教えてくれる人

はなとも
日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュ。スイーツ専門のライターとしてさまざまなweb媒体で記事を連載中。著書「スイーツ男子はなともの I love パンケーキ」(KADOKAWA)、はなとも監修パンケーキミックス粉、その他、監修商品やコラボメニューなど多数。前職はお花屋さんという異例の経歴を持つ。

「サカノウエカフェ」の「こおりのショートケーキ」

文京区・湯島にあるかき氷の名店「サカノウエカフェ」。ふわりと溶ける繊細な氷と自家製シロップで作るかき氷は、何度食べても飽きないおいしさです。中でもいちごシロップとエスプーマクリームたっぷりのかき氷は、ショートケーキのような見た目とおいしさからスイーツ好きに大人気。見て楽しい!食べておいしい!! 今回はそんな絶品かき氷をご紹介します。

試行錯誤を重ね、行列のできるかき氷店へと成長

外観

「サカノウエカフェ」は、東京メトロ千代田線・湯島駅より徒歩約5分。湯島天神と神田明神のほぼ中間にあります。夏場には待ち時間が4時間以上になることもある同店。その独創的かつかわいらしいかき氷を求め、連日多くの人が訪れています。

店主の町山友康さん

店主の町山さんは元々アミューズメントパークのスタッフでしたが、昔から自分の店を持ちたいという思いが強くあり、35歳の時に独立して「サカノウエカフェ」をオープン。当時はランチをはじめ、ケーキやスムージー、フレンチトーストなど、さまざまなメニューを販売していましたが、オペレーションの問題などもあり徐々にメニューを削減。その中でもかき氷は評判が良く、それを目当てに来店する人が増えたため、かき氷一本で営業していくことを決意します。

その後はSNSで評判が広まり、開店前には行列ができるほどに。今では自家製シロップで作るかき氷を求め、遠方から足を運ぶ人がいるほどの人気店になりました。

店内

夏場は開店直後に満席となる同店。店内には2人掛けのテーブル席とソファ席があり、ゆっくりとかき氷を楽しむことができます。

純氷

同店では、48時間以上かけて不純物を取り除きながらゆっくり凍らせた高純度の氷「純氷」を使用。純氷を使うと、シロップやトッピングのおいしさを、氷のやわらかな食感と共に感じることができるそう。また氷の温度は−3度〜−4℃にするこだわりようで、口の中で溶けていく感覚は、この温度が最適とのこと。温度管理の徹底がおいしいかき氷に繋がるそうです。

電動かき氷機は削るスピードが大事

電動のかき氷機に氷をセットしたらあとは削るのみ。ふわふわのかき氷を作るにはかき氷機の性能の他に、刃の状態がとても重要とのこと。特に夏場は注文が多く刃の劣化が早いため、氷の削りを安定するために刃は毎日替えているそう。

ふわふわの氷に自家製シロップがたっぷり

こだわりは氷や刃だけではありません! シロップはすべて自家製のものを使用し、唯一無二の味わいに仕上げています。中でも旬のフルーツには力を入れているそうで、早めに仕入れたものはお店で追熟して、果実の状態を見ながら適したタイミングでシロップを作っているそう。また休日はフレンチレストランやパフェ専門店に通い、ドリンクのペアリングや素材の組み合わせなどを勉強し、氷に合うシロップを日々研究しているそうです。

「こおりのショートーケーキ」以外のメニューは期間限定

そんな手間暇かけて作るかき氷はほとんどが季節限定で、定番は「こおりのショートケーキ」のみ。約3週間ごとにメニューが変わるので、いつ行っても新しい味に出会えるのが魅力です。

今回はそんな同店こだわりのかき氷の中から、僕が特におすすめしたいとっておきの2品をご紹介します。