定食王が今日も行く!Vol.44

この定食屋がある街に住みたい!ファンを増やし続ける肉野菜炒めの秘密

高田馬場の超ディープビル

レトロでカッコいい洋食スタンド

 

 

「洋庖丁」は板橋に本店を構える創業40年以上続く老舗の洋食店。池袋、板橋、大山、高田馬場など都内に数店舗をチェーン展開している隠れた人気店だ。それぞれの店舗で、メニューは似ているが外観などが異なる個性を発しているため、それぞれの店にファンがいるという。

今回紹介するのは、高田馬場店だ。個人的には池袋店をよく利用していたのだが、高田馬場店はそのロケーションといい、佇まい、店舗のデザインの唯一無二でレトロなカッコよさに、初来訪の時にガツンっとノックアウトされてしまった。

ミントグリーンの外壁にオレンジ枠の看板。中に入るとライオンの紋章のようなものがカウンターの上部に飾られている。創業当時の洋食のイメージとはこんな感じだったのかもしれない。

「オリジナルキッチンハウス 昭和の定食屋 洋庖丁」とあるように、老舗の大衆食堂にあるような定番のメニューはあまりない。独自のメニュー開発に力を入れて来たため、ここでしか食べられない料理にハマる熱狂的なファンが多く、学生時代から10年以上たっても通っている人もいるとか。

1日50食の定番人気No.1

究極の肉野菜炒め、スタミナ焼!

 

この店のNo.1人気メニューといえば「スタミナ焼」定食だ。ご飯は国産米、お味噌汁は具沢山な豚汁、お新香もついて、定食としてのクオリティも高い。

一見、ただの肉野菜炒めなのだが、肉と野菜を良質なラードで炒め、特製の「焼肉のタレ」、にんにく、生姜で味付けをしている。最後に生卵をトッピング。これをかき混ぜて食べることで、「すき焼き」を食べているような食感と味わいを感じられる、というのが、このメニューのコンセプトらしい。この店特製の「焼肉のタレ」は醤油ベースにケチャップ、にんにく、生姜、そして味噌を合わせて調理しているそうだ。強火で炒めた肉野菜を、薄めたタレで煮詰めるようにして味をまんべんなく馴染ませている。

焼肉のバリエーションも豊富!

カリージャワ焼肉、からし焼肉も

 

この店のもう一つの定番メニューに「からし焼肉」定食がある。バラ肉に塩とにんにくで炒めたシンプルながら人気の一品だ。しかし個人的なオススメは「カリージャワ焼肉」だ。

バラ肉に細切りにしたピーマンと玉ねぎをジャワカレー粉で炒め、料理酒でフランベして熱々で提供される。ご飯に合わないはずがない! 付け合わせのパスタもカレー味で、ピリリッとスパイスが効いている。

 

この店のメニューのほとんどが肉炒め、肉野菜炒めだが、その味付けの独創性から、チェーン展開をしながら40年以上熱狂的なファンたちに支持され続けている。その陰には注文を受けてから調理を開始し、圧倒的に短い時間で料理を提供している。可能な限り一人前ずつ調理することで味を安定させるなど、隠れたプロ意識や努力がうかがえる。

 

プロ意識と独創性が詰まった、肉野菜炒めのワンダーランド。一度迷い込んでみては?