〈遠くても食べたい味〉

年間の外食は1,500軒以上! 令和のグルメ王、浜崎龍がわざわざ旅をしてでも行く価値があるお店を紹介します。今回は、茨城県にある焼肉「極み焼肉ホルモン 清司」です。

教えてくれる人

浜崎龍

グルメメディア「TERIYAKI」や国内最大規模のグルメオンラインサロン「TERIYAKI美食倶楽部」の運営を行う、テリヤキ株式会社の代表を務める。大学生時代から幅広く食べ歩きを行い、ラーメンから高級フレンチまで年間1,500軒以上も飲食店を巡り歩く。ジャンル問わず、日頃全国の「おいしい」を求めており、北海道の端から沖縄、はたまた世界中まで飛び回る。レストランとのイベント企画も手がけ、飲食に対する新たな可能性を日夜見いだす。メディア掲載、マガジンハウス「Hanako」など。

極み焼肉ホルモン 清司

外観 写真:浜崎龍

茨城県石岡市、駅から徒歩わずか3分。そこに佇む「極み焼肉ホルモン 清司」は、焼肉通の間で密かに話題を呼んでいる隠れた名店だ。一見すると入り口が見当たらないが、階段を下りた地下1階に店舗を構える。この独特な雰囲気が、訪れる者の期待を一層高める。

個室
個室   写真:お店から

店内はテーブル席や個室、さらにはテラス席も用意され、さまざまなシーンに対応。ゴルフ場も近いため、プレー後の腹ごしらえに立ち寄る客も多いという。

写真:浜崎龍

「清司」の真骨頂は、何と言ってもその肉質にある。黒毛和牛はもちろんのこと、地元石岡市が誇る銘柄豚「弓豚」にも注目だ。知る人ぞ知る逸品であるにもかかわらず、PRの不足からか、その名は未だ広く知られていない。

「神のレバー」 写真:浜崎龍

店の看板メニュー「神のレバー」は、その名に恥じない一品。市場から仕入れたレバーを使用し、新鮮さゆえの絶妙な食感とうまみを堪能できる。特筆すべきは上ミノ。その歯切れの良さから「墨烏賊を連想させる」との声も。衝撃のおいしさと評する人も少なくない。

「フエガラミ」 写真:浜崎龍

希少部位にも注目したい。「フエガラミ」は1頭から約60gしか取れない豚の希少部位。コリコリとした食感と濃厚な旨みが特徴だ。牛タン下も絶品で、うまみをたっぷりと感じられる。

締めくくりには、サムギョプサルで野菜をたっぷり摂取し、旨辛の野菜ちゃんぽんで〆るのがおすすめ。ドリンクも充実しており、特に熱燗の日本酒が店主イチオシ。ビールや焼酎と共に、料理の味を引き立てる。

写真:浜崎龍

「極み焼肉ホルモン 清司」の真髄は、新鮮で丁寧に処理されたホルモンにある。一つ一つの部位に対する店主のこだわりと技術が、唯一無二の味わいを生み出している。

石岡を訪れる機会があれば、足を運んでみてはいかがだろうか。焼肉好きなら誰もが満足する、極上の一皿が待っている。ただし、その人気ゆえ予約は必須。

地方の隠れた名店が、全国区の人気を博す日も近いかもしれない。そう思わせる魅力に溢れた「極み焼肉ホルモン 清司」。


文:浜崎龍、食べログマガジン編集部