【カレーおじさん \(^o^)/の今月のカレー】2020年12月を振り返る
激動の2020年。締めくくりの今月のカレーは、福岡におけるスリランカ料理の新潮流、池袋の東南アジア中華、新橋の3年連続ミシュランビブグルマン受賞店、高田馬場のモダンアレンジミャンマー料理の4店舗です。
飲食店にとっては苦難の1年となってしまった2020年ですが、食べる側としてはだからこそ外食の重要さ、かけがえの無さを痛感する1年となりました。気持ちも落ち込んだ自粛期間に、テイクアウトやデリバリーやお取り寄せのカレーを食べることで何度も救われましたし、地元のお店に食べに行くと癒やされました。まだまだ厳しい冬が続きますが、飲食店で食べることの楽しさは消えません。これからも僕は予防に努めながら、可能な限り飲食店へ食べに行き続けたいと思います。
2021年が飲食業界にとっても明るい年となりますように。来年もよろしくお願いします!
【第1週のカレー】九州独自のカレー文化が進化中! 寒い冬に食べたいスリランカ式カレー&カレー鍋「バダピリラ」
全国でカレーを食べ歩いていると、地域によって人気のあるカレーが少しずつ違うことに気づきます。例えばスリランカカレー。“九州ランカ”という言葉もマニアの間では知られていて、まだ本格的なスリランカカレーが日本でほとんど食べられなかった時代から独自に進化したスリランカカレーを提供していた「ヌワラエリヤ」と、その姉妹店やそこから派生したお店が九州各地に根付いており、それぞれ人気店となっています。
そんな九州において、九州ランカとは別の出自を持ち、より本格的なスリランカカレーを出すお店が少しずつ増えてきています。福岡は中央区白金にある「バダピリラ」もそんなお店のひとつ。
オープンは2019年8月ですが、その前から住吉のバー「オーラス」で間借りカレー店として人気を誇っていました。間借りから独立するにあたり、スリランカのレストランでの修行を経て、バダピリラを開店して現在に至ります。
スリランカスタイルのライス&カリーは、本日のメインから好きなカレーを選ぶ形。副菜がたっぷりとのり、カレーと混ぜながら食べる現地式。
本日のライス&カリーから、「フィッシュ(ブリ)」1,400円をオーダーしました。バダピリラはカレーも副菜もスタイリッシュな粋を感じる、品のあるおいしさです。そして何よりのこだわりであり特徴なのが、ライスがスリランカ産「キーリサンバライス」を使用しているということ。このサンバライスが実においしいんです。口の中でポロポロと弾けるように踊る独特の食感がたまりません。
全体的にオーラス時代よりさらに進化していて、一口目からテンションが上がりっぱなしでした。さらに今回はタイミング良く、この冬から始まる新メニューもいただけるということでそちらも注文しました。
「濃厚クリーミー牡蠣カレー鍋」1,500円です。こちらはスリランカ料理のキリホディをベースとしつつ、具は牡蠣をはじめ白菜や厚揚げなど和の素材なのがとても面白いです。スリランカでは牡蠣はほとんど食べることは無いと聞きますが、東京や名古屋のスリランカ料理のシェフも牡蠣カレーに挑戦していたりと、その相性は確実に良いのです。ココナッツミルクの甘味と適度なスパイス感、そして牡蠣の濃厚な旨味。
このカレー汁で何か〆は無いかと聞いてみると、生パスタかチーズリゾットにできるというのですからさらに面白い!「生パスタ」300円をお願いしました。
和の食材である牡蠣や野菜の旨味が溶け込んだスリランカのカレーにイタリアの生パスタ。カルボナーラのようでもあり、スリランカカレーでもあり、その中に和も感じるという和伊錫の三位一体。
コロナ禍ということもあり一人鍋スタイルでの提供ですが、これなら一人でも十分に楽しめます。ちなみに鍋はほかに「渡蟹ピリランカレー鍋」1,800円もあり、凄い迫力です。
オペレーションが大変ということで今後、鍋は曜日限定での提供かつ、鍋の日はほかのメニューは出さない可能性もあるとのことなので、詳しくはお店のSNSをチェックしてみてください。
伝統的なスリランカ式ライス&カリーに独創的なスリランカカレー鍋。これからも目が離せないお店ですよ!
※価格はすべて税込
※本記事は取材日(2020年11月30日)時点の情報をもとに作成しています。