スタッフの空気感が素晴らしいフレンチと朝飲みできる小料理屋

ロレーヌ地方の郷土料理を味わえるフレンチがオープン

10月1日、六本木にフレンチ「umé(ウメ)」がオープンしました。フランス・ロレーヌ地方の郷土料理に日本の旬の食材を合わせた、アラカルト中心のレストランです。シェフの梅林佑輔さんは、ロレーヌ地方や国内の有名店で研鑽を積んできました。プロデュースは、この連載にも何度も登場するヒットメーカー、林亮治さん。「実朴」や「寛心」など日本料理店で採用してきた「最初の数品はお決まり、あとはアラカルト」という方式をフレンチに持ち込んだのが面白いところです。
5,500円でフランスの伝統的なアペリティフ3品を味わいながら、じっくり魅力的なアラカルトを選べます。きれいな味のブーダンノワールから、ソースが素晴らしいメインまでわくわくするメニュー。シェフ自身もアラカルトでお店をやりたかったそうで、スタッフ皆が楽しそうに働く様子をカウンター越しに体感できる空気感もいい。数カ月に一度は訪れたくなる一軒です。

鴨のロースト フランボワーズヴィネガーソース

元「AKOMEYA厨房」料理長による朝から飲める小料理屋

9月20日、渋谷・並木橋交差点そばにオープンした「小料理屋 熊」も面白いお店でした。元「AKOMEYA厨房 銀座本店」の料理長だった、とても感じのいい店主がワンオペで営むカウンターのみのお店です。
京都にあるような朝ごはん文化を東京に持ち込みたいと、営業は朝7時半から夕方16時まで。基本は「今週の熊プレート」2,500円と、そこからご飯と豚汁を抜いた朝飲み用の「今週の熊アテ」2,000円の2種。お酒は店内の冷蔵庫から自分で取るシステムで、カップ酒が充実しています。プレートは味も量も充実ぶりがすごく、一つひとつが実に丁寧。いい店だなあと思わされます。BGMはスペイン語のラジオで、壁には座右の銘だというスペイン語「A QUIEN MADRUGA, DIOS LE AYUDA.」(“早起きは三文の徳”のような意味)。そのセンスも楽しい一軒です。早く朝飲みに行かねば。

今週の熊プレート

上海の名店が虎ノ門に初上陸。できたて豆花麻婆の町中華も

上海の大人気家庭料理店が日本上陸

9月10日、虎ノ門に「蘭心Bistro&Bar」がオープンしました。上海で大人気の家庭料理店「蘭心餐庁」の日本初上陸にして初の海外支店です。愛宕神社の向かい、全面ガラス張りの28席で、愛宕山の緑を眺めながら食事ができます。昼から夜までの通し営業。
ハート形で登場する春菊と干し豆腐の和え物は、春菊の苦みが絶妙。「プリプリエビ炒め」は今年食べた酒のつまみの中でも最高レベルで、約50尾の小ぶりな海老を黒酢で食べると旨みがふくらみ、食べ飽きません。一番の名物という「A5和牛の弱火醤油煮込み」も上品なボリューム。締めは「上海風ネギ油和え麺」を。これで食べて飲んで1人9,000円弱は、穴場と言うしかありません。

プリプリエビ炒め

出来立て豆腐の麻婆豆腐が味わえる町中華が登場

9月25日、麻布十番には町中華「麻布飯店」がオープンしました。イタリアン「ROMANO」などを手掛ける株式会社シティダイニングの新店です。
売りは、注文が入ってから作る豆花麻婆。味別に赤・黄・白・黒の4種があり、辛いのが苦手な人でも安心です。加熱した豆乳とにがりの入った土鍋が目の前に置かれ、待つこと約10分。蓋を開ければ豆腐の出来上がりです。ここに餡をかけてもらって食べると、豆の香りも感じられてしみじみ旨いなあと。卓上には花椒もあり、味変も楽しめます。こんな凝った仕掛けをランチから提供するのはすごい。レバニラや生姜焼きなどほかの定食メニューもボリューミーでおいしそうでした。「永新」「新香飯店」という人気町中華がある麻布十番で、新たな人気店になれるか楽しみな一軒です。

白麻婆

ステーキをワシワシ食べられるカウンターと、老舗とんかつの2代目

「malca」などを手掛ける人気グループのステーキ店

9月20日、外苑前にステーキ店「PIQUE」がオープンしました。南青山「malca」や渋谷「arca」などを手掛ける株式会社Svoltaが、同社のイタリアン「tens.」の神宮前移転跡に出店した一軒です。
サイドメニューがおいしい店はいい店だと思っているのですが、ポテトフライ、真蛸とルッコラのサラダ、牛肉餡の焼き餃子と、ことごとく美味。高まる期待の中、ステーキは熱々の鉄皿にニンニクバターをのせて登場します。オーダーしたのは200gのイザナミ黒牛のヒレ。高級カウンターの鉄板焼きや、カジュアルな店内のボリューミーなステーキはよくありますが、おしゃれなカウンターでライブ感を味わいながら、みんなが大好きなステーキをワシワシ食べられるのは、ありそうでなかったスタイル。満足感がありながら脂が重くないのもいいところで、なんとも気分が上がる一軒です。

イザナミ黒牛のヒレ
イザナミ黒牛のヒレ   写真:お店から

日本橋の老舗とんかつ店の2代目が新店舗をオープン

10月2日、上野にオープンした「二代目日本ばし宇田川」は豚肉がメインのお店です。1967年創業の老舗とんかつ店「日本橋 宇田川」は、再開発のため2021年1月にいったん閉店し、2022年9月に日本橋蛎殻町で再オープン。その老舗の味を2代目の宇田川伸一さんが、屋号も新たに上野で切り盛りします。
コンパクトなカウンターとテーブルの店内で、おつまみには豚すじ揚げやチューリップ揚げなど頼みたくなる品が並びます。ビールやワインを飲みつつ、看板の「厚切りロースかつ」と気になった「豚ヒレステーキ」を。肉がやわらかく重くないので、ペロリと食べられます。名物の「ヒレかつサンド」も購入しました。濃いソースがしみ込んだヒレカツに千切りキャベツ、トーストしたパンがなじみ、時間が経つほどおいしくなるのでお土産にぴったり。一切れが大きいのもうれしいところ。五十余年の伝統の味を、新たな地で味わえます。

厚切りロースかつ