担々麺だけじゃない! 四川料理の“麺”はこんなにバラエティ豊かだった

4月20日・21日に新宿中央公園で開催される「四川フェス」。“麻辣ブーム”が到来中の今、その“麻辣”の元祖でもある本格四川料理をたっぷりと楽しめます!

 

第1回第2回と「四川フェス」についてお伝えしてきましたが、第3回はこの四川フェスで食べられる“麺”に注目。実行委員長の麻辣連盟総裁・中川正道さんと、奥様のチカさんに紹介してもらいます。バラエティに富み、かつ日本ではなかなか食べられない麺がズラリ! 麺好きの方、麻辣好きの方、ぜひぜひ期待していてください。一部店舗は20日と21日で入れ替えがあるので、出店スケジュールは公式サイトで確認を。

1. 成毛幸雄シェフが手がける特別メニューは必食!

神田 雲林 「黒辣蝦脆麺(黒いエビチリ焼きそば)」 (税込900円)

 

「神田 雲林」といえば、中国料理の名店。系列の担々麺専門店「雲林坊」も人気ですが、この四川フェスではあえて新たな麺メニューを成毛幸雄シェフ自ら考案し、販売するとのこと! 「成毛シェフの四川料理、本当に美味しいんですよ。そんなシェフがわざわざこのフェス用に手がけてくれる、ここでしか食べられないメニュー。個人的に今回のフェスで一番食べたい一品です」(中川さん)

2. “痺れ”にこだわる人気担々麺店が初参戦!

175° DENO担担麺「 175°成都担担麺」(税込850円)

 

札幌発の担々麺専門店で、都内でも3店舗を展開。「究極の担担麺を提供したい」という想いから、中国四川省の食文化と日本のラーメン技術を融合させた唯一無二の担担麺を食べることができます。味の決め手は、店主自ら中国四川省で買い付ける香辛料でつくる自家製辣油と、高級四川花椒。「私が個人的に一番好きな担々麺店です。オプションで3種類の花椒を追加できたり、花椒愛がハンパじゃないんですよ!」(チカさん)

3. 飯田橋の人気ビストロが手がける、フレンチ&四川のコラボレーション!?

メリメロ 「汁なし担々麺」(税込800円)

 

今回のフェスは、四川料理以外のジャンルの店も参加しているのが大きな特徴。「メリメロ」は飯田橋にある、素材重視のビストロフレンチと自然派ワインで人気のお店です。「僕がもともと自然派ワインを大好きなことから『いいお店があるよ』と紹介してもらった一軒。このフェスで出すための“フレンチのアレンジが加わった四川料理メニュー”を、この1ヶ月くらい熱心に研究してくれているとのことで、絶対面白い麺ができるはず。そして確実にこのフェスでしか食べられないメニューです」(中川さん)

4. 地ビール×本格担々麺のたまらないマリアージュ

関羽の胃袋 ヴィルゴビール「大人の汁なし担々麺」(税込600円)

 

こちらも四川料理以外のジャンルからの参戦。「ヴィルゴビール」は東京都墨田区にある地ビールメーカーで、本格ビールをはじめ、インスタ映え抜群のフルーツビールなどさまざまなクラフトビールを醸造しています。四川フェス2019ではビールと相性抜群の「大人の汁なし担々麺」を提供。クラフトビールの飲み比べセットも販売予定なので、ぜひ一緒に合わせてみて! 「今年の四川フェスに一番最初にエントリーしたのがヴィルゴビールさん、やる気がみなぎってます。スパイシーな担担麺はビールと相性ぴったり!」(中川さん)

5. 四川の家庭の味、“酸辣粉”を味わうチャンス!

香辣妹子 「肥腸酸辣粉(もつサンラーフン)」(税込600円)

 

板橋の「香辣妹子」は、四川省成都市の有名ホテルで親子三代培った、四川そのままの味わいを提供するお店。「“酸辣粉”は四川省ではよく食べられる麺です。小麦粉ではなく、さつまいものデンプンから作られる麺で、春雨やチャプチェに似た感じの透明感のある麺です。辛さと酸っぱさが特徴で、四川ではお昼ご飯によく食べる“家庭の味”。日本ではあまり食べられないので、ぜひこの機会に味わってください」(中川さん)

6. シンプルながらも技が光る、特級厨師の“本気の味”

四川料理 華美 「四川風油和えそば」(税込500円)

 

横浜・伊勢佐木町では一品390円というリーズナブルさで人気を博し、先日東京に進出した「華美」。この店のシェフ・楊聡氏は四川省成都のホテルで料理主任・料理長を歴任ののち、1999年の「中国料理コンクール」で当時四川人最年少記録を打ち立て優勝した経歴を持つ凄腕の「特級厨師」なんです。「楊さんの料理は本格的すぎて、本気だと日本ではなかなか受け入れられにくい。なので逆に僕たちは、このお店を利用させてもらう時は『楊さんの本気を見せてくれ』ってお願いします(笑)」(中川さん)。今回は四川省南部では定番の、シンプルな和えそばを提供してくれます。

7. 辛い冷やし麺は、四川省の夏の風物詩!

本格熊猫「鶏絲凉麺(鶏肉入り冷やし麺)」(税込700円)

 

高田馬場と阿佐ヶ谷に店舗を持つ「本格熊猫」。創業者劉氏は四川料理家族の出身で、38軒の牛肉鍋チェーン店のオーナーの顔も持つそう。茹で上がった麺をあらかじめ油であえておき、辣油とにんにくのソースで食べるシンプルな料理です。「四川省の夏はとても暑いので、みんな出掛けたくないんですよ。この料理は町ナカでおっちゃんたちが『涼麺ー!』って叫びながら売っていて、声をかけたらマンションの下まで持ってきてくれる、そんな四川省の“夏の風物詩”です」(中川さん)

8. 辣油と麺のシンプルさは、はまるとやみつきに!?

成都美食文化促進会「鶏絲凉麺(鶏肉入り冷やし麺)」(税込600円)

 

「成都美食文化促進会」は四川省成都で2011年に設立された、四川料理人や飲食店経営者で構成される公的な協会。こちらも上の「本格熊猫」と同じく、四川名物の冷やし麺を提供。「とてもシンプルな料理なので、辣油が不味かったら美味しくないんですよ。その辣油も、店ごとに香り、味わいが違う。同じ料理でも違いがはっきりわかるはずなので、ぜひ食べ比べも楽しんでください」(中川さん)

9. 麺どころ重慶の実力を感じられる麻辣麺

在日中国厨師精英協会 特級厨師「重慶麻辣麺」(税込500円)

 

在日中国人シェフを中心に構成される組織「在日中国厨師精英協会」から、重慶出身の特級厨師が腕を振るいます。「重慶は、実は中国屈指の“麺どころ”なんです。重慶市民は麺と火鍋が大好きすぎて、この2ジャンルは毎年地元の新聞社と有志が“ベスト50”の店を選出、新聞にそれが掲載されるほど。そんな麺文化が充実している重慶の麺料理で、しかも重慶料理は四川料理の中でもより辛味が強いガッツリ系。楽しみにしていてください」(中川さん)

10. 四川人が好きな“本物”の回鍋肉を汁なし麺で

四川料理 品品香 「回鍋肉拌麺」(税込800円)

 

日本でもおなじみの回鍋肉は、四川料理ではとてもポピュラーな料理。ところが、日本人の多くがイメージするキャベツが入った甘い回鍋肉は、本場・四川省からしたら「ありえない」のだとか。「回鍋肉は四川人が一番好きな料理で、回鍋肉でその店のレベルがわかるほどのソウルフード。本場の回鍋肉はキャベツではなくにんにくの葉かピーマンが使われていて、日本ではにんにくの葉が手に入りづらいことと、日本の中華料理店は中国の東北部出身の人が多いことから日本ではああいう回鍋肉の味になったんです」(中川さん)。また、麺の上に炒めた料理をのせるのも四川料理ではよくあるスタイル。今回は、本場の回鍋肉をのせた汁なし麺を楽しめます。

いよいよカウントダウン!

四川フェス当日まで、いよいよ残りわずか。一年に一度のお祭りを、ぜひお見逃しなく。

 

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四川フェスの詳細はこちら>>

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※料理画像はイメージです。当日の盛り付けとは異なります。

 

取材・文/川口有紀