常連中心に半年以上は席が埋まっている、繰り返し食べたくなるコースの魅力に迫る
前菜2種など、一品料理から始まるコース13,000円は、串の合間に酒肴を挟んで進み、後半は串のオンパレードになる。一通りコースを食べたら、追加でコースにない部位などをオーダーすることも可能だ。
心がグッと引き込まれる、一品料理
一品料理の中で人気なのは「燻製の白レバー」。口に入れるとふんわりと薫香が広がり、とろりと口に広がるレバーのうまみと溶け合うのがたまらない。

お酒が進む、燻製が一皿になった「燻製盛り合わせ」もいい。内容はその時々で変わるが、この日はやまがた地鶏の濃厚なきんかん、こんがりと焼けた手羽、コロンとした形状のイタリアの燻製チーズ、スピッチコ。桜チップでいぶした燻製は華やかな香りが食欲をそそる。

自然豊かな農場でのびのびと育ったかすみ鴨は、深いうまみを感じさせるがきれいな味わいだ。「鴨ロース」はじっくり塊で焼き上げるので、食べた後も脂の余韻が長い。添えられた瑞々しいシイタケのスライスと一緒に食べたい。

「とり茶太郎」の名物の一つでもある「手羽飯」は、こんがりと焼き上げた手羽の中に、山椒ご飯を詰めた楽しい一品だ。カリッとした手羽の皮、ジュワッと湧き上がる甘い脂をご飯が受け止め、そこにプチプチと弾ける山椒のスパイシーさがいいアクセントになっている。

近火強火ならではの唯一無二の食感の串
地鶏やホロホロ鳥、鴨などは肉自体のうまみがそもそも濃厚にあるが、さらに長期肥育をかけることで、深い味わいが加わってくる。それを大きめのポーションで、近火の強火で一気に焼き上げた串はインパクトが絶大。ホロホロ鳥を使うことが多いという砂肝も、外側はこんがりしてコリッと小気味よい歯ごたえと、濃いうまみが広がる。

つくねには半熟のうずらの卵を添えている。生のうずらの黄身を添えないのは、つくね本来の味が、卵の黄身でコーティングされてしまうのをよしとしないからだ。そこで金子さんが編み出したのは、半熟のうずらの串を一緒に食べてもらうというアイデア。
「半熟の黄身とつくねの間を白身が上手くつないでくれるんですよ」と金子さん。

「ねぎま」では大きめポーションの鶏ももとねぎを組み合わせている。使っているのは6カ月肥育の比内地鶏だが、時によって鳥の種類は変わることも。パリッとした皮とジューシーで弾力のある肉が食べ応え十分。とろりととろけるねぎが後口をさっぱりさせてくれる。

〆の麺まで抜かりなし!
〆は鶏出汁としじみ出汁を合わせたスープのシンプルなラーメンだ。具はのり、白髪ねぎ、赤玉ねぎのみじん切りのみ。焙ったしじみご飯が添えられているのが面白く、そのまま食べてもいいが、スープを軽くかけてもいいし、最後にスープに投入してもいいという。

力強く炭火焼きの魅力を引き出す「とり茶太郎」は、数多の焼き鳥店の中でも孤高の存在だ。店主金子さんの円熟した焼き手と、素材への深いこだわりが「また食べたい」と思わせる力を放っているのだ。
現在は常連の予約で埋まってしまうことも多いが、時々は新規の募集がかかることもあるので、まめに公式サイトをのぞいてみるといいだろう。

※価格は税込



