大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。
[新]編13回目となる今回は、今年3月に渋谷初出店を果たした神奈川生まれの人気コーヒーショップ「ZEBRA Coffee&Croissant 渋谷公園通り店」をご案内します。
【大人の渋谷メシ・新編】第13回「ZEBRA Coffee&Croissant 渋谷公園通り店」
神奈川県相模原市に本店を構える人気店「ZEBRA Coffee&Croissant」が今年3月、渋谷に初出店したということで、さっそく行ってきました。
場所は渋谷区役所のすぐ隣。駅方面から公園通りを上がり切って、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の奥。渋谷の中心部の喧騒から離れた、自然も多い気持ちの良い場所です。
元々、渋谷には古くからカフェ文化があり、最近でも公園通り〜奥渋エリアにかけて多くのコーヒー専門店が立ち並ぶ激戦区でもあります。
店内からは渋谷公会堂前の広場が一望できて、一瞬「ここって渋谷だよね?」と思ってしまうほど自然に満ちた開放感があります。
こちらの名物はなんといってもクロワッサン。
ベーシックなクロワッサンはもちろん、クロワッサン生地を使ったデニッシュやサンドイッチなど数々のメニューがショーケースに並び、選ぶだけでワクワクします。
クロワッサンはフランス・ボース産小麦粉を100%使い、生地を捏ねる段階からすべて店内で行っているということで、お店の片隅には小麦粉の袋が積み上げられています。
前日に生地を捏ね、一晩発酵させた後、毎朝店内で焼き上げられます。早朝の店内は焼き立てのクロワッサンの芳ばしい香りで満ちていて、店内も比較的空いているので、行くなら朝が狙い目です!
というわけで、さっそくそのクロワッサンをいただいてみます。
こちらがそのクロワッサン。
大きい! 一般的なクロワッサンの2倍はあるんじゃないかという大きさで、こんがりとした褐色の焼き目の層は重厚感があります。
半分に切ると、中がぎっしりと層になっているのが分かります。外側は見た目通りパリっとしていて、中はしっとりかつもちもちの食感。なんでも、生地の香りを十分に味わってもらおうと試作を繰り返すうちにどんどんサイズが大きくなっていって、このサイズに行き着いたそう。
たしかに外側のパリパリ感だけじゃなく、小麦粉の味やバターの風味がしっかりと感じられ、かなり満足感があります。ベースとなるクロワッサンがこれだけしっかりしていると、ほかの具材との組み合わせも楽しみになります。
たっぷりのチョコレートを挟んだ「パン オ ショコラ」。とろりととろけるチョコレートと、バターがしっかり利いたクロワッサン生地が合わないはずがない。いわゆる「絶対おいしいやつ」ですね。
ミルキーなチョコレートの入ったクロワッサンに合わせるのはカプチーノがおすすめ。 公園通りに面した広場を眺めながらのモーニング、めちゃくちゃ贅沢な時間が過ごせます!
さらに、食事系のクロワッサンサンドも充実。
「チキンサラダサンド」はチキンとセロリに、カレー風味のヨーグルトソースを絡めた一品。バターをしっかり利かせたクロワッサン生地と対象的な、あっさりとした具との組み合わせが絶妙でおいしい!
一番人気の「トマトサンド」。大きめサイズのクロワッサンに負けじと、極厚のトマトとイタリア産の生ハム、ルッコラを合わせたボリューミーなサンドイッチ。サクっとした口当たりのクロワッサンと、フレッシュかつジューシーなトマトのコンビネーションは今まで食べたことのない味わいで美味。
チキンサラダサンドイッチ同様、クロワッサンとの相性を考えて具材は余計な味付けをせずあっさりしているのが特徴。一般的なサンドイッチにおけるパンと具材の関係性が逆転しているのが、クロワッサンサンドの面白いところかもしれません。
さらにクロワッサンを使ったパニーニも。
「プロシュートパニーニ」は、イタリア産生ハムを巻き込んで焼いたクロワッサンにグリルしたナスとオニオン、モッツァレラチーズを挟んで焼き上げた一品。チーズのまったりとしたおいしさの中に、バルサミコ酢の甘味と酸味がアクセントになっていて、実に贅沢な一品です。
デザート系で人気があるのが「クロワッサンプディング」。クロワッサンをフレンチトーストにしてたっぷりのメープルシロップをかけ、バナナを添えた一皿。
見た目からして香ばしそうなプディングとホットラテの組み合わせは、ボリュームもたっぷりで、おやつとしてはかなりの満足度。でも実際に食べてみると、意外にそこまで甘くなく、どちらかといえば食事としての要素が大きいので、ランチとおやつを兼ねて食べてみるのもいいかもしれません。
元々、相模原のロードサイドで、ドライバーやサイクリストの人たちに人気のお店だけあって、どのメニューもボリュームがしっかりあり満足度の高いものばかり。コーヒーだけじゃなく食事やデザートもしっかり楽しみたい、というときに、朝でも昼でも使い勝手の良い、名店のうれしい渋谷進出です。
※価格はすべて税込