【噂の新店】alcentro(アルチェントロ)

本窪田シェフ再始動

店は大阪メトロ扇町駅から徒歩5分程度のところ

大阪・扇町にイタリア料理店「alcentroアルチェントロ」が2025年10月オープン。扉を開けば黒を基調としたシックな大人の空間が広がる。テーブル席もあるが、オープンキッチンからシェフの仕事が隅々まで見通せるカウンターが特等席だ。

カウンター6席のほかテーブルが3卓ある
 

門上さん

シンプルでスタイリッシュな店内です。

シェフは本窪田雅文さん。厳選した鮮魚を多用し、日本料理とイタリアンを巧みに融合させたスタイルを確立させ、20年以上、関西のイタリア料理界を牽引し続けてきた人物だ。イタリア料理だけにとどまらず、寿司店や肉料理などさまざまなジャンルで手腕を発揮してきた。そんな本窪田シェフが、最初の店があった大阪北区同心で再始動とのことで、グルメの間でも「どんな店だろう」と早くも噂になっていた。

シェフの本窪田雅文さん。「接客は得意ではないと思っていて避けていましたが、今は楽しいですよ」

「この店は最後の店にします。料理もサービスも自分ひとりでやりますよ」と本窪田さん。料理は、本領発揮の鮮魚を中心としたコースを供す。魚介は今までご縁のあった産地から、野菜も滋賀や和歌山、奈良から直に仕入れたものがメインだそう。パンは、イーストを使わず低温長時間熟成のオーバーナイト法で作り、幻と呼ばれる伊豆大島産バターと共に提供。料理に合わせるのはサンジョヴェーゼ主体のトスカーナワインが中心で、スーパータスカンも揃う。夜のコースではワインのペアリングも行っている。

 

門上さん

何年かぶりに奇跡の復活! 相変わらずのシェフの卓越した仕事を再確認しました。

いただけるお料理はこちら!

いただけるお料理は、昼3,800円(約6品)~、夜12,000円(約7品)のコース。20時以降は5,000円のショートコースも。コースの中から門上さんのおすすめを紹介していく。
スペシャリテの冷製カッペリーニ。具材は蒸したアワビ、リコッタチーズなどで、ソースはアワビの蒸し汁とアサツキ。具材とよく絡めたパスタに、燻製キャビアをトッピングして味わう演出も素敵。

アワビの冷製カッペリーニ 燻製キャビア
黄色い花がアクセントのバカラの器から、キャビアをトッピングしていただく
 

門上さん

カッペリーニの食感と合わせる食材のマリアージュ。少しずつ混ぜてゆくと、味の変化が楽しめます。

マグロ、フグ、シマアジのカルパッチョ。マグロは炙ったり、海苔を巻いたりと一工夫。ソースはアボカド、ニンジン、宮崎県産の生胡椒・レモン・菊芋と見た目も華やか。

マグロ、フグ、シマアジのカルパッチョ
 

門上さん

つけ合わせやソースが楽しい!

白子のパスタ。白子、ネギ、うるい、ゆずを使用し、蕪の皮のピクルスを天に。ソースは蛤のだし。「コースの口直しに氷出しの八女茶をお出ししていますが、それをアクセントとしてソースに使うことも」(本窪田さん)

白子のパスタ
 

門上さん

季節ものですが、日本茶のエキスが入ることで味にふくらみが増します。

蕪の葉のピュレ、食感が楽しいイカ、レンコン。香ばしく焼き上げた金目鯛との相性もよく、食べ進めるごとに表情が変わるリゾット。添えられたかぼすを搾っていただく。

のれそれのリゾット 金目鯛のソテー
 

門上さん

味わい、食感、香りなどバランスがいいです。

よく考えて、丁寧に

「これまで志半ばで終わってしまうことが多かったですね」と本窪田さん。また、人に任せることも多かったそうだが、今回は“自分でやる”と決めているそう。「腰をすえてよく考えて、丁寧にやっていきたいですね」と話すシェフの真骨頂を、ぜひ味わいに訪れたい。

「看板を見て、最初の店のお客様が予約をしてくださることも多く、うれしいですね!」と本窪田さん
 

門上さん

食材の合わせ方のユニークさを実感してみてください。

教えてくれた人

門上武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込。

文:木佐貫久代
撮影:東谷幸一