和食・日本料理店と言えば、憧れの名店や高級店も多く、ハレの日に食べに行く外食ジャンルの一つという人も多いのでは? だけど日本人にとって馴染み深い料理だからこそ、定期的に通えるお店をストックしておきたい! そこで今回は、フードライターの森脇慶子さんに、日常使いに最適な都内の和食店を教えてもらいました。

教えてくれる人

森脇慶子

「dancyu」や女性誌、グルメサイトなどで広く活躍するフードライター。感動の一皿との出合いを求めて、取材はもちろんプライベートでも食べ歩きを欠かさない。特に食指が動く料理はスープ。著書に「東京最高のレストラン(共著)」(ぴあ)、「行列レストランのまかないレシピ」(ぴあ)ほか。

フードライター森脇慶子が推す、コース税込1万円台の和食5選

1. 「食堂うゆき」(浅草)コース:13,200円

撮影:齋藤ジン
 

森脇さん

浅草は観音裏に潜む優良店。ご主人の金澤祐樹さんは、イタリアンの経験もある異色の経歴の持ち主です。今年から値上げしたとはいえ、コース13,200円はお値打ち。旬の食材を巧みに取り入れた料理は、シンプルを身上とするご主人の美学を偲ばせます。

2. 「馳走 とりの巣」(大門)コース:13,200円

「おまかせコース」
「おまかせコース」   写真:お店から
 

森脇さん

名物“鯖の棒寿司”をはじめ、タラバ蟹のお造りや鰻の酒塩焼きなどが続くコースの料理は、ボリュームも満点。ご主人の気さくな応対は一見さんでも気兼ねなく楽しめます。八寸仕立てのデザート盛り合わせは、甘いもの好きな人に好評です。

写真:お店から

3. 「東山無垢」(中目黒)コース:16,500円

撮影:佐藤潮
 

森脇さん

無垢と名付けた店名通り、無駄を削ぎ落としたコースの一皿一皿は、潔く繊細。「華美に仕立てるのではなく、普段食べているものをより上質にした料理を作っていきたい」とご主人の三島立己さん。正統派でいて時に遊び心を感じさせる味も、客の舌を楽しませてくれます。

4. 「仁行」(浅草)コース:11,000円

撮影:外山温子
 

森脇さん

群馬・富岡、茨城・笠間と各地でそばを打ち続けてきた伝説のそば職人、石井仁氏が8年ぶりに帰京し、浅草で始めたそば割烹。素麺もかくやと思わせる極細の十割そばは、喉越しの軽やかさが持ち味。だしに徹底した料理も出色のおいしさです。

5. 「おか崎」(銀座)コース:19,800円

やっぱり蕎麦
出典:やっぱり蕎麦さん
 

森脇さん

2024年4月、中目黒から銀座に移転。リスタートした肉割烹です。藁焼きにしたタンをはじめ、〆のヒレの炭火焼きステーキに至るまで、ハツやカイノミ、肩三角など牛の各部位を串焼きで提供。赤身のおいしさにシフトした肉選びと味の緩急の付け方はさすが。最後まで舌を飽きさせません。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。 

文:森脇慶子、食べログマガジン編集部