【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#128】インディアゲート」

インド周辺諸国の料理に「ビリヤニ」というものがあります。スパイス炊き込みご飯と言えば分かりやすいでしょうか。インド料理店やパキスタン料理店ではビリヤニを看板メニューにするお店も増えてきました。そして、日本人による個性派ビリヤニ専門店も、少しずつですが全国的に登場しはじめています。今回ご紹介するのは、京都・烏丸で2020年7月31日にオープンしたばかりの新進気鋭の日本人シェフによるビリヤニ専門店「インディアゲート」です。

こちらのマスターはミュージシャンで、音楽で全国行脚の際に楽しみにしているのが食べ歩き。中でもカレーは特に多くのお店を食べ歩き、いつしか自分でも作るようになり、それが好評だったことから間借りカレー「GATA’s キッチン」をオープン。こちらも人気となり、遂に独立店舗として「インディアゲート」をオープンさせたのです。

メニュー構成はビリヤニが3種。「チキンビリヤニ」「マトンビリヤニ」ときて、「鯛出汁チキンビリヤニ」という創作系もあります。時折、限定メニューとして沖縄そば風ビリヤニなど様々なビリヤニを味わうことができる、まさにビリヤニ専門店。ハーフサイズでも注文でき、ビリヤニのあいがけならぬあい盛りも可能。さらにはカレーもあってカレーの一口トッピングも可能。副菜のトッピングもあり、組み合わせ次第で様々な楽しみ方ができるのが良いですね。

「鯛出汁チキンビリヤニ(ハーフ)」800円と「マトンビリヤニ(ハーフ)」900円(この日はマトンキーマビリヤニでした)のあい盛りに、「麻婆豆腐」200円をトッピング。さらに日替わりカレーから、一口サイズの「鯖キーマとミョウガの冷やし出汁カレー」400円という贅沢なオーダーとなりました。

「鯛出汁チキンビリヤニ(ハーフ)」と「マトンビリヤニ(ハーフ)」のあい盛りに「麻婆豆腐」をトッピングし、「鯖キーマとミョウガの冷やし出汁カレー」をプラス。

まず鯛出汁チキンビリヤニ。鯛の上品な旨味とチキンのしっかりとした旨味が喧嘩せずに調和した状態でバスマティライス(インドの長粒種のお米)にしっかりと染み込み、ビリヤニでありながら日本の炊き込みご飯的でもあるという面白さ。これはほかでは食べられないおいしさです。

マトンキーマビリヤニはオーセンティックなスタイル。マトンビリヤニは数あれど、マトンのキーマのビリヤニとなると出しているお店は途端に少なくなるのですが、このマトンキーマのビリヤニを出しているお店は僕の知りうる限り当たりと思えるお店ばかり。こちらのお店も大当たりです。これに麻婆豆腐をつけるのはどうなるか見当がつかなかったのですが、確かにこれは合います。かなりドライな麻婆豆腐なのでパンチのあるマトンにも負けず、鯛出汁チキンと合わせればともすると上品すぎるビリヤニに重厚感を与えてくれるような存在感。素晴らしい!

鯖キーマとミョウガの冷やし出汁カレーは名前の通り冷たいのですが、だからこそサッパリとして爽やかな旨味で、このパンチ力ありすぎるビリヤニあい盛りのお供として完璧なカレーとなりました。

写真左の小皿から時計回りに、「ムラサキニンジンとダルのパチャディ」「ナスのマスタードシード炒め」「激辛サルサチャトニ」、一口カレー「チキンカレー」「角煮ビンダルー」、「チキンビリヤニ(ハーフ)」

また、ビリヤニとカレーと副菜という頼み方もできます。例えば「チキンビリヤニ(ハーフ)」800円に、一口カレーの「角煮ビンダルー」300円と「チキンカレー」200円、さらに副菜から「ナスのマスタードシード炒め」100円、「激辛サルサチャトニ」100円、ヨーグルトやココナッツやスパイスで野菜を和えた南インド料理である「ムラサキニンジンとダルのパチャディ」100円を合わせて、ミールス(南インドの定食)のようにいただくこともできます。

ビリヤニ専門店というとシンプルなものになりがちなのですが、選び方、合わせ方次第で豪華にも華やかにもできるというメニュー構成。色々あってそれが全ておいしいという素晴らしさ。

マスターに何故ビリヤニ専門店にしたのか聞いてみると、「食べ歩きしている中でおいしいカレーのお店は全国にたくさんあり、京都でも好きなお店はいくつかあるんですが、ビリヤニのお店となると京都ではまだほとんどなくて。だったら自分で作ってみようと思ってビリヤニ専門店にしたんです。でもカレーも食べたいから、カレーもつけて。あと、食べ歩きするときってはしごしたくなっちゃうじゃないですか。そんなときにビリヤニだと食感が軽いので意外と空腹じゃなくても入っちゃうんですよね。フワっとした食感を大事にしたくて、お米も厳選してインディアゲートという銘柄にしているんです。このお米が好きすぎて、店名にしちゃいました」とのこと。

確かにビリヤニは米料理です。だからこそ米にもこだわる。そしてそれを店名にしてしまう。自ら食べ歩いてきたからこそ、普通のカレーのお店ではなく、このスタイルにしたと。そのサイドストーリーも実に興味深いですね。お店は基本的に16:00までの営業ですが、16:00からは売切次第終了のビリヤニ弁当のテイクアウト販売となるそうです。

全国でおいしいものを食べ歩いてきたからこそ辿り着いた個性派ビリヤニ。まだ新しいお店ですが、関西のビリヤニ界を牽引していく存在になりそうな、全国的に見ても期待大のルーキーです!

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。

※本記事は取材日(2020年8月30日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/