専門家が注目する、冷たくておいしいひんやりスイーツとは?

夏至も過ぎ、蒸し暑さを感じる日も多くなってきました。こんなときは「冷たいスイーツでさっぱりしたい」とひんやりスイーツ欲に駆られることもしばしば。しかしながら季節は梅雨真っ只中! だからって、甘いものへの欲望を我慢しなくても大丈夫。私たちには、スイーツを“テイクアウト”できるという選択肢があるのだから‼︎

というわけで今回は、おうちでのカフェタイムや気分転換にもぴったりなテイクアウトできるひんやり系スイーツを、連載「スイーツ探訪」でお馴染みのお菓子の歴史研究家・猫井登先生に教えてもらいました。

ひんやりアイスなら……「グラッシェル 表参道店

「ひんやりスイーツ」と言えば、大多数の人がまず思い浮かべるのが「アイスクリーム」や「シャーベット」ではないでしょうか。

今日ご紹介するのは、2020年6月1日に新店舗としてグランドオープンした「グラッシェル 表参道店」。こちらのお店は、2013年7月に“アントルメグラッセ・グラスの専門店”としてオープンし、北海道・小樽の人気スイーツ店「LeTAO」の新業態のお店ということでも注目を集めました。

「アントルメグラッセ」とは、アイスクリームで作ったデコレーションケーキのこと。フランスやベルギーなどヨーロッパのパティスリーでは、一般のケーキと同じく、夏場だけでなく通年販売されています。

「グラス」とは、旬の素材を使った新鮮なアイスクリームという意味。従来の店舗では、喫茶室でのイートインが主体でしたが、新店舗はテイクアウトに特化しており、気軽にその味わいを楽しむことができます。

「フレーズバニーユ」と「ピスタチオ」(プラス54円)のダブルで648円/撮影:食べログマガジン編集部

今回チョイスしたのは、「フレーズバニーユ」「ピスタチオ」の人気2トップ!

フレーズバニーユは、北海道産牛乳で作ったバニラアイスクリームに自家製の苺のコンポートを合わせたもので、甘さ控えめの苺みるくのような優しい味わいです。ピスタチオは、非常に濃厚で、粒々感もかなり残っており、ピスタチオのコクのある旨味とローストした香ばしい風味が口いっぱいに広がるピスタチオ好きには堪らない逸品です!

もちろん人気のアントルメグラッセもテイクアウトが可能で、2時間までは無料でドライアイスを付けてもらえます。また、プラス200円で4時間まで対応可能となっています。

※価格はすべて税込

ひんやりパンなら……「ドンク」

「冷たくて、甘くって、それでいて軽食にもなるもの」ってないかな!? という方におすすめなのがこちら。ベーカリー「ドンク」が夏季限定で販売する「冷やしてメロン」です!

「冷やしてメロン」各226円(税込)。写真手前から時計回りに、「メロン」「ミルクバニラ」「いちごミルク」

ドンクは1905年創業、115年の歴史を誇る神戸の老舗ベーカリーです。大手企業となった今でも、個人の専門店と同じく、小麦粉の風味を最大限にいかすために粉の捏ね上げから焼き上げまで、職人が手間ひまかけてパン作りをしている会社です。

「冷やしてメロン」は、2010年の発売以降、毎年夏季に期間限定で販売される人気商品! 冷凍庫に入れて凍らせたパンを取り出し、待つこと10分。パンの中のクリームがアイスクリームのようで、なめらかな食感を楽しむことができます。パンなのに、ひんやり! これならば暑くて食欲が落ちる時期でも、すんなり食べられますよね。お子さんのおやつや朝食にもぴったりです。

今年は、バニラが香るミルククリームが入った「ミルクバニラ」、メロン果汁入りのクリームが入った「メロン」、苺のフルーティーな香りが広がる程良い甘さのクリームが入った「いちごミルク」の3種類のラインアップとなっています。

「いちごミルク」の断面

実際に食べた感想としては、「メロン」が最もフルーツ感が強く、味わいの輪郭がはっきりとしている感じ。「いちごミルク」はクリーミーかつミルキーで、ボリュームのある味わい。「ミルクバニラ」はバニラの香りがほのかに漂い、甘さ控えめであっさりとした味わいでした。3種類冷凍庫にキープしておいて、その日の気分で選ぶというのもいいかもしれません。

ドンクは支店も多いですが、都内の場合は「ドンク 池袋西武店」では全種類販売中とのこと。冷凍商品なので、一般のパンの棚ではなく、店頭に置かれた冷凍ケースで販売されていますのでお見逃しなく!

※「冷やしてメロン」の販売期間は2020年8月31日まで。

ひんやり和菓子なら……「和菓子処 菊家」

「和菓子処 菊家」は、東京・南青山の骨董通りにある、昭和10年(1935年)創業の老舗和菓子店。(現在は仮店舗で営業中のためご注意を! 仮店舗の住所:東京都港区南青山5-5-20 AMOH’s BAR内。「オープンエアでスイーツを。夏こそ行きたいテラス席が充実したカフェ」でご紹介した「ニコライバーグマン ノム」の真向かいの門を入って左です)

「水羊羹」1,385円

こちらで一番有名な商品といえば、直木賞作家の故・向田邦子先生が愛したという「水羊羹」! 著書「眠る盃」(講談社文庫)では、自らを水羊羹評論家と称し、こちらの水羊羹を紹介されるとともに食べ方まで書かれています。

もちろん、水羊羹以外にも、丁寧に手作りされた四季折々の茶席菓子も絶品です。今回いただいたのは、「清流」「水無月」「瑞雲」の3種類。

「清流」540円

「清流」は、澄んだ水流の中、鮎が色とりどりの小石の上を泳ぐさまを表現した目にも涼しい寒天菓子。肌感覚だけでなく、視覚的にもひんやり感を味わえる品です。

「水無月」380円

「水無月(みなづき)」は、6月に和菓子屋さんに登場する代表的な季節菓子で、本来は6月30日の夏越祓(なごしのはらえ)に食べるお菓子。夏越祓とは、ちょうど半年が過ぎ1年の折り返しに当たる日に、それまでの半年の穢れを祓い、これからの半年の無病息災を祈願する神事のことです。

外郎(ういろう)生地に小豆をのせた三角形のお菓子で、小豆の赤色は、太陽・火・生命を表し魔除けの意味が、三角は暑気を払う氷を表しているといわれます。

「瑞雲」390円

「瑞雲」とは、仏教でめでたいことが起こる兆しとして出現するといわれる、紫色や五色の雲のこと。一子相伝の特製黄身しぐれは、口の中でホロッと溶けてしまいます。この季節、少し冷蔵庫で冷やせばひんやりとした口当たりでいただけます。こちらのお店で外せない逸品です!

※価格はすべて税込


※時節柄、営業時間や販売メニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、各店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

教えてくれた人

猫井登

1960年京都生まれ。 早稲田大学法学部卒業後、大手銀行に勤務。退職後、服部栄養専門学校調理科で学び、調理免許取得。ル・コルドン・ブルー代官山校にて、菓子ディプロム取得。フランスエコール・リッツ・エスコフィエ等で製菓を学ぶ。著書に「お菓子の由来物語」(幻冬舎ルネッサンス刊)「おいしさの秘密がわかる スイーツ断面図鑑」(朝日新聞出版刊)がある。

文・写真:猫井登