〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

豚骨 蒼翔(東京・東高円寺)

写真:お店から

2024年5月、東高円寺駅から徒歩2分ほどの場所に、スッキリと飲みやすくうまみを感じる豚骨ラーメンを提供する「豚骨 蒼翔」がオープンしました。立川にある濃厚で食べやすい家系豚骨ラーメンが人気の「らーめん ぱったぱた」の2号店となります。

店長の丸田拓馬氏は青森出身。大学進学の際に上京し、初めて家系ラーメンというものを食べ「こんなにうまい食べ物が世の中に存在するのか」と衝撃を受けたそう。気づけばお店の常連になっていて、大学卒業後そのまま就職。そこで2年間の修業をし、5年間は店長としてスープの味を磨き続けます。ある日、働いていたラーメン屋に突然トラックが激突し、数カ月ラーメンを作れないという期間を経験。「自分はやっぱりラーメンを作るのが大好きだ」「自分のラーメンが世界一好きだ」と再認識し、独立を決意したそうです。

店主の丸田 拓馬氏 写真:お店から

最初の店をオープンしたのは、立川市の羽衣町。住宅街で店はそれほど多くないエリアです。ここにお客さんを呼べたらどこでもできる、と覚悟を決め、2020年4月に「横浜家系ラーメン ぱたぱた家」(のちに「らーめん ぱったぱた」に改名)をオープン。コロナ禍で毎日悩みながらの営業でしたが、やれることを精一杯やり続け、現在ではリピーターも多くいる人気店となりました。

店名にも使われている「蒼」の深青色を随所に配色 写真:お店から

2店舗目となる「豚骨 蒼翔」の出店のきっかけの一つ目は、仲間が増えたことだそう。「らーめん ぱったぱた」は何もかも一人で準備して始めたお店だったが、今では沢山の仲間ができ、ありがたさをいつも感じている、と丸田氏は話します。「家族、従業員、お客様、半径5メートル以内の人たちをもっと豊かにしたい」。そのためには、「もっと稼いでその価値をみんなに提供していきたい」という思いを持ったそう。

二つ目は、昨年初めて新宿で「大つけ麺博 Presents 日本ラーメン大百科」という催事に出店したこと。普段届けられない人たちにラーメンを届けられた経験が、自身の中でかけがえのないものとなったそうです。もっとたくさんの人にラーメンを食べてもらい喜んで欲しい、と思うようになり、都心にほど近い高円寺という地を新たに選びました。

こだわりの詰まった一杯 写真:お店から

そして三つ目は、自分のラーメンを作りたいということ。「らーめん ぱったぱた」でたくさんの経験を積み、いろいろな人たちからの助力を受け、少しずつ考え方が変わっていったと言います。次の店は家系ラーメンとの出会いに感謝しつつも、その枠にとらわれすぎない自分のラーメンを作りたい、と思うように。

スッキリとしたカウンター席 写真:お店から

新店舗の店名「蒼翔」には「『らーめん ぱったぱた』よりさらに大きく空を羽ばたいていけるようになりたい」という思いが込められています。
木の温かみのある店内は、カウンターのタイルなどに「蒼」を配色。落ち着いたつくりになっていて、女性一人でも入りやすい雰囲気です。清潔感のあるスッキリとした空間に、客席はカウンター11席と4名用のテーブルが1卓あります。

麺ふくろー
スープとよく絡む中太麺を使用   出典:麺ふくろーさん

豚ゲンコツと背ガラを煮込み続けた醤油豚骨スープは、香りも良くまろやか。濃厚すぎず、鶏油やカエシのバランスが完璧でおいしい!と最後まで飲み干す人が多いようです。麺は三河屋製麺の中太麺を使用。国産小麦100%で、モチモチとした食感でスープともよく絡みます。

特製ラーメン 写真:お店から

おすすめは「特製ラーメン」(1,550円)で、3種のチャーシュー(数日間熟成させたモモ肉の吊るし焼き・肩ロースの炭火焼き・煮豚のバラ肉)が楽しめます。さらにパリッとして密度の濃い極上のりと半熟の味玉、毎日手包みしている生姜の利いた自家製ワンタンがついていてお得に楽しめます!

ワンタンチャーシューメン 写真:お店から

「ワンタンチャーシューメン」(1,550円)はワンタン4個、チャーシュー4枚(3種)がトッピングされたボリュームたっぷりの一杯。ガッツリ食べたい人におすすめのメニューです。

東高円寺に誕生した新店。家系ラーメンに魅せられ、ラーメンを愛し続ける店主によるこだわりの一杯を味わいに、足を運んでみてはいかがでしょう。

食べログレビュアーのコメント

デイルス・マイビス
特製ラーメン   出典:デイルス・マイビスさん

『「特製ラーメン」

スープはマイルドで飲みやすい豚骨醤油。
醤油も家系にしてはショッパ過ぎず、バランス良いです。

しかし後半、底の方のスープは豚骨感がより濃密に。
唇がペタペタするほどなので、最初軽いと思ったら早めに混ぜるのが良いと思います。

麺は軽くちぢれた平打ち中太麺。
国産小麦100%で酒井とはまた違ったモチモチ食感です。

「ぱったぱた」でも人気のチャーシューはどれも大き目。
熟成肉吊るし焼モモは水分の抜けて旨味が凝縮され、燻製香も豊かです。

ワンタンはお祝いの花も来ている「はやしまる」仕込み。
生姜の効いた餡がムチムチで美味しいです。

特上海苔はパリパリで風味が良く、結構な存在感。
店主さんによれば、「ぱったぱた」の倍くらいする海苔だそうです。

これに味玉、青菜まで付いて相当なごちそう感。
ワンタンも肉も旨いので特製にする価値があり、1500円は相当CP高いと思います。

ベースは家系でも、食材のこだわりが感じられる極上の一杯。
「豚骨醤油」の可能性を見せつけられました』(デイルス・マイビスさん)

マーコラーメン
ワンタンメン+味玉   出典:マーコラーメンさん

『メニュー構成は家系ラーメン一本勝負だが、なんと言っても今回の目玉は家系ラーメンでは類を見ない、毎日手包みをされているというワンタンメンだ。

さて実食してみると・・・「優勝」である。そう、一口目から「ぬおおおおおおお美味すぎ晋作!の高円寺武道会優勝」なのである。

「ここしかないっ!!」といった絶妙な豚骨ボディブロー感にしっかり鶏油!しっかり醤油感!で、まさに醤油・スープ、鶏油が立体的な味わいを完成させ、そして全てがしっかり主張してくる強烈なバランス力を持ち合わせた逸品で、一口目から絶対にレンゲが止まらない状態MAXに!!!

また、三河屋製麺の麺に関しては、もはや説明がいらない戦闘力で、スープと並行してW表彰台となる。

【総括】
超注目の新店および超ネタ度に恥じない、一言で言及するならば超優勝級の一杯でギガMAX満足の一軒であった。
尚、上記で触れ忘れたが名物のワンタンは「肉ギュぅ~~~~~~」で、やはり戦闘力は言うまでもなく高かった(笑)』(マーコラーメンさん)

※価格はすべて税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文:佐藤明日香、食べログマガジン編集部