【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#180】「スパイス欧風カレー PAIKAJI」

石垣島の「ビストロスマイル」が、店名を「スパイス欧風カレー PAIKAJI」と変えてカレーメインのお店に業態変更し、2024年8月8日、東郷公園の隣にオープンしました。過去に本連載でもご紹介した「石垣島カレー南風」と統合した形とも言えます。

シェフは和食から料理人人生をスタートし、ホテルのレストランで洋食を中心に修業した後、石垣島でパンとサンドイッチのお店をスタート。その後「ビストロスマイル」としてビストロに業態変更しカレーも話題となり、ビストロスマイルと並行する形で東京・新橋で間借りカレー店「南風」をスタート。カレーイベントなどにも出店した後、ビストロスマイルと南風が統合する形で独立店舗としてこちらに移転オープンしたという経緯。

2024年8月8日、市ケ谷駅近くにオープンした「スパイス欧風カレー PAIKAJI」

リゾート地である石垣島の白い砂浜と青い海を思わせるような彩色の店内は公園から見える緑もあいまって非常にくつろげる空間となっています。メニューはカレー中心ですがカレーが苦手な方のためにハッシュドビーフや、ビストロ時代から人気だったハンバーグもあります。

店内はカウンターとテーブル席も用意

今回は「ラムポークキーマ&ピパーツカレー」1,300円に「バーグカツ」700円と「チーズ」100円をトッピングしたものをご飯少なめでオーダー。

食事の前にフォンが提供されるという粋なサービス

まず最初にフォンが出てくるのがとても楽しいです。4日間かけて丁寧に作るフォンは塩も入れていないのに十分なおいしさで、これを最初に味わえるのはこの後に出てくるカレーの期待感を膨らませる素敵なサービスと言えるでしょう。

「ラムポークキーマ&ピパーツカレー」、トッピングの「チーズ」と「バーグカツ」をチョイス

期待が高まったところでカレー。ピパーツ(ヒハツ、ヒバーチなどとも呼ばれる島コショウ)のフルーティな刺激が印象的なグレイビーは、島パインも隠し味となって程よい甘みと酸味が印象的。焼きを入れた鶏ガラと牛すじの香りとうまみにスパイスの香りの相乗効果。欧風とありますがカレーに小麦粉は使わず、フォンを使用するのが西洋料理的なので「スパイス欧風カレー」というわけです。

ラムポークキーマも仔羊と豚の肉のおいしさが堪能できる仕上がり。良い部分のクセは残しつつ、苦手な方が多い部分のクセは感じさせないという絶妙の着地点にシェフの力量がうかがえます。

こんがりと焼き色のついたチーズ

チーズは通常100円ですがSNS投稿サービスで無料に。こちらにも軽く焼きを入れてある丁寧な仕事ぶり。付け合わせのピクルスにはゴーヤも含まれており、ここにも感じる南の島の雰囲気にお店の姿勢が感じられます。

薄い衣が特徴的なバーグカツ
カレーと一緒に食べれば、うまさ倍増!

バーグカツはハンバーグをカツにしたもの。つまりはメンチカツなのですが、薄い衣で上品に揚げられたバーグカツはメンチカツのイメージとは一線を画す仕上がり。肉を食べているという満足感を得られながらも重くない絶品で、肉好きなら必須のトッピングです。

「石垣島産はちみつアイス」

食後に「石垣島産はちみつアイス」600円も。素材の良さを感じさせる自家製アイスクリームに柔らかく華やかな石垣島のはちみつをかけたもので、完璧なデザートでした。

欧風カレーともスパイスカレーとも違う欧風スパイスカレー。随所に石垣島を感じさせる料理は、東京のカレー界に文字通り「南風(ぱいかじ)」を吹かせてくれそうな存在です。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部