〈食通の昼メシ〉

日々新しいトレンドが生まれるグルメ業界。流行りのメニューを試すのも楽しいが、毎日食べたいのは昔ながらの定番メニューだったりする。業界きっての美食家「食べログ グルメ著名人」の6名に、毎月、一番好きな定番昼メニューの名店を教えてもらう連載。今日のランチはこれで決まり!

教えてくれる人


小宮山雄飛
1973年東京生まれ原宿育ち。ホフディランのVo&Key。音楽界のグルメ番長。カレー好きとして知られ、著書に「カレー粉・スパイスではじめる 旨い! 家カレー」「簡単!ヘルシー!まいにちカレー」「今日もひとり酒場」などがある。2018年9月には日本初のレモンライス専門店「レモンライス東京」を渋谷にオープン。

今月のメニュー:「カレー」

暑い夏に食べたいものと言えば「カレー」。インドもタイもスリランカも、カレーがおいしい国はみんな暑い。だから、暑い日にはカレーを食べるのが正しい。スパイスの効果とか、理由はいろいろあるんだろうけれど、むずかしいことは考えず、辛〜いカレーを汗かきながら夢中で食べるのがいい。

小宮山雄飛、昼に最高の「カレー」

「コロンバン 原宿本店」のカツカレー 1,080円(税込)

「コロンバン 原宿本店」のカツカレー 写真:お店から

カレー好きとして東京中、日本中を食べ歩きましたが、灯台下暗しで僕のめちゃくちゃ地元原宿の老舗のカレーのおいしさを最近しみじみと感じています。洋菓子店でありながらいわゆる欧風カレーとは違う、かといってインド風・日本風とも違う独特のカレーで、ソースはしっかりとコクがあるのに余計なまったり感がなくさらりとしています。

 

玉ねぎの甘さも上品で、今流行りのスパイスカレーとは真逆の方向ですが、誰もが納得の安定したおいしさです。

 

また、こちらのカツはハーブ三元豚を使い、いわゆるトンカツ屋さんのそれと違い、薄めのお肉をしっとりと揚げたカツレツ風。それがソースとうまく絡むんで実に美味なんです。

 

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しております。最新の情報はお店の方にご確認ください。

「カレー」のココが重要

一番好きな具材

カツ

インドカレー好きとして、カツカレーは長く食べてなかったのですが、コロンバンのカツカレーを食べて以来すっかりカツにはまりました。

こだわりの食べ方

まずはソースだけを一口、これは味わうというより味の確認です。

 

というのも良いカレーライスは必ずライスと一緒に食べた時においしく感じるように作られているので、最初のソースだけ一口はあくまで味の確認なのです。

 

その後、いよいよライスと一緒に、ここで「うまい!」となります。さらに福神漬けなどの副菜を途中に挟んでいき、徐々に味を複雑にしていくのが大事。途中、水を飲むのも大事。

 

辛いものを食べる時は途中で水を飲まないという人もいますが、水で口の中をリセットするともう一口食べたいという欲求が出てきます(「包丁人味平」にそう書いてありますw)。

 

そうやって流れを作って最後まで飽きずに食べるのがおいしく食べるコツです。

 

文:小宮山雄飛・食べログマガジン編集部