〈食通の昼メシ〉
日々新しいトレンドが生まれるグルメ業界。流行りのメニューを試すのも楽しいが、毎日食べたいのは昔ながらの定番メニューだったりする。業界きっての美食家「食べログ グルメ著名人」の6名に、毎月、一番好きな定番昼メニューの名店を教えてもらう連載。今日のランチはこれで決まり!
教えてくれる人
本郷義浩
テレビ番組プロデューサー&ディレクター。『水野真紀の魔法のレストラン』をはじめ料理情報、アート、音楽、教養、旅、ドキュメンタリーなど多岐にわたる番組を制作。
今月のメニュー:「定食」
新米のシーズンになると、無性に定食が食べたくなる。定食というのは構成する要素が多く、その分、理想形に出会えることはなかなかない。メインのおかずを何にするかも大問題だが、やはり一番重要なのは「ご飯」だろう。ツヤツヤと輝き、ピンとたった炊きたての白飯。そしてだしを感じる味噌汁に自家製のぬか漬、選べる小鉢なんかがあると目尻が下がってしまうのだ。
本郷義浩、昼に最高の「定食」
「天一更科」のとんかつ定食 1,350円(税込)

かなり大きなロースカツに、副菜が充実しています。ドレッシングがたっぷりの生野菜、冷や奴、結構大きめのミニうどん、自家製漬物、味噌汁。このお店、うどんも中華そばも、丼も、実は何を食べてもおいしいのですが、この店の近くに音楽スタジオがあり、仕事が深夜に及ぶときは、晩ごはんにこの定食を食べることにしています(仕事があるので、お酒は飲めないので、せめて豪華な定食を……となるのです)。サラダにしっかりドレッシングをあわせているところ、とんかつソースがたっぷりなところ、味噌汁の温度……細部からもおいしいものを食べて欲しいという思いが伝わってきます。
※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しております。最新の情報はお店の方にご確認ください。
「定食」のココが重要
一番好きなご飯のとも
ご飯のともの定義を、漬物や珍味に限定するなら、水菜の漬物ですが、おかずととらえるなら、脂ののったロースカツです。
こだわりの食べ方
僕が「定食」に期待しているのは、「メインは肉系、副菜は少なくとも3種類以上」です。肉系―ご飯―肉系―副菜―ご飯―肉系―ご飯―副菜というようにあれもこれも平行して、交互に食べたい派なのです。
文:本郷義浩・食べログマガジン編集部