバランスを改善してくれるそう。「一体なぜ?」、今回はそんなハテナを東京医科歯科大学の名誉教授・藤田紘一郎先生が解決してくれました。

今知っておくべき醗酵食品のこと

恋する豚って何者?

藤田紘一郎先生、以下:藤
パンの耳や割れたビスケットなどに乳酸菌や麹菌を加えて醗酵させたものを餌にしているブランド豚です。生きた菌を食べることで病気になりにくい体にしようする「プロバイオティクス」に取り組んでいます。豚の本来の免疫力がアップし抗生物質を使う量が減り、結果的に健康な豚が育ち、肉質も良くなると考えています。
 
恋する豚は、味もバツグンです。ほのかな甘みが口に広がり、味はすっきり。ほかのブランド豚に比べて、うま味の成分である「グルタミン酸」や「イノシン酸」が多く含まれているほか、脂肪酸の組成は、肌の健康を維持するオレイン酸などの不飽和脂肪酸を多く含んでいることが特長。
カラダの中からキレイになりたい人におすすめの豚肉です!

恋する豚はどこで食べられる?

藤:10月21日(土)、浅草にオープンする『Hacco’s Table』で食べられます。こちらは「醗酵食」をメインにしているので、恋する豚以外の醗酵食メニューも豊富。僕もアドバイザーとして参画させていただきました。

そもそも醗酵食品とはどんなもの?

藤:醗酵食品とは、生きた乳酸菌や麹菌などで醗酵させた食品です。これらの菌は、腸に入ると腸内フローラを活発にし、免疫力を増強させます。

醗酵食を摂ればキレイになれる?

藤:醗酵食を摂れば、腸内フローラが整備され、免疫が増強されます。幸せ物質の「ドーパミン」、「セロトニン」の分泌が増え、ビタミンB群が増え、体も心も元気になり、きれいになってゆきます。

自分に合う菌があるって本当ですか?

藤:自分に合う菌は確かにあります。乳酸菌でも自分に合う菌と合わない菌があります。しかし、醗酵食には非常にたくさん菌が含まれていますので、結果的にはどんな醗酵食品を摂っても体に良いということです。

 

継続して醗酵食品を食べたい!お店以外でも摂取できる?

藤:醗酵食品はコンビニにも多種類置いてあります。納豆、味噌、ヨーグルト、チーズなどのほか、キムチなどの漬物もそうです。これらの醗酵食品をいろいろ摂ると免疫力が高まり、がんやアレルギーなどの病気にかかりにくくなります。

未来の自分のために、醗酵食品を取り入れる!

藤:日本人の死因の第一位はがんで、この原因として日本人の食生活の欧米化が考えられています。大腸がんなどのがんの発生を抑えるには、腸内環境のバランスを整える食事を取ることが必要です。みなさんも始めてみてはいかがでしょうか?

 

■Profile
藤田紘一郎(東京医科歯科大学 名誉教授)
東京医科歯科大学卒業後、東京大学大学院医学系研究博士課程を修了。⾦沢医科⼤学教授、⻑崎⼤学医学部教授、
東京医科⻭科⼤学⼤学院教授を経て、現在は同⼤学名誉教授。医学博士。専門は寄生虫学、熱帯医学。感染免疫学の第一人者であり「腸内フローラ」の研究に長く携わる。