教えてくれる人

マッキー牧元
株式会社味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食いそばから割烹、フレンチ、エスニック、スイーツに居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ・テレビ出演。とんかつブームの火付役とも言える「東京とんかつ会議」のメンバー。テレビ、雑誌などでもとんかつ関連の企画に多数出演。

山形でマッキー牧元さんの心を打った2軒とは?

三幸

ここは山形市の地元民が愛する洋食屋である。店に入ると満席で、家族連れや男性同士がいる。メニューは、他の洋食屋と変わりない。

リコスケ
外観   出典:リコスケさん

そこでメンチカツ、カキフライ、生姜焼きに、ハラミステーキ130g、ラーメンと半カレーを頼んだ。男4人で平らげるので、やや少ないかなと思って店員に聞くと「ちょうどいい量でしょう」と、自信たっぷりで返された。

まずメンチカツが来て、圧倒する。
皿の上でそびえたっているではないか。

Dr. イトウ
カキフライ   出典:Dr. イトウさん

続いて運ばれたカキフライは、大ぶりな牡蠣が2個寄り添い合い、その姿はストーンヘンジである。
さらに生姜焼きはポークソテーのように厚く、噛む喜びを与えてくれる。
ハラミステーキは、200gにしたかったが130gで正解である。

量が多いだけではない。
メンチカツは肉汁に満ち、カキフライは海の甘いエキスが溢れ、ポークソテーは豚の脂の香りと甘辛い生姜ソースが絡み合い、ハラミステーキは牛肉の香りに満ちて、これはビールを飲んでいる場合ではない。大至急ご飯である。

ラーメン

ご飯であるがラーメンと半カレーを頼んでしまっている関係上、ぐっと我慢をしてビールを煽る。昭和の味がするラーメンは、見た目以上に麺が多い。

半カレー

あまつさえ、半カレーもどこが半分?というお姿である。
このカレー、一見懐かしの家庭風、もしくは林間学校最後の日に出たどろり系日本的カレーなのだが、クミンやコリアンダーが利いていてクセになる。

山形の人たちが大食いなのかは知らないが、量は正義と言う潔さにすっかり惚れちまったのだな。