【噂の新店】「笄町 豪龍久保」

西麻布の名店「豪龍久保」は、最高の食材と店主・久保豪さんの巧みな料理で、予約困難な高級和食店として知られている。その「豪龍久保」が新たにオープンさせたのが、セカンドラインとも言える「笄町 豪龍久保」だ。新店舗は、コースと単品料理を組み合わせたメニュー構成と手ごろな価格と、より気軽に質の高い料理を楽しめる。

地下の階段を下る静かな立地。創業の地だけに久保さんの思い入れは深い

店内はカウンター6席のみのこぢんまりとした空間。和紙を用いたモダンなカウンターには、器好きの久保さんが収集した器が飾られ、落ち着きと気品を漂わせている。実は「笄町 豪龍久保」があるこの場所は、久保さんがかつて最初に店を開いた思い出の地。「昔からの常連さんに懐かしんでいただけたらうれしいですね」と久保さんは微笑む。

こだわりの折敷(おしき)や器の美しさが際立つ、シンプルだが上質な設え

「若手の活躍する場をつくりたい」という思いから作られた新店

「本店では、どうしても見た目が整っていないものや、価格帯の関係で扱えない食材が出てきます。でも、心を込めて育てられた食材を無駄にせず、活かせる場を作りたかった」と久保さんは語る。

右から、店主の久保豪さんと料理長の鎌田高彰さん

この思いを受けて「笄町 豪龍久保」を任されたのは、本店で久保さんの片腕として活躍した鎌田高彰さんだ。「ここは若い料理人たちの勉強の場になればと思っています。本店ではなかなか触れられないような料理も、ここなら挑戦できます。積極的に経験を積み、技を磨いて欲しいですね」と鎌田さん。