〈今夜の自腹飯〉

予算内でおいしいものが食べたい! インバウンドや食材の高騰で、外食の価格は年々上がっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで、「おいしいものを食べたいとき」に使えるハイコスパなお店とは?

人気店のシェフが独立! 気さくなもてなしと名物料理で人気急上昇「OTTO」

下北沢の人気イタリアン「クオーレ・フォルテ」で腕を振るっていた一戸竜太シェフが、池ノ上にオープンした話題の新店。「肩肘張らないお店にしたい。居酒屋感覚で立ち寄ってもらえたら」と語り、その気さくなもてなしと確かな腕で早くもファンを集めている。

今年7月池ノ上の住宅街にオープン。
「一人客に子供連れ、犬連れも大歓迎」とシェフ。池ノ上駅から徒歩3分とアクセスも良く、地元客から美食家まで幅広い客が訪れる。
シェフと友人で完成させたという内装はどこまでもアットホームな雰囲気。

メニューはあくまでも目安で、客のリクエストにフレキシブルに対応。鮮魚はお好みの調理法で、パスタは食べたいものを食べたい量で、メインは鹿肉と鶏をハーフポーションずつ、というようなお願いだってOK! さまざまなわがままを受け止める、懐の深さも魅力だ。

「気軽に楽しんでもらいたい。だから格好つけすぎない料理を手頃な価格で提供したいと思っています」と一戸シェフ。その言葉通り、アラカルトで提供される料理はどれも驚くほどリーズナブル。ワインはヴァン・ナチュールを豊富に揃え、料理の楽しみをより高めている。

ワインは自然派を用意。イタリア、フランス、チェコ、オーストラリア、南アフリカなど、国や地域にこだわらず多彩な銘柄を取りそろえている。グラスワイン600円〜。
店主の一戸竜太シェフ。かつて北イタリアから南イタリアまで食べ歩いた経験も。その引き出しの多さで柔軟に料理を作り上げる。

丁寧な仕事で作られた名物メニューが500円から!

玉ネギのポタージュ 500円。

玉葱をオーブンに入れ、低温で火を通すこと6〜7時間。中をくりぬき、バターとクリームを加えて仕上げたポタージュを玉葱の器に入れ提供。とろっと濃厚で滋味たっぷり、玉葱の豊かなコクが楽しめる名物メニュー。

OTTOサラダ 1,000円。

宮城の農家などからその都度届く新鮮野菜を盛り合わせ、玉葱ベースに大葉を加えたドレッシングで味わう彩りサラダ。トマト、レッドオニオン、マッシュルーム、にんじん、ラディッキオ、赤大根、緑大根など、フレッシュな野菜がたっぷりで、素材のもつ力強い味が堪能できる。

自家製ソーセージ 900円(1本)。

豚肉と背脂をベースに、ローズマリーやイタリアンパセリ、フェンネルなどハーブを加えて練り上げた手作りソーセージ。詰めてから2〜7日冷蔵庫で乾燥させ、味をぎゅっと凝縮させている。ジューシーでありながらハーブの風味もあいまって、思いのほかさっぱりとした後味。ワインと共に楽しみたい一品。

 

また、子連れ客が気軽に利用しやすいよう、チャイルドメニューも用意。パスタやピザのセットは10種類以上あり、750円からでドリンク付き。子供用パスタは食べやすいようにペンネで作るなど心配りが行き届いている。

 

「お客様にはただただ自由に過ごしてもらえたら。一人で気軽にふらっと来てもらえるお店が理想ですね。一人で来られた方がそれぞれカウンターに並んで料理を楽しみ、そこでお客様同士仲良くなってもらえたら最高です(笑)」

 

丹精込めたひと皿は、いずれも丁寧な仕込みが光る確かなおいしさ。本物の味とその心地良さに、長居する客が多いというのも納得。口コミで噂の注目店、ふらり立ち寄って、そのおいしさと心地よい空間を確かめてみては?

【今日のお会計】
■食事
・グラスワイン 600円
・玉ねぎのポタージュ 500円
・OTTOサラダ 1,000円
・自家製ソーセージ 1800円
合計3,900円

 

※価格は税抜

 

撮影:森山祐子

取材・文/小野寺悦子