【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#225】「タリカロ3.5」

奈良でカレーと言えばその名が真っ先に出るほどの人気店となり、世界的なレストランガイドブックにも掲載され、その後、東京・西荻窪に移転しても唯一無二の激辛カレーで、東京のカレー好き・激辛好きの心をつかみ、カレー激戦区西荻窪においても人気店となった「タリカロ」。体調の問題などで惜しまれつつ2025年1月に閉店したのですが、そのタリカロが奈良で復活しました。

2025年6月20日、グランドオープンを迎えた「タリカロ3.5」

その名も「タリカロ3.5」。3.5というのは奈良でスタートした場所が1、奈良で移転した場所が2、東京が3、そして今回が本来なら4になるわけですが、前タリカロのシェフから「料理人としてさらに進化していってほしい」との期待値の意味も込められて3.5としたそうです。

店舗は「cafe WAKAKUSA」と共同で営業

少々わかりにくいのですが、店舗は「cafe WAKAKUSA」のある場所で、cafe WAKAKUSAと共同営業。曜日や時間によってワカクサだったりタリカロだったりするという形式で、2025年6月20日にグランドオープンとなりました。

前店舗でも飾られていた「ウルトラストレッチ俳人」は新店舗でも健在!

新生タリカロのシェフは奈良在住のヴァイオリニスト。1軒目のタリカロ時代からの常連で東京へも通った方。カレーマニアというわけではなく、唯一無二のカレーであるタリカロのカレーを愛していたのが、タリカロ閉店を知り「この味を無くすわけにはいかない」ということで連絡を取ったそうです。受け継ぎたいとの声が他にもあったそうですが、東京へ通って最終的に元タリカロの店長とシェフに選ばれたとのこと。

タリカロ極意!

「奈良でタリカロの復活を待っている人が多く、その期待に応えるべくタリカロさんより伝授された調理法を手間のかかる工程も一切省略せずに、使命感を持って再現しています」と語ってくれました。

「タリカロ昼のカリープレート」

「タリカロ昼のカリープレート」1,800円は見た目からして再現度が高いです。ご飯を中心に、右から反時計回りにダル、海老カレー、チキンキーマ、チキンカレーのグレイビー、無糖ヨーグルト、副菜、チキンレッグのカレー煮込みが囲みます。

新生タリカロのチキンカレーも安定の激辛

このチキンカレーが激辛で、辛いのにおいしいではなく、辛いからこそおいしいと思える味がタリカロの特徴。辛さだけではなく、唐辛子自体の味と香りとおいしさを感じるカレーであり、味もかなりの再現度の高さです。

他のカレーや副菜もタリカロの味を正式に受け継いでいると言えるでしょう。これはきっとヴァイオリニストだからこそ。クラシックの世界は他のジャンルの音楽と比べると完全にコピーをすることがより厳しく求められる場合が少なからずあるので、そんな世界にいたからこその細かい部分までの意識があるのでしょう。

チキンレッグは、ほぐして副菜や他のカレーと合わせて食べるとおいしさ倍増

完コピ具合も素晴らしかったのですが、それだけではありません。オリジナル料理として「カリーブルスト」1,000円がありました。こちらはシェフが音楽でドイツに留学していた際に出合い、大好物となったカリーブルストを広めたいという気持ちから、タリカロのカレーに使っているスパイスでカリーブルストを作ったそうです。

「カリーブルスト」

カリーブルストは僕自身も好きでよく食べるのですが、カレーパウダーがタリカロだからこその一味違うスパイシーさでとても良いです。お酒も進む一品と感じたのですが、シェフはバーで働いていた経験もあり、お酒も一緒に楽しんでもらいたいとのこと。

「タリカロって食事という以上に体験だと思うんです。自分も客として通っていた時にそう考えていました。これからはそれを伝える側になったので、その味のみならず体験していただく機会を守っていきたいです」と、気合いの入った言葉。

僕自身、奈良にあった時からのタリカロファンの一人ですが、良い人が受け継いでくれたと感じています。奈良のタリカロファンはもちろん、全国のタリカロファンは是非、新生タリカロを体験しに行ってみてください。

※価格はすべて税込

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文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部

撮影:カレーおじさん