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魅惑のコナモングルメ特集【エピソード3:蕎麦とラーメン編】
日本コナモン協会 会長の熊谷真菜さんに、関西の美味しいコナモン料理を教えていただこうというこの特集。エピソード1ではお好み焼き、エピソード2ではうどんについてお話を伺いました。そして3回目となる今回は、蕎麦とラーメンです。
――“大阪=うどん”のイメージが強いですが、蕎麦も人気があるのでしょうか?
お好み焼き編でもお話したとおり、江戸時代、大坂城築城の砂場(資材置き場)に「うどん・そば」両方を出す店が2軒並んで大人気だった、というのが大阪のコナモン文化の始まりです。ですから、蕎麦はせいろ(蒸しそば)の名店から立ち食いそばまで、幅広くあります。
――大阪のラーメンにはどんな特徴があるのでしょうか?
コナモンは、だしが命! だしたっぷりのうどん・そばを生んだ街だけに、ラーメン専門店はなかなか定着しませんでした。ですが、この10年でとても進化していて、昔ながらの中華ソバから、つけ麺、トンコツ、鶏白湯、創作ラーメンにいたるまで、関東の人も通ってくるような名店がめちゃくちゃ増えています。
おだしが一番の関西ならではのラーメンと蕎麦……美味しくないわけがないでしょう!ということで、大阪のラーメンとお蕎麦の注目店はこちら。
日本コナモン協会 会長のお墨付き!大阪で必食のラーメン屋
東大阪高井田ラーメンがベース。行列のできる大人気店「麺屋 丈六」
【コナモン協会 会長のオススメポイント】和歌山県出身の店主による大人気店。一番人気の「中華そば」はもちろん、別メニューの「秋刀魚醤油」の上品なスープは香りも最高。
東大阪高井田系と呼ばれる麺は沖縄そばのような極太ストレートで、スープは鶏ガラと昆布を使用した醤油味が基本。店内にはもの凄い数のサイン色紙が並ぶ大人気店。「中華そば」並盛り650円、大盛り750円というコストパフォーマンスの高さも人気の理由のひとつです。
野菜と果実の甘みたっぷりスープがやみつきになる。カレーラーメン専門店「ミスターパピー」
【コナモン協会 会長のオススメポイント】野菜と果物の甘みたっぷりのスープによく絡む麺。たまに食べに行きたくなる、やみつきになる優しい味。
ポーク、ビーフ、シーフードを具材としたカレーラーメンを基本に、梅カレーや豚キムチなどのアレンジメニューも楽しめるカレーラーメン専門店。ミキサーにかけた野菜と果実がたっぷりのスープはトロッと濃厚で、麺との相性バツグンです。
日本コナモン協会 会長のお墨付き!大阪で必食の蕎麦屋
おだしの深み、大阪風蕎麦らしいもちもち麺が魅力「堀江やぶ」
【コナモン協会 会長のオススメポイント】冬に食べる「あんかけきつね玉子とじ」は体調が悪い時でも治っちゃうんじゃないかという位美味しい。つけ蕎麦タイプの吾助そばもオススメ。
お洒落な若者の集う街・堀江にある昔ながらのお蕎麦屋さん。「けいらん」や「あんかけ」など、とろみのあるつゆでいただく蕎麦・うどんに癒やされる人も多いです。親子丼や他人丼など、丼メニューも人気です。
小麦粉を多めに使った二八そばに大阪ならではの食感を感じる「なにわ翁」
【コナモン協会 会長のオススメポイント】弾力のあるつやつやの細麺はいくらでも食べられちゃう喉越しの良さ。旬の具材を使用した「季節蕎麦」も絶品。
大阪の蕎麦屋を語る上で欠かせない、国産のそばの実だけを使用した老舗の手打ち蕎麦屋。そば粉8、小麦粉2の割合で作られる二八そばは、大阪ならではの弾力のある蕎麦の食感を味わえます。
次回のコナモンは「たこ焼き」!
次回お送りするのは、皆さんお待ちかねの“たこ焼き”編です。お楽しみに!
熊谷真菜(くまがい まな) 日本コナモン協会会長、食文化研究家、道頓堀たこ焼連合会主宰。5月7日コナモンの日に設立した協会は15年目を迎え、「コナモン」という言葉を全国に定着させた。「だしツッコミ!」を合言葉に極太麺と道頓堀ソース使用の道頓堀やきそば開発など、大阪の名物創生をプロデュース。半夏生に蛸を食べる関西の風習に着目し、粉もんプリンセス三戸なつめとともに、蛸半夏生(たこはんげしょう)キャンペーンを実施。主著は『たこやき』(講談社文庫)、『粉もん 庶民の食文化』(朝日新聞社)など。