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駅弁のプロが太鼓判! お花見エリアの必食駅弁リスト〈関東編〉
春の恒例行事はやっぱりお花見。今年は少し足を伸ばして列車に乗ってのお花見はいかがでしょうか? そんなお花見に欠かせないのが駅弁。駅弁に一家言を持つお三方にベストな駅弁を教えてもらう短期集中企画。今回は関東エリアのお花見駅弁を紹介します。九州編はこちら。
駅弁ライター 望月崇史さん推薦!:神奈川 国府津駅「デラックスこゆるぎ弁当」
日本初の特急の愛称は、今から90年前の昭和4年(1929年)に東海道・山陽本線の東京~下関間で運行されていた特急列車に付けられた「富士」と「櫻」と云われています。鉄道に詳しい方ならご存じ、当時の東海道本線は御殿場回りで運行されていました。その「櫻」号も通ったのが、今はローカル線となっている国府津~沼津間の御殿場線です。なかでも、かつて「鉄道のまち」として栄えた山北駅周辺は、関東屈指の鉄道と桜の名所。桜のトンネルを1時間に1~2本の普通列車や小田急線と直通運転をしている特急ロマンスカー「ふじさん」が駆け抜けていきます。
御殿場線の始発駅・国府津駅前にも店を構えるのが、創業130年を超える駅弁屋さん・東華軒。昭和59年発売の「デラックスこゆるぎ」(950円)は、小田原名産・梅の樽をモチーフにした経木の曲げ物に入った、普通列車のボックスシートにも似合いそうな駅弁です。蓋を開ければ、名物の鶏そぼろ、えびの天ぷら、鮭の塩焼き、鶏の照焼きなど、おかずがたっぷり載って、華やかさを感じさせてくれます。かつての「櫻」号も通った御殿場回りのルートを辿りながら、老舗駅弁屋さんの駅弁と共に桜を愛でてみてはいかがでしょうか。
旅行ジャーナリスト 小林しのぶさん推薦!:栃木 下今市駅「SL大樹日光埋蔵金弁当PREMIUM」
2017年8月、51年ぶりに東武鉄道にSLが復活しました。「SL大樹」といい、東武線下今市駅と鬼怒川駅の短い距離を結んで走ります。編成は「SL+車掌車+客車+ディーゼル機関車」で、沿線ではSLが通るたびに子どもから大人まで大はしゃぎ。SL人気はいまだ衰えず、を目の当たりにします。鉄道ファンならずともワクワクするSL、何といってもいま注目する路線は東武鉄道鬼怒川線です。
このSL開通時に、話題の駅弁が発売されました。その名は「SL大樹日光埋蔵金弁当PREMIUM」。下今市駅や東武日光駅などにあります。SL大樹をそのまま容器にしたスペシャルな駅弁で上下左右、どこから見てもSL。掛け紙がなければ鉄道模型売り場かトイショップに並びそうな外見です。
車体の車輪より上を持ち上げるとパカッとふたが開き、中には華やかなちらし寿司が詰まっています。ごはんの上にのるのは、日光ゆば、日光高原牛のそぼろ、ニジマスのそぼろ、錦糸たまご、そしてインゲン。黄色、ピンク、グリーン、乳色、茶色……などなどまるで春の花畑のような彩りです。添えられているのは箸ではなく金色のスプーン。それも“SL大樹”と刻印入り! 石炭を掘るように、ザクザクとちらし寿司をスプーンで掘って口に運んで。見た目は少量に見えますが、箱が深いのでかなり食べ応えがあります。
さらにお楽しみはこれから。食べ進むうちにスプーンがなにかにぶつかった!? なんとご飯の中に栗と埋蔵金(卵焼き)が隠れているんです! 思わずニヤリとしてしまうこの演出、おまえも悪よのぉ(笑)。デザートの意味もあるのか、別袋にはゴツゴツとした黒いラスクが入っています。もちろん石炭をかたどったもの。バターとシュガーのバランスが抜群のおいしさでした。食べ終わった後の容器はSLマニアでなくとも飾っておきたくなります。奪い合いにならぬよう、どうぞ家族分をお買い求めください。
ウェブサイト「駅弁資料館」 館長 福岡健一さん推薦!:神奈川 横浜駅の「シウマイ弁当」
全国で最も売れる駅弁といえば、毎日2万個以上を売り上げる横浜駅の「
今年(平成31年)初め
※価格は税込
教えてくれたのは
駅弁ライター 望月崇史さん
1975年静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年、およそ4,500個! 放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。「1日1駅弁」を基本に、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の執筆を行う。
旅行ジャーナリスト 小林しのぶさん
千葉県出身。新聞・出版・編集制作会社を経て独立。年間150日近くを旅するという旅行ジャーナリスト。駅弁はこれまで30年以上、5,000個以上を食べ歩く。雑誌やウェブだけでなくテレビ番組でも活躍中。
ウェブサイト「駅弁資料館」館長 福岡健一さん
1973年長崎県生まれ。日本全国と海外の駅弁を紹介するウェブ