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〈ニュースなランチ〉「CAFÉ & BAR B(カフェ・アンド・バー ビー)」
毎日食べる「ランチ」にどれだけ情熱を注げるか。それが人生の幸福度を左右すると信じて疑わない、編集部員や食いしん坊ライターによるランチ連載。話題の新店から老舗まで、おすすめのデイリーランチをご紹介!
「FREUDE by BMW」内にオープンした「ドイツ×日本」の食文化がテーマのカフェ&バー
人気の飲食店が集結していることでも話題の商業施設・麻布台ヒルズ。このタワープラザ1階、外苑東通り沿いに2024年6月1日、新たなお店が誕生した。ドイツと日本の食文化を高次元で融合させたメニューを提供するお店として、BMWのブランド・ストア「FREUDE by BMW」内にオープンした「CAFÉ & BAR B」だ。 手掛けるのはフード・インキュベーターの株式会社イートクリエーター。日本橋兜町の「Neki」や「ease」「Bank」などの人気店を続々輩出している、いま勢いのある飲食集団だ。
シェフの芝端延知さんは、洋食店やビストロなどで20年ほど経験を積み、直近ではイートクリエーターが手掛ける「Bistro yen」で腕を振るった人物だ。ランチでは、ドイツの伝統的なメニューから着想を得て、日本の産地や生産者から届く素材の味を引き出したメニューを提供している。
豊西牛のローストを挟んだ「ドイツ風オリジナルルーベンサンド」
シグネチャーはドイツのデリでよく見かけるパストラミビーフを挟んだ「ルーベンサンド」だ。パストラミビーフは、北海道産の豊西牛のブリスケットを塩漬けしてからスパイスで下味をつけ、12時間低温調理した自家製。
これにドイツで親しまれているキャベツの漬物であるザワークラウト風に仕上げたキャベツの惣菜とチェダーチーズに、ケチャップとマヨネーズ、ウスターソースを合わせたルーベンソースをかけ、トーストした全粒粉パンで挟んである。キャベツの酸味にパストラミビーフのうまみとスパイシーさ、チェダーチーズのコクとルーベンソースの親しみやすい味わいがバランスの良いサンドウィッチだ。
ドイツ生まれの新感覚パスタ「シュペッツレ」に、黒毛和牛のラグークリームソースがベストマッチ
もう一つのシグネチャーが、ドイツ・シュヴァーベン生まれの新感覚パスタを使った「シュペッツレ 黒毛和牛のラグークリームソース」1,650円だ。「シュペッツレ」はドイツ語で「小さなスズメ」という意味で、トウモロコシの粒のような小さな形をしている。
同店では卵と中力粉、塩に多めの水を加えて生地を作り、穴があいた専用の器具からお湯の中に落として茹で上げた自家製を使う。ソースは黒毛和牛とブイヨンを先に煮てから、白ワインと生クリーム、ケッパーを後から加え3〜4時間煮込んで仕上げたクリームソース。最後にカレーのようにパスタとソースを盛りつけ、フレッシュパセリをトッピングしている。
お米のように小さなパスタはスプーンですくいやすく、濃厚なクリームソースがよく絡む。「気軽なランチメニューでありながら、しっかりおいしい料理」というシェフの考えを特に反映した料理だ。
ランチメニューは、シェフが自ら厳選した国産食材の使い方が光る。生パスタ専門の「淡路麺業」から仕入れた2ミリメートルのスパゲッティを使用した「トマトスパゲッティ リコッタチーズ 生ハム添え」1,400円もその一つだ。
タマネギとトマトに塩を加え、鶏のブイヨンや刻みニンニクとともに作り上げたトマトソースがベース。生クリームを合わせてパスタとなじみやすくした北海道産リコッタチーズと、生ハムをたっぷりのせ、フレッシュパセリを散らしている。
ランチメニューには+400円でサラダ、ミネストローネスープ、ドリンクをつけることが可能だ。自家製のミネストローネスープは旬の野菜のだしをたっぷりととった優しい味わいで、サラダにはオリーブオイルや赤ワインビネガー、マスタードオイル、エシャロットを合わせた自家製ドレッシングがかかっている。