横浜みなとみらいにオープンしたのは、奥野義幸シェフと米澤文雄シェフという大人気店を率いるふたりがメニュー監修をしているという超スペシャル級の店。しかもメニューは両名が創り出した中東料理とイタリア料理を融合させた新ジャンル! これは絶対に見逃せない!
横浜みなとみらいに食のニュースポットが誕生!
再開発が進み活気に満ちてきた横浜みなとみらい地区。昨年開業した「ウェスティンホテル横浜」の隣にオープンした、“暮らし”を提案する商業施設「LIVINGTOWN みなとみらい」の中に「トラットリア タブレ」があります。目の前は広々とした芝生が広がり、周りは車のショールームや住宅展示場と都内ではなかなかお目にかかれない環境です。
中へ入るとゆとりある空間に66席、個室も完備し、お子様連れはもちろん、さまざまなシチュエーションで利用できます。海外のレストランと同じくらい天井が高く、座っていて本当に気持ちがいい!
こんな素敵な空間で供されるのは「中東イタリアン」。さて、聞いたことがないこのジャンル、創ったのは国内外に7店舗を持つ「ラ・ブリアンツァ」グループのオーナーシェフ奥野義幸さんと、NYの「Jean-Georges」で日本人初のスーシェフとなり「Jean-Georges Tokyo」「The Burn」などで料理長を歴任、現在は「No Code」のオーナーシェフである米澤文雄さんという、いま、最も輝き、東京のレストラン界をリードしているふたりなのです。
超多忙なふたりがタッグを組んだのには理由があります。ふたりは2021年、コロナ禍で飲食業界が疲弊していた時に自分たちに何かできることはないかと、料理人であり経営者という視点から食に興味がある人々に「学び」を提供するオンラインサロン「Close table」を開設。現在は150人もの会員数となり、食にまつわるさまざまなプロジェクトが生まれています。こちらはそのうちのひとつで会員が作った野菜やハーブなどの食材を使ったメニューを奥野さんと米澤さんが考案、そして会員の料理人たちが調理しています。
多彩な野菜とスパイスが織りなす「中東イタリアン」
提供するのは「中東イタリアン料理」。初めて耳にしたこの料理は奥野さんと米澤さんが創り出した新しいジャンルです。海外でのキャリアを持ち、常に食のアンテナを張っているふたり。欧米では大人気の中東料理が日本では認知度が低いことに疑問を感じ、馴染みのあるイタリア料理と融合させることで中東料理のおいしさを伝えたいという思いから生まれました。米澤さん曰く「基本的にはドライスパイスがインド系でフレッシュスパイスがアジア系の味わいを引き出します。中東料理はドライスパイスとフレッシュスパイスの融合だとイメージしてもらえれば」と。いったいどんな料理が振る舞われるのか、早速ご紹介しましょう。
こちらは自家製のジンジャーシロップでマリネした茄子を香ばしく焼き、ヨーグルトの酸味とアリッサの辛みが心地よいソースを絡ませ、ザクロや松の実の食感が五感を喜ばせます。スパイスやアリッサはそれほど強くないので中東料理初心者におすすめです。
ヨーロッパで人気の料理「タブレ」は元々イスラエルやレバノンなどで日常的に食べられているサラダ「タブーリ」のブルグルという小麦の代わりにクスクスを使ってアレンジしたもの。こちらはブルグルに揚げたキヌアを加えています。キュウリやプチトマト、季節の野菜にひよこ豆、スマックの香りと酸味やホオズキとリンゴの甘みによるバラエティ豊かな食感と味わいが楽しい一品です。
マイクロハーブは今、東京の飲食店が注目している「江戸前ハーブ」。垂直栽培によるみずみずしく力強い風味が持ち味のマイクロハーブは多様なスパイスにも負けずにしっかりと本来の味わいを主張します。この小さなひと匙に未来へ繋がる食体験がこんもりとのっているのです。
メニューに入れて欲しいという希望ダントツだったカリフラワーは、表面をカリッカリに焼き上げ、ピーナッツバターにカレースパイスを利かせたオリジナルソースを合わせています。マイクロハーブをたっぷりのせた野菜好きにはたまらない一皿です。
そのカリフラワーにはピーナッツバターとカレースパイス、ライムジュース、オリーブオイル、バターで作ったソースを。こってりかと思いきや、カレースパイスとライムジュースの効果で意外に軽く感じます。日常的に食べられる食材をスパイスやハーブで誰にも真似のできないレストラン料理に仕上げる。シェフふたりのクリエイティブなセンスがなせる新境地な一皿です。
2年熟成させ、その甘さはさつまいも級の北海道十勝産のメークインと蒸したムール貝に、ピューレ状にしたグリーンアリッサとタヒニソースを混ぜ合わせたオリジナルのソースをたっぷり。赤い色がポピュラーなアリッサソースを青唐辛子やパクチーやイタリアンパセリなどの野菜とクミンやコリアンダーなどのスパイスでグリーンカラーにし、ハーブオイルにスパイスを入れたのは米澤さんの新発想。数種類もの食材やスパイスが入り混じり、未体験の味覚へと誘います。