ガレットなのにお好み焼き⁉ 唯一無二の大阪的フレンチ

さて、この店のスペシャリテ的メニューが、そば粉のクレープ「ガレット」。通常はチーズや生ハムなどを包むんですが「せっかくだから大阪人が好きな味に」と、なんとお好み焼き風ガレットを発案。

いかなる時もお好みソースの味を求める大阪人にとってはうれしい一品です

しかも具は「すじこん」。調理工程を見ていても、とてもガレットを作る風景には見えません。まんまお好み焼きやないかーい!とツッコミたくなりますが、生地はちゃんとそば粉7割に小麦粉3割、確かにガレットですねえ。

ガレットは「すじねぎ」790円、「豚玉風」870円の2種。他にも好みの具で作ってくれるそうです

薄い生地をパリッカリッと焼けるのも鉄板ならでは。目の前で良い香りが立ちのぼり、ますます食欲が増します。

目玉焼きも鉄板で別焼きにして、蓋をするようにガレットにのせます
お好み焼きソースとマヨネーズをかけて、青海苔まで……! フランスと大阪の融合や~

ナイフを入れると卵がとろ~り、すじこんも柔らか。赤ワインにも意外とピッタリです。ガレットの種類は今後増やす予定とのこと、楽しみですね!

肉料理も蒸し焼きにしてカリッジュワッと

目の前の丸いステーキカバーの中から良い匂いがするなと思っていたら「豚肩ロースのスパイス焼き」が仕上げられていました。こちらはマンガリッツァ豚に塩コショウやローズマリー、タイム、オレガノなどをすり込んで、鉄板で蒸し焼きしたもの。鉄板の低い温度の部分でじんわり焼き上げているので、中はロゼピンクながらしっとり火が通り、これぞ低温調理の極みや~!と拍手したくなります。

マンガリッツァ豚はハーブとの相性が良いそう。塩麹もすり込むことで肉が柔らかくなる効果が

合わせるソースは意外にもちょい辛のトマトサルサソース。フレッシュトマトの爽やかな酸味が、ほどよく脂身のある豚肉にマッチしています。塩麹は肉を柔らかくするだけでなく、塩分を抑えられるので「外食って塩分が多いんだよなー」と心配する人にはうれしい配慮。

豚肩ロースのスパイス焼きは1,200円。新メニューだそうです!

「天神橋筋商店街に移ってきて、色んな飲食店の方と仲良くなり、新メニュー作りのヒントをもらっています」と小薗さん。沖縄料理や日本酒居酒屋など全く違うジャンルのメニューのエッセンスも織り交ぜて、今後もフレンチの枠にとどまらない鉄板料理を繰り出していくそうです。

まだまだ進化途中! 新メニュー続々と登場します

軽妙なトークで包容力のある小薗さん。1人で行ってもすぐ仲良くなれると思います!
 

猫田さん

あ。書き忘れていましたが前店「べろべろばあ」時代からのランチのワインコインカレーも受け継いでおり、昼はキーマカレーが500円でいただけます。物価高なのに有難い……!

紹介した料理以外にも「べろべろジャークチキン」やら「シェフの気まぐれ焼きそば」やら興味をそそるメニューがいっぱい。しかも390円~とは、余裕でせんべろができてしまう呑兵衛のオアシスのような店です。

価格とメニューは今後変わる予定だそうですが「お客さんに喜んでもらうのが最優先」とコスパの良さは貫く姿勢。1号店の「コゾノ フレンチ スタンド」も同様にリーズナブルかつハイクオリティなので、いっそ両方ハシゴするのが正解だと思います!

※価格は税込

撮影:橋本正樹
文:猫田しげる