ファッション誌『mer』や『mina』などで活躍するモデルでありながら、豪快な飲み方がなんとも男らしい! お酒好きを公言するモデル・村田倫子が、気になる飲み屋をパトロールする連載。

 

飲み道楽な彼女が、「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする連載11回目は、自家醸造の「どぶろく」が評判の神田の居酒屋を紹介します。

呑み屋パトロール vol.11「東京の真ん中で自家醸造どぶろくを嗜むの巻」

日本酒がすきです。

 

昔は勝手に苦手だと思って避けていたのですが、ぴたっとはまる好みの味に巡り合ってしまってからは、すっかり虜です(もっと早く知りたかったくらい)。味は千差万別。自分好みの味に出会えばもうこっちのもの! 日本酒の魅力をもっとたくさんの人に知ってほしい。

 

というわけで、今宵は美味しい日本酒がずらりと揃い、とことんその幸せに浸れる……(しかもお財布に優しい)と噂のお店を訪問します。

 

 

JR神田駅を降りてアーケードを進むと現れる、「にほんしゅ ほたる」。

 

 

ここでは、全国から取り寄せた50種以上の選りすぐりの銘酒と、お酒の美味しさを際立たせてくれる手作り料理が楽しめます。

 

 

なんと、自家製でどぶろくを仕込んでおり(店内に醸造所が併設されている!)、作りたてほやほやの、フレッシュなどぶろくを堪能できるんです。

 

 

ほたるの魅力は、まだまだ序の口! 見てください。この良心的すぎる価格設定を!

 

 

小さなグラス(60ml)から、なんと均一価格(350円~)で頼めるスタイル。60ml 350円 均一、120ml 650円 均一、180ml 900円 均一なのです。お店の日本酒に対しての本気度がうかがえますね。また、均一価格以外にも、その日のおすすめの日本酒が書かれた黒板メニューもあり、迷ってしまいます。

 

そんな時は、オーナーに聞くべし! ということで、まず乾杯には、酒師であるオーナーのおすすめを。

 

 

ここ東京を代表する酒造といえば、東村山市にある「豊島屋酒造」。そこで作られる特別純米 無濾過生原酒「利他」。神田の飲食店では7店限定の、なかなかレアなお品なのだとか!

 

 

ひたひたに注いでくれました。

 

東京のど真ん中、お洒落量(ケチ)なお店も多い中、素敵すぎます! この時点で、むらたポイント高しです。

 

 

爽やかな酸と、はじける香りがぱっと華やぐ。わたしのお気に入りリストに追加。

 

「豊島屋酒造」は私も訪れたことがあるのですが、「利他」の存在は知らなかった……。筋金入りの日本酒好きが選ぶお酒のセンスのよさ、信頼できます!

 

 

そして、本日のお通しは、しじみ汁と枝豆豆腐。飲む前のお腹のコンディションもこれで万全に。

 

 

二杯目には、山形の純米大吟醸「栄光士」をなみなみと注いでいただき、「鷄白レバーの山椒煮」380円とカップリング。

 

 

ムースのような濃厚さと滑らかさに、アクセントとして後押しする山椒。大のレバー好きにとってはたまりませんっ。日本酒のあてにはこの子がいないと……。

 

続いて、「刺し盛りおまかせ七種」2人前 1,580円。新潟の佐渡で水揚げされた旬の鮮魚がずらり。

 

左から、真鯛、カマス、真アジ、ワラサ、サゴシ、ヒラメ、秋鮭。繊細な盛り付けと装飾で視界が楽しい。

 

 

鮮度抜群の刺し身は、日本酒を運ぶ手に拍車をかけます。

 

ここで、ほたる一押しの“どぶろく”さんの登場です。

 

 

「神田マドンナ」 。

 

ううう、うまい(涙)。初めて飲むフレッシュどぶろく。爽やかな吟醸香を鼻腔の隅々まで思う存分堪能。これぞ、出来立ての特権!

 

 

見た目の濃厚さとは裏腹に、すっきり爽やかな後味です(これは、ついついのみすぎてしまう魅惑のお酒)。

 

 

そして、大好きな卵さんも! 「岩海苔とチーズの出汁巻き」680円。

 

でーんと、こんなに大ぶりサイズ。

 

 

とろっと溶け出すチーズと海苔の風味が、ずるい程の美味しさ。

 

 

チーズと卵の掛け合わせは正義です。

 

お次に頼んだのは、均一価格シリーズとは別に、この日のおすすめの日本酒として黒板にわたしの大好きなシリーズの「風の森」から「風の森 アルファドライ」(90ml) 750円

 

 

このラベルは初めまして。

 

シャンパンのような華やかさと、爽やかな甘味。日本酒が苦手な人も、これなら概念が変わるのでは?

 

 

リスのラベルが愛おしい、長野の純米吟醸「19」もおすすめ。マイルドのに、ほどよく酸も感じて飲みやすい。女性が好みそうなフレーバーです。

 

(均一価格がお手頃すぎて、快調に飛ばしております)

 

 

後半のお供に頼んだ、「さんまの肝つけ焼き」780円。身に肝の深味が染み渡り、より深みが増し増しのさんま。余韻の残る口中に日本酒の風味が合います。

 

〆に頼んだのは、山形県の純米「裏・山流」。

 

 

するっと入ってパッと弾ける、そして甘やかな嫌味のない余韻。

 

 

こ! の! 子! 結構衝撃的な出会いでした!!! 忘れないようにその場ですぐさまラベルをブックマーク。

 

あぁ、満足な時間。目利きによる銘酒ラインナップ、日本酒の良さをより引き立てる料理。ほたるに足を運べば、新しい日本酒の表情に始終どきどきがとまらない。

 

今夜でより一層日本酒への愛が募りました。ありがとう、ほたるさん。

 

日本酒に対する熱量と愛情が溢れて止まない素敵なお店です。また新たな出会いと刺激を求めて、近々にでも訪ねたいなあ。

 

文:村田倫子