【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#171】「カレースイセイ」
カレー激戦区のひとつ高円寺。近年は特に間借りカレーのお店が多く、間借りカレー店が日によって入れ替わりで営業している場所もあります。そんな高円寺に2024年4月28日にオープンした間借りカレー店「カレースイセイ」。
シェフは大学生の頃から間借りカレー店を営み、インド料理やスパイスカレーの名店でも勤務経験のある若きカレー料理人。こちらの場所でも以前「カナ マカナン」という店名で営業していたのですが、時を経て帰ってきた形になります。
注文方法は、メニューからおかずを選び、それにカレーソースがかかるという方式です。今回は「おかず2種カレー」1,500円を注文。2種はレギュラーメニューから、紅焼肉カレーと、週替わり限定メニューのマレーシア風フライドチキンライスを選択。副菜とクルプック(えびせん)も一緒に盛り付けたワンプレートは、見た目からしてアジアな雰囲気。
アジアと言っても広いですが、カレースイセイのプレートはシンガポールの屋台メシ「海南咖喱飯(ハイナンカレーライス)」を元にしています。カレーソースは香港のカフェレストラン「茶餐廳(チャチャンテン)」のカレーのような雰囲気もあり、シンガポールにしろ香港にしろ中華圏の食文化とイギリス植民地時代のインドに由来するスパイス文化のハイブリッドが今に残る形であり、それを日本で食べられるお店は希有。個人的にシンガポールも香港も大好きなので、うれしくなってしまうワンプレートです。
レギュラーおかずの紅焼肉カレーは八角やシナモンの甘やかな香りをまとい、豚肉のおいしさを存分に堪能できます。カレーソースとは違う味なので、これをのせることでカレー自体にも深みと変化が出るのがとても良いです。
限定おかずのマレーシア風フライドチキンは、シェフがマレーシアへ行った時に食べたという世界的フライドチキンチェーンのマレーシア限定メニューが元になっているそうで、チキン自体の程よいスパイス感と鶏肉のうまみが染み込んだご飯がプレートのおいしさを根底から支えつつ持ち上げるような仕上がりとなっていました。
食後に「レモングラスライムソーダ」400円も。ライムの爽やかなテイストとレモングラスの香りでリラックス。
今後はカナ マカナン時代の人気メニューだったホロホロビーフカリーなどもおかずに加えていきたいとのことで期待が高まります。あれ、本当においしかったんですよ。
現地料理のオーセンティックなテイストを出しつつも、それを独自の表現で仕上げることが得意なシェフ。店舗は日曜昼の限定営業ですが、イベント出店などもしています。詳しくはお店のSNSをご覧ください。営業日数は少ないですが、タイミングが合えば食べて損なしです。