【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#161】「HUTCHERSON(ハッチャーソン)」

今回は人気店出身シェフによる新店舗をご紹介しましょう。世田谷駅近くに2024年1月24日にオープンした「HUTCHERSON」。世田谷の新店舗と言えば先日ご紹介した「ルビーマーレー」も記憶に新しいところですが、ほぼ同時期にオープンしたお店です。

↓ルービーマーレーの紹介記事はこちら

トンネルのような入り口

「HUTCHERSON」のシェフは大阪発の大人気店「旧ヤム邸」系列の東京のお店で2年、その前にもカレーのお店(現在は閉店してしまいましたが個人的に好きなお店でした)で腕を振るっていた方。

カウンターにはスパイスがずらり

階段を上って店内に入ると深緑のタイルが印象的でシックな装い。スパイスが並べられたカウンター席の他にテーブル席もあり、一人でも複数でも楽しめそう。

メニューを見るとカレーライスのみならず前菜的なメニューからデザートまで充実。せっかくなので前菜、カレー、デザートと全部楽しみました。

「桜海老とケールの春巻 トマトチャトニ」

まずは「桜海老とケールの春巻 トマトチャトニ」450円を。青汁の材料として使われることも多いケールの味わいと桜海老の食感、うまみが調和し、トマトチャトニをつけて食べるあたりにカレーのお店ならではの楽しさもあります。

パリパリの皮の中には具材がぎっしり

カレーはチキン、キーマ、ポーク、シーフード、マトンがあり、その内容が随時入れ替わっていく形。マトンがビーフになったりポークが2種になったりすることもあるそうです。創業時から変わっていないメニューはポークのカツビンダルーのみで、他は一期一会のメニューとなるとのこと。

「カツビンダルー」

定番の「カツビンダルー」1,300円はきめ細かい衣に包まれさっくりと揚がったカツがご飯の上にのり、ビンダルーらしく酸味が印象的なカレーがカツにかからない形で盛り付けられ、スタイリッシュなルックスのカツカレーとなっています。程よい厚みのカツをカレーにつけながら食べていけばスプーンが止まらないおいしさ。

褐色のビンダルーと黄金色のカツのコントラストが美しい

ビンダルーとはインド南西部のゴア地方の名物料理で、通常はカツではなくビネガーでマリネした豚肉を煮込んだカレーなのですが、それを分解再構築した形とも言え、楽しさとおいしさを兼ね備えた逸品となっています。

「マトンカレー レモンと胡瓜のライタソース」

「マトンカレー レモンと胡瓜のライタソース」1,350円も良いですよ。レモンのほろ苦さと酸味、ヨーグルトの甘やかで穏やかな酸味が調和するカレーで、こちらも重厚なパンチがありながら同時に爽やかであるというアウフヘーベンを成立させています。

酸味とほろ苦さが後を引く一皿

あいがけは無いのですが、一皿で成立する味なのでこれは一品をしっかり楽しむべきカレーライス。他が気になれば2皿食べるか、またお店に行けば良いのです。

デザートに「甘酒と黒糖のアイスクリーム ムング豆の餡」400円と「ホットチャイ」500円を合わせて。

「甘酒と黒糖のアイスクリーム ムング豆の餡」

甘酒、黒糖、あんこと和風ですがあんこの豆が小豆ではなくインド料理でよく使われるムング豆で作られた餡というのが気が利いています。前菜同様カレーのお店ならではの工夫があり、そこがとても良いのです。

「ホットチャイ」

チャイはシンプルイズベストな仕上がりで、前菜、カレー、デザートと楽しんだ締めくくりをより優しく包んでくれるようなテイスト。

名店出身シェフのお店といっても色々で、修業先の料理とあまり変わりばえのないものを出すお店も少なからずあります。それはそれで再現性は素晴らしいと思うのですが、どうせなら修業先での経験を活かした上でオンリーワンの個性を見せてほしいところ。

そういう意味でも「HUTCHERSON」は修業先の良さを踏まえつつ個性ある料理がいただける期待の新店舗であり、エリックサウス出身の「ルビーマーレー」と共に、世田谷のカレーを熱く盛り上げてくれそうですね。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部