「サードウェーブ」というと、一般的にはコーヒーを思い浮かべる人が多いと思いますが、では「抹茶」のサードウェーブとは? 抹茶の新しい楽しみ方を提案するアトリエカフェ「アトリエマッチャ」が、8月に東京・人形町にオープンしました。

抹茶のサードウェーブとは?

アトリエマッチャの見解によると、抹茶のファーストウェーブは「限られた人が茶室で楽しむお茶」。武家や貴族のものだった茶道が、江戸・明治・大正・昭和と長い時間をかけて一般に広がりましたが、それでも茶道を嗜む人々が限定的に上級抹茶を飲むことに止まりました。

セカンドウェーブは、2000年代の抹茶ブーム。「抹茶アイス」「抹茶ラテ」などの登場で一気にカジュアルになりました。多くの人に日常的に食されるようになりましたが、このような抹茶スイーツの多くは製菓用抹茶や抹茶パウダーを使用しており、抹茶本来の味や香りを楽しむというよりは、フレーバーの一つとして定着したと言えます。

そして、今まさに始まろうとしているのがサードウェーブ。ここ数年、抹茶ブームは継続する一方、茶室クラスの上級抹茶の需要は低下。そこで、伝統的な手摘み・石臼びきの上級抹茶を誰もが楽しめるようにするため、さまざまな努力をして手ごろな価格での提供を開始。コーヒーのように日常的に抹茶を楽しむ新たな文化が創造されようとしています。

アトリエマッチャ

抹茶スイーツを提供するカフェというと、今まではスイーツ好きの女性や年配の女性がお茶を飲みに来るというイメージでした。「アトリエマッチャ」があえて人形町という場所にオープンしたのには理由があり、それはビジネスマンが多いこと。感度の高いビジネスマンが、仕事前や合間にリフレッシュのために飲む、というような使い方をしてほしいと考えているそう。女性も男性も大歓迎のお店です。

上質な抹茶の味を知ってほしい

長尾さん(左)と小山さん(右)

プロデューサーの長尾千登勢さんは、昨年までは広告代理店勤務。今は日本文化をアップデートする活動をしていて、京都・宇治「山政小山園」の小山雅由さんとともに「アトリエマッチャ」をオープンすることに。長尾さんが趣味で続けていた茶道がここで花開くことになりました。

「アトリエマッチャ」は、伝統的な抹茶のすばらしさを伝えながらも、茶センは電動のものを使うなど、昔ながらのやりかたに拘泥することなく新しい形を模索しています。

「抹茶は、ごみ(茶ガラ)が出ないのでサステナブルでもあるんですよ」(長尾さん)