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おいしいのはピッツァだけじゃない! 大満足のフルコース
「マルゲリータ」の後は本日の前菜2品。一つはシロップで煮込んだ高知産の白茄子とイタリアF.A.C.社製のスライサーで薄く切った口溶けの良い生ハムを組み合わせたみずみずしい前菜です。
もう一つは「ブルスケッタ」です。「ブルスケッタ」とはスライスしたパンに具材をのせたイタリア料理の軽食ですが、パンと思いきやピッツァ生地を再発酵させて窯焼きしたバゲット形のピッツァと言うから驚きです。一口サイズながら食感の妙は感動的!
高橋さん
最高のマルゲリータの後に出す料理はハードルが高くなるはずなのに、そんなこと微塵も思わせない前菜の2品です。見た目はお馴染み料理なのに味はまったく違う。この後の料理を期待させてくれます。
本日は里芋、椎茸、オクラ、新玉ねぎ、ホワイトアスパラ、ブリのたたきなど9種類の具材をキャベツで巻いたテリーヌです。色彩の美しさ、食感の楽しさは野菜のテリーヌならでは。ソースは自家製マヨネーズとチーズをベースにした「ヴィネグレットセザール」。繊細な野菜の味にコクのパンチを利かせます。
高橋さん
まさかピッツェリアで野菜のテリーヌが食べられるとは思いませんでした。野菜本来の味を楽しませながら、ブリのたたきを入れてしまう遊び心もある。こんな形で野菜がたっぷり食べられるなんて「マルゲリータ」に続き、ガッツリ胃袋を掴まれました。
四万十鶏と生黒胡椒のピッツァ
「マルゲリータ以外は変わり種です。五味をバランスよく味わえるように具材を組み合わせています」と山田さん。シチリアのツナと自家製マヨネーズとケッパーとチーズを合わせたトンナートソース、具材は四万十鶏のもも肉、塩漬けした生黒胡椒、海苔、梅干しをのせています。
高橋さん
海苔と梅干しが利いてかなり和風な味わいにトンナートソースもマヨネーズ味でまったりしたところに生胡椒がピリリと味を締めてくれます。鶏肉はプリンとした弾力でしっとりジューシーなのは窯焼きの力ですね。
白子とずわい蟹のグラタン
本日の季節の窯焼きは「白子とずわい蟹のグラタン」です。冬のおいしい食材の代表である白子とずわい蟹というW主役の登場にワクワクが止まりません。ところが中から顔を出したレンコンが主役の座をあっさり奪い取るほどの威力を発揮するのです。レンコンの食感、白子のミルキーさ、ずわい蟹の風味の三位一体はずるい! 熱々ホクホクとろとろの最強な一皿です。
高橋さん
料理名を聞いただけで絶対においしいに決まってると思いましたが、味わいはさらに上をいきました。食材の持ち味を完璧に生かした塩加減が素晴らしい!
伊勢海老のアメリケーヌソースのピッツァ
伊勢海老のアメリケーヌソースが主役のピッツァは伊勢海老の香ばしさが際立ちます。トッピングはスライスしたニンニクとバジルのみのシンプルピッツァです。グラタンの後にこういうメリハリのある味をもってくるのがニクイ!
高橋さん
チーズがないのでダイレクトにソースと生地の味が伝わるごまかしの利かないピッツァですが、ソース作りも本当に丁寧。甲殻類の風味を見事に引き出しています。
衝撃的なハンバーグ!
本日の肉料理は「ハンバーグ」です。タネには肉の甘みと食感を際立たせたいと、和牛と黒豚の超粗挽きを使っています。作り置きはせず、提供時間から逆算して成形します。
成形したらはじめに焼き目をつけてから窯焼きします。レストランで使用するオーブンの温度は最高でも300℃程度ですが山田さんの窯は常に500℃以上。注意して焼かないとすぐに焦げてしまいます。
だから窯で焼く時間はほんの少し。じっくり休ませながら中心まで火を入れ、仕上げに窯の中で高くあげて薪の香りをまとわせます。
ソースはハンバーグの肉汁が残ったフライパンに赤ワインを入れて煮詰めたもの。
サフランリゾットの上にハンバーグをのせ、ソースをかけたら最後に目玉焼きをトッピングして黒胡椒を削りかけたら完成。このビジュアルにときめかないわけがありません。
徳島県「たむらの卵(濃密)」は黄身の色が濃く、赤ワインソースに負けない力強い味わいです。こんもりとした黄身を割り、ハンバーグとソースに絡めて食すと至福の瞬間が訪れます。
高橋さん
ハンバーグはものすごい弾力があり、噛めば噛むほど肉の甘みを感じます。山田さんは味の構築が上手。ソースも黒胡椒も何気なくかけているようですが、実はちゃんと計算された完璧な量なのです。
クワトロフォルマッジョといちごのピッツァ
ピッツァの定番メニュー「クワトロフォルマッジョ」にいちごをのせ、リンゴのバルサミコ酢をかけています。デザートピッツァかと思いきや、いちごは甘みより酸味が強く、4種のチーズの香りや塩味の複雑味もしっかり食事系ピッツァです。
高橋さん
本当にこの生地は圧倒的においしい! 粉の配合、練り、成形、焼く温度、この4つをとことん追求した結果、今の生地になったそう。どんな具材をのせてもおいしくなる魔法の生地でレシピは無限大に広がります。
自家製ティラミスとガトーショコラ
デザートは自家製のティラミスとガトーショコラを重ね、上には熊の最中をのせて。「テアトロアッカ」へのオマージュです。
高橋さん
デザートはしっかり甘いけどボリュームが抑えられているのでペロリと完食できます。熊の最中も口直しにちょうどいい!
大人たちをピッツェリアに呼び戻す!
「ピッツァの魅力は具材も形も自由自在なこと」と話す山田さん。ピッツァは玉城シェフ、イタリア料理は原シェフを師と仰ぎ、両シェフの薫陶を受けつつも独自の味を創りだしました。また残った生地を粉砕して衣やトッピングなどの料理に使うことで1人1枚ずつ4種類のピッツァを提供するフルコーススタイルを実現、高級イメージがなかったピッツァのステイタスをあげたのです。
ピッツェリアに行くことを諦めていた大人たちへ。もう諦めなくていい! 一人で存分にピッツァを楽しめます!
※価格はすべて税込