独自のドリンクも魅力がいっぱい
“鶏焼売”同様、せっかくならドリンクも同店独自のものを味わいたい。そんな客におすすめなのが、カクテルの「ドラゴンハイボール」。メニュー表に「うちのはヒト味違います!」と記され、わくわく感も高まっていく。一般にドラゴンハイボールといえば、紹興酒を炭酸水で割ったものだが、同店は炭酸水の代わりにジンジャーエールを使用。紹興酒の甘みとジンジャーエールの辛みが巧みに溶け合い、絶妙なおいしさを作り上げている。
さらに「虎ノ門ジンソーダ」も、ぜひとも体験したい1杯だ。これは店内に蒸留所があることで人気の居酒屋「虎ノ門蒸留所」のこだわりのジンを用いたジンソーダ。スッキリした飲み口で、“鶏焼売”との相性もバッチリだ。

サク呑みにぴったりなお手軽サイズ
「鶏焼売」だけでなく、脇を固めるメニューも充実しているのが同店の魅力である。台湾夜市の名物料理として、昨今、日本でも知名度が上がっている“鶏排(ジーパイ)”。 顔のサイズよりも大きな鶏の唐揚げとして知られるが、同店では1人1個ずつ食べてもらおうとポーションを小さくし、紙袋に入れて屋台感覚の料理として提供する。
台湾では鶏ムネ肉の使用が一般的だが、同店では弾力のあるモモ肉を採用。ミックススパイスをまぶしてキャッサバ粉の衣をつけ、サクサク香ばしく揚げている。スパイスの辛みが口の中にほどよい余韻を残し、食べ終わってもついもう1個食べたくなる。そんな誘惑にかられる一品だ。

麻婆豆腐は“赤”と“白”の2種から選ぶ
台湾料理と中華料理がともに楽しめる同店だが、やはり誰もが慣れ親しんだメニューは人気が高い。その代表格が麻婆豆腐で、“赤”と“白”の2種から選ぶことができる。“白”は小米辣(青唐辛子の酢漬け)や山椒で辛みをきかせた、「白い麻婆豆腐」。
一方、“赤”は「真っ赤な麻婆豆腐」で、明らかに辛そうな見ばえである。だが、意外や意外。レンゲを口に運ぶと、思ったほど辛くはない。ただ、油断していると山椒とラー油の辛さが、じわじわ後から追っかけてくる。この辛さの“タイムラグ”こそが、同商品の真骨頂である。また、茶碗からこぼれる盛りつけも、ちょっと得した気分になれてうれしい。

酒のすすむスパイシーなポテサラ
大衆酒場といえば“ポテサラ”が欠かせないが、同店ももちろん魅力あるポテサラを揃えている。それが「半熟卵のポテトサラダ」で、酒がグビグビすすむスパイシーな味つけが特徴。間違いなくこれは、呑兵衛を納得させる“大人”のポテサラなのである。
黄色味を帯びた見ばえはマスタードを強くきかせた証で、山椒のピリリとした主張も分かりやすい。ごつごつしたジャガイモの食感も心地よく、カリカリしたフライドオニオンのアクセントも楽しい。さらに、てっぺんには半熟卵がドンとのり、箸を入れるや濃厚な黄身がトロ~ッと流れだし、ポテサラにマイルドな味わいを加えてくれる。反面、半熟卵にもしっかり山椒がふられ、強く記憶に残るスパイシーなおいしさに呑兵衛も満足する。

酒のつまみにぴったり。スパイシーな「半熟卵のポテトサラダ」528円。
“ランチ”という名の“つまみセット”
最近、酒場機能を備えた“呑める大衆食堂”が人気だが、同店はその逆を行く、ごはんも食べられる“進化系”大衆酒場で、自店のことを「酒食堂(しゅしょくどう)」と位置づけている。昼はランチ営業も行っており、中でも人気が「台北ルーロー定食」。これは単品で提供する、「台湾夜市のルーロー飯」「鶏焼売」「きゅうりと葱のさっぱりザーサイ」に中華スープをつけ、定食仕立てにしたもの。
「台湾夜市のルーロー飯」は甘辛い味つけで、ごはんメニューだが酒のつまみに最適。また、「鶏焼売」「きゅうりと葱のさっぱりザーサイ」は、そもそも酒のつまみである。ゆえに、アルコールも一緒に頼めば、“ランチ”という名の“つまみセット”が誕生。これは、呑兵衛にはたまらないものがある。

サク呑みしちゃえば、ええヤン
店頭の看板には、「愛し合えば、ええヤン」「飲んじゃえば、ええヤン」と書かれているが、「酒食堂」の同店は、まさに呑んでよし、食べてよし、サク呑みしてよしの“オールラウンド酒場”である。昼も、夜も、「飲んじゃえば、ええヤン」「食べちゃえば、ええヤン」「サク呑みしちゃえば、ええヤン」と客を温かく迎えてくれる。「ヤンヤン飯店」とは、そんな懐の深い店なのである。


【本日のお会計】
■食事
・鶏焼売 2個374円
・ヤン!チキ! 1個198円
・真っ赤な麻婆豆腐 792円
・半熟卵のポテトサラダ 528円
・台北ルーロー定食 1,100円
■ドリンク
・ドラゴンハイボール 550円
・虎ノ門ジンソーダ 825円
合計 4,367円
※価格はすべて税込