こちらも必食! タレにスパイス、こだわり凝縮の逸品たち

食感の良さに仕入れ力を実感「ホルモン盛り合わせ」

硬くなりがちな部分にも歯が入りやすいよう、部位に合わせて丁寧に切れ込みを入れてある。「ホルモン盛り合わせ」1,500円

ホルモン好きな田中さんが「自分の出したいものをセレクトしている」と自信を持って提供しているのが「ホルモン盛り合わせ」。
この日の部位は、写真上から時計回りに、ハツモト、レバー、シマチョウ(大腸)、ノドガシラ(豚のタンの付け根あたり)、タン下、中央が上ミノ(豚の胃)。中でも珍しいノドガシラは、仕入れの際に間違って入ってきた部位だったが、食べてみたところ、クセがなくコリコリの食感が非常においしかったため、新たにラインアップに加わったそう。

シマチョウは焦がさないよう注意し、皮に火を通せばOK。タン下は焼くことで筋のうまみをより強く感じられる
 

小関さん

6種類のホルモン盛り合わせで、同店の仕入れ力を実感できます。仕入れで内容は変わりますが、私の訪問時はレバー、マルチョウ、ハツモト、ギアラ、スジ、カシラでした。レバーは鮮度良く、エッジが立っており、ザクッとした食感が楽しめます。ハツモトはチリペッパーがかかって味付けにピリッとインパクトがありました。別注の「レモン胡椒」と合わせて試してほしいです。

見た目はワサビにそっくり。爽やかな香り漂う「レモン胡椒」を添えて

ホルモン盛り合わせには、醤油、酢、ニンニク、唐辛子入りの酢ダレが無料で付くが、小関さんのおすすめはオプションの「レモン胡椒」150円。
柚子胡椒の柚子の代わりにレモンの皮を使用したもので、ピリ辛な味わいとともに愛媛から仕入れる無農薬・ノーワックスレモンの爽やかな香りがふわりと広がり、ホルモンのうまみに上品なアクセントを加えてくれる。

ご飯のお供にはセルフで焼き上げる「レバニラ」

ニラは生のまま。レバーは味噌ダレと焼肉のもみダレをミックスし、ニンニクやごまを加えた専用ダレに漬け込んであり、やや濃いめの味が付いている

中華料理でおなじみの「レバニラ炒め」とは、スタイルも味わいも違っていて、ちょっとした新発見があるのがこちらの「レバニラ」。
「ニラは焼くと甘くなっておいしいので、それを体験してもらいたかった」(田中さん)ということで、ニラとレバーを別々でセルフ焼きするスタイルに。

レバーとニラをそれぞれ自分好みの割合や焼き加減で焼く「レバニラ」1,000円

素焼きしたニラはにおいよりも甘さが際立ち、レバーの濃厚なうまみと合わさっても重さが残らないのが特徴的。

「ニンニク醤油ダレ」に付ければ、“白飯泥棒”化が加速!
 

小関さん

ここは町中華か!? 焼肉店では意外にもメニュー化が非常に少ない「レバニラ」。しかも焼き台で自分で作るタイプです。たっぷりタレのかかったレバーを軽めに焼き、ニラを投入して焼き台で混ぜて完成です。付属の「ニンニク醤油ダレ」に投入すれば、最高のご飯のお供ですね。

〆はホルモン×スパイスの本格派「もつ煮ベースのスリランカカレー」

「もつ煮ベースのスリランカカレー」1,000円。付け合わせは酢と塩、マスタードシードなどで味付けしたインドのピクルス、ニンジンのアチャール
 

小関さん

〆メニューでおすすめしたいのがこの逸品。焼肉店の〆メニューとしてカレーは一般的ですが、スリランカカレーと銘打ったカレーは珍しい部類ではないでしょうか。ホルモン×スパイスをふんだんに使用した本格派で、芳醇なスパイスの香りが口の中で広がりまくりです。サラッとしたルーで、〆にぴったりの軽さ。ぜひご賞味あれ。

モツと大根などの野菜を、醤油やかつお出汁でじっくり煮込んだ「もつ煮込み」550円は、単独でも人気のメニュー。それをスパイスたっぷりのスリランカカレーと合わせて完成したのが、大人気の〆メニュー「もつ煮ベースのスリランカカレー」。
カレーには、基本のクミンやターメリックのほか、カレーのような香ばしさを感じるカレーリーフやバニラのような香りがするパンダリーフなども加え、本場の味わいに。そこにもつ煮が加わることで、奥行きがありながらもさっぱりした風味に仕上がっている。

正肉も楽しみたい人にはサシが美しい「上ロース」

サシたっぷりの「上ロース」2,000円

サシが美しく入ったロースは、福島県の菅野牧場から仕入れているA5ランク和牛のリブロース(背中の部分)。軽く炙るだけで脂がとろけ、口の中で肉本来のうまみと脂の甘みが広がる。上には基本の焼肉のもみダレと、リンゴや玉ねぎを醤油で煮込んだタレの2種類をかけ、濃厚な脂にも負けない強めの味つけにしている。

軽く両面を焼き、別皿で提供されるタレに付けてから再度焼くと短時間で味が入り、ご飯が進む味わいに

肉の焼き方は基本的には自由だが、おすすめの焼き方も説明してくれる。
脂がのったリブロースは、両面を軽く焼いた後、一旦タレにつけてから再度焼くと肉のうまみを逃さず、タレの味が入りやすくなる。また、焼き加減は焦がさず火を通す程度にしたほうが、脂の重さを感じずスッととろける味わいを楽しめる。

豊富な単品メニューのほかに「たぬきおまかせコース」5,500円も人気

ホルモンから正肉、〆メニューまで、ハイクオリティな味がそろう「焼肉たぬき」。

いい仕入れ先を確保しているだけでなく、醤油は丸大豆醤油、塩は天然塩を7種使い分けし、野菜はすべて無農薬と、あらゆる素材を厳選。
「自分が食べさせたいと思うものを召し上がっていただきたいので、今後も丁寧な仕込みを続けていきます。タレにも余分な人工物は入れていないので、女性にもうれしいかなと思います」と田中さん。
今後、リピーターの急増が予想されるので、予約が取れなくなる前に足を運んでみてほしい。

※価格はすべて税込

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文:當間優子、食べログマガジン編集部 撮影:ジェイムス・オザワ