個性派が潜む! 名古屋市外の厳選5店舗

しかし、愛知県というところは個性派回転寿司店が多いところだ。前回の名古屋市内編でも全国で類を見ない個性派店舗を紹介したが、名古屋市外の県内各地にも個性派は潜んでいる。

普通の店では満足できないのか? はたまた他店と同じことがしたくないのか。これが愛知の県民性なのか!と思いたくなるほど面白い店が揃っており、改めて愛知県全体の回転寿司レベルの高さを感じる。今回は、名古屋市外の厳選5店舗を紹介したい。

1. これぞ回転寿司! 魅惑のレーンに釘付け! 「回転割烹 寿司御殿 竹の山店」

全国ほとんどの回転寿司店を見てきたうえで言わせていただくのだが、「寿司御殿」ほど寿司が回っている店は他にはない。広い店内をぐるっと一周している長いレーンの上にぎっしりと寿司が並べられ、次々と魅惑的な寿司が流れてくるから見ているだけで楽しくなる。

しかも同店は回転寿司の“絶滅危惧種”に指定されているダブルレーンを使用。2000年頃からの数年間はグルメ回転寿司が大ブームであり、握っても握ってもすぐにレーンから寿司がなくなるため、二重に皿が置けるダブルレーンが使用されていた。

しかし、大手チェーンの台頭でブームが落ち着くと、ダブルレーンが廃棄ロスの原因になるという理由から、普通のレーンに戻す店が続出した。今でも使用しているのは、人気がものすごくあるほんの一握りの店のみだ。

今では珍しくなったダブルレーン

そしてもうひとつ異変に気づく。レーンの周りに職人さんがいないのである。グルメ回転寿司の場合、レーンの中にいる職人さんに直接注文したりもできるが、職人さんは巨大レーン内の中央部に陣取り、客席からは遥か彼方。これもレーンの寿司を取ってもらえる自信があるからなのかもしれない。

注文したい時には、客席の周りにいるホールの方にお願いするシステムだ

肝心の寿司はと言うとこれがまたなんとも魅力的。デカネタや工夫を凝らした寿司などが絶え間なく目の前を流れていく様は、これぞ回転寿司の醍醐味!という感覚を思い出させてくれる。

「あじ ねぎ生姜」260円

あじが隠れるほどにミョウガや小ネギを散らした人気の寿司。脂のりの良いあじをさっぱりいただける工夫が良い。こういった見た目で引き付けられる寿司が流れてくるので、レーンから目が離せなくなる。

「えび天むす寿司」180円

ムム、そうきたか、といった風体の寿司だが、名古屋らしいというか何というか、エビ天の屹立した姿がなんとも良い。唐揚げの衣の味により、酢飯の甘さが引き立ってこれがなかなかに良い。この手の寿司が回ってきたら思わず手が伸びてしまう。

愛知県では有名な中食の企業が経営しており、魚の鮮度にはこだわりが強い。いけすの魚を取り出してさばくパフォーマンスなどを見ながらの食事はさながらキッチンスタジアムみたいで面白い。現存する史上最強のダブルレーンの回転寿司店だ。

2. 居酒屋気分で寿司が食べたい時には! 「まるちゅう 尾張旭店

回転寿司店で寿司をつまみに飲むのが好きな方は多いことと思う。かくいう私がそうだ。今は回転寿司店でもいい感じの一品料理や純米酒を揃えている店が増えており、新たな回転寿司の魅力が引き出されている。

だが、ありそうでなかったのが「回転寿司居酒屋」というジャンル。寿司だけではなく焼き物、揚げ物、酒のアテになる居酒屋メニューの数々、サラダに刺し盛り、コース料理まで、と、ここまでメニュー数を揃えて居酒屋をしている回転寿司店は他にない。

ボリューム満点の刺し盛りと大あさり

回転寿司店で宴会がやりたい!と本気で思っているファンの方はもちろん、おいしい寿司が食べられる居酒屋を探していた!というマニアックな方や、純粋に寿司が食べたい方にもおすすめの店だ。

何せ名古屋の回転寿司を牽引してきた「丸忠」が経営しているので、魚は名古屋市中央卸売市場直送。本気の回転寿司店、本気の海鮮居酒屋としても十分に通用する。

日替わり「貝づくし3貫」
日替わり「貝づくし3貫」   写真:お店から