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駅弁のプロが太鼓判! お花見エリアの必食駅弁リスト〈東北編〉
お花見シーズンに突入した日本列島。今年のお花見は列車の旅で堪能するのはいかがでしょう? この季節におすすめの春の駅弁はお花見弁当にも最適。駅弁のプロのお三方が、お花見とベストマッチの駅弁を紹介する短期集中連載。7回目となる今回は東北地方の春駅弁をお届けします。(九州編、関東編、中国・四国編、東海編、関西編、中部編もチェック!)
駅弁ライター望月崇史さん推薦!:宮城・仙台駅「独眼竜政宗瓣當」
東北随一の「鉄道と桜」のコラボレーションが楽しめるのは、宮城県の「白石川堤一目千本桜」! 白石川の両岸におよそ約7kmにわたって桜並木が続きます。桜並木に沿って走る東北本線では、この時期、大河原~船岡間で、列車の徐行運転が行われ、快速「仙台シティラビット」をはじめ、列車の中から花見が楽しめます。途中下車して桜の下を歩きながら、もう1つの桜の名所・船岡城址公園をつなぐ「しばた千桜橋」へ足を運べば、桜の帯の向こうに残雪の蔵王連峰がそびえる絶景も! その中を桜色の帯を巻いた列車が駆け抜けていくのは、東北ならではの鉄道風景です。
そんな花見のお供には、伊達政宗公にちなんだ仙台駅弁のロングセラー「独眼竜政宗瓣當」。掛け紙には伊達家ゆかりのお寺・瑞巌寺の加藤隆芳氏揮毫の字が躍る、瑞巌寺所蔵の木像を複写した政宗公が描かれていて、米沢の牛肉、岩出山のしそ巻き、仙台の笹かまなど、1つの折で、食を通じて政宗公が歩んできた道のりに思いを馳せることもできます。駅弁片手に、東北の皆さんが待ち焦がれた春に心を寄せて、咲き誇る桜をただただ眺める。それだけで十分、お腹いっぱいの花見旅となることでしょう。
ウェブサイト「駅弁資料館」館長 福岡健一さん推薦!:青森・七戸十和田駅「桜弁当」
東京駅から青森駅まで、本州のうち関東と東北を南北に貫く東北新
東北新幹線の全通とともに開業した、青森県の七戸十和田駅には、
旅行ジャーナリスト 小林しのぶさん推薦!:青森・新青森駅「焼肉だらけ」
「お魚だらけ」「つけものだらけ」など、素材を厳選した“○○だらけ”シリーズを展開してきたつがる惣菜の「焼肉だらけ」。網の上で肉を焼く画像をプリントした掛け紙を巻いており、肉好きなら、つい手に取りたくなります。
肉は青森県産の牛・豚・鶏の3種類で、それぞれの焼肉がびっしりとご飯の上を覆います。まさに名前の通り、焼肉だらけの駅弁です。味付けには十和田市の上北農産加工が開発したヒット商品「スタミナ源たれ」を使用。牛カルビにはオリジナルの源たれ(醤油)、豚は味噌だれ、鶏には塩だれがつけられています。青森県の各家庭に最低1本はあるという“源たれ”。青森県民なら誰もが知っている焼肉の味です。おかずにはシイタケやニンジンなどの煮物、漬物なども入ってご飯も多めに盛られているので「駅弁は量が少なくて物足りない」という心配も無用。青森県の花見どころといえばなんと言っても弘前ですが、青森市内にも660本の桜が咲き誇る合浦公園があり、陸奥湾に面しているので春の海と桜の両方を楽しめます。桜の下でボリュームたっぷりの焼肉弁当というのもおすすめです。
教えてくれたのは
駅弁ライター 望月崇史さん
1975年静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年、およそ4,500個! 放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。「1日1駅弁」を基本に、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の執筆を行う。
ウェブサイト「駅弁資料館」館長 福岡健一さん
1973年長崎県生まれ。日本全国と海外の駅弁を紹介するウェブ
旅行ジャーナリスト 小林しのぶさん
千葉県出身。新聞・出版・編集制作会社を経て独立。年間150日近くを旅するという旅行ジャーナリスト。駅弁はこれまで30年以上、5,000個以上を食べ歩く。雑誌やウェブだけでなくテレビ番組でも活躍中。