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お菓子の歴史を語らせたら右に出るものはいない! といっても過言ではない、お菓子の歴史研究家・猫井登先生が、現在のトレンドを追いつつ、そのスイーツについて歴史を教えてくれちゃうという一度で二度おいしいこの連載。東京・九品仏のスイーツスポットを特集する第30回後編は、注目のケーキ屋2軒、パン屋1軒を紹介します。
【猫井登のスイーツ探訪30・後編】九品仏のスイーツショップを巡る


食べログマガジン編集部
後編は、前編の1軒め「コムン」の反対側の踏切からスタートですね。

猫井先生
こちらのお店も、駅を出て踏切を渡るとすぐに見えます。
【1軒め】フレンチレストランのオーナーが運営するケーキ屋さん「パティスリーエール」


食べログマガジン編集部
可愛らしい雰囲気のお店ですね。こちらはスイーツ専門店なんですか?


猫井先生
こちらのお店は、九品仏にあるフレンチレストラン「KOST」のオーナーがオープンしたお店なので、お惣菜やお弁当もあります。KOSTは、辻光一さん、遼子さんご夫妻が営まれるお店です。コース料理の最後に、紅茶やコーヒーとともに出されていたプチフールが評判となり、こちらのお店をオープンされました。店名のRは遼子さんのイニシャルで、フランス語ではエールと発音します。


食べログマガジン編集部
たしかに、たくさんのプチフールが並んでいますね。


猫井先生
プチフールは小ぶりですが、どれも手が込んでいて、比較的あっさりとした味わいに仕上げられています。


食べログマガジン編集部
プチフール以外のケーキも可愛らしいビジュアルのものが多いですね。ボリューム満点の「トロピカルエクレアショコラ」520円が気になります。


猫井先生
見た目は迫力満点ですが、マンゴー、パッション、アプリコット、バナナを合わせたジュレに甘さ抑え目のクリームを合わせており、すんなりといただける味わいに調整されています。これからの季節にぴったりですね。
※価格はすべて税込

猫井先生
この先に、古くからあるイートインもできるパティスリーがあるので、ちょっとひと休みしましょうか。
【2軒め】親子2代で作り上げる芸術的なデザインのケーキ「パーラー ローレル」


食べログマガジン編集部
いかにも高級住宅街にお住まいの方々が訪れるような、重厚な店構えですね。

猫井先生
1980年創業、41年の歴史を持つケーキ屋さんですからね。シックな感じがしますね。お店には、オーナーシェフの武藤邦弘さんと、フランスやベルギーで修行を積んだ息子さんの康生さんとの親子2代のケーキが並びます。

食べログマガジン編集部
店内のショーケースは撮影禁止ですが、モダンなフォルムのケーキが並んでいますね。

猫井先生
そうなんですよね。アート作品のオブジェのような、斬新なデザインのケーキが印象的です。注文して、テーブルでいただきましょうか。


食べログマガジン編集部
青リンゴの形が可愛い「マンザナ」682円ですが、中身はどうなっているのでしょうか?


猫井先生
薄いサブレの上に、青リンゴのムースがのっています。中はカシスのムースですね。甘めの青リンゴのムースと酸味の利いたカシスのムースが好対照というか、味のメリハリがあって、旨味もたっぷりです。


食べログマガジン編集部
リンゴがモチーフのケーキとか小物ってトキメキます。もう一つは「リヴィエール」660円というケーキですね。こちらも素敵なビジュアル!


猫井先生
真っ赤で揺らぎのあるフォルムが印象的ですが、中はふわっとした、優しくミルキーなショコラムースですね。ぶどうのジュレがなんともフレッシュな感じで、瑞々しさを感じます。
※価格はすべて税込

猫井先生
休憩もしたので、ちょっと足を延ばして自由が丘方面に歩いてみましょう。


食べログマガジン編集部
なるほど。こちらが九品仏駅の由来となった「浄真寺」ですね。

猫井先生
そうですね。春は桜が綺麗ですし、秋は紅葉が楽しめますね。季節ごとに風情があって、なかなか良いですよ。ここから、前編で紹介したパン屋「コムン」の間の道を九品仏川緑道へ向かって歩いていくと、東門があります。そしてさらに真っ直ぐ進んでいくと、次の目的池です!
