出世ごはん

デキるビジネスパーソンはこんなお店で食べている! 元銀座のホステス&開運アドバイザーの藤島佑雪が、かつての同伴その他の経験から見極めた「出世する店」を「おいしい理由」とともにご紹介!

No.44 天丼ランチでマインドフルネス! 心静かに“無”をつくる

みなさま、瞑想や坐禅など、いわゆるマインドフルネス系なことって、されたことあります? わたくしはほぼ毎朝のヨガに加え、月1はお寺で坐禅をさせていただいてるんですが、はっきり申し上げて、こんなにいいものはございません! グーグルさんだのゴールドマンサックスさんだの、名だたる企業も取り入れていらっしゃいますから、気になっているビジネスパーソンのみなさまも多かろうと存じます。

 

これがですね、意外と簡単なんですよ! お昼にぜひ、ひとりで天丼食べに行ってください。そこでできますから。おすすめは銀座「天あさ」さん、平河町「天真」さん、京橋「てんぷら 深町」さんのような、接待利用も多い天ぷら専門店のカウンター席。お店の方が気さくながらも、どこかピーンと張り詰めた空気もあるところがベストですね。

「天あさ」さんの天丼。銀座8丁目というクラブ街のど真ん中というロケーションで、天丼瞑想にいそしむなんてオツじゃございません? 出典:kazs59さん

マインドフルネスは、ざっくり言うと「今この瞬間に集中し、感じたことを判断しない」ために瞑想すること。そのスタイルとしてヨガ、坐禅といった仏教ルーツのものがあり、そこから宗教色を除いたマインドフルネスが今、もてはやされてるわけです。で、数を1から10まで繰り返し数えるとか、ヨガみたいにポーズをとりながらとか、やり方は色々あり。でも、「なるべく雑念を追い払って、できるだけゆっくりとした呼吸を繰り返す」というのは共通してるんです。

「天真」さんは、伝説の店「天政」系。天ぷらをワインとマリアージュさせるお店の草分け。ブロッコリーなんかも入る「海老野菜天丼」、穴子入り「特製天丼」には、パリパリに揚げた海老の頭ものってます。出典:romai343さん

で、あるとき、天ぷら屋さんで天丼を待ってたら、無意識にその状態に入り込んでたんです! 高級店ゆえの落ち着いた雰囲気のなか、厳しい修業を積まれて揚げ場に立っているご主人が、無言で海老だの野菜だのを揚げていく。もう素材との真剣勝負なわけですよ。わたくしも思わず、集中してじっと見つめるじゃないですか。すると鍋の中でバチバチいってた油の音が、次第にパチパチに変わって、やがてジジジと音が小さくなっていく。するとご主人が、素材のおいしさを最大限に引き出す一瞬の間合いを逃さずに揚げた天ぷらを、タレをかけた熱々の白いごはんにのせて、もう一回、仕上げのタレ。気づいたら、無心になってたんですよね。コレだ! って思いましたよ。ヨガでも坐禅でも、なかなか払えない邪念がなくなって、ただただ、天丼ができるまでを追ってたら、いい感じで瞑想ができてたんです。頭の中がスッキリして、ざわざわした気持ちが落ち着き、疲れがとれてました。油のはぜる音がいい導入になって、「今この瞬間に集中し、感じたことを判断しない」ことが自然にできたんですね。

「深町」さんは、「山の上」系。お昼の「特製かき揚天丼」は魚介に加え、季節によって、ふきのとうや空豆など旬のお野菜が入る風流なお品。出典:東京ふらふらさん

それ以来、むしろ瞑想目的で天ぷら屋さんにランチしに伺ったりしてます。そして、コースではなく天丼やかかき揚げ丼みたいな単品ものをお願いします。コースだと、何度も天ぷらやお料理がきて、集中が途切れますから、一度に天丼セットがくるのがいいんです。食べる間も瞑想タイム。ひとつひとつの具、ごはんに向き合って、味の変化をひたすら追います。誰かと来ておしゃべりしながらの食事もおいしいですが、純粋に味に集中すると、些細な味や食感の違いに敏感になって、いつもとは全然違う、味の世界にトリップできるんですよね。

 

心が落ち着くと円滑なコミュニケーションができるようになりますし、集中力が増すことで効率もアップ、いいアイデアだって浮かびます。天丼瞑想から、マインドフルネス始めませんか?

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文:藤島佑雪